ブロウン・ディフューザー
ブロウン・ディフューザーとは、レッドブル RB6に搭載された排気ガスを直接ディフューザーへ吹きかけ、エアロダイナミクスを向上させるように設計されたリアエンドコンセプト。F1第9戦ヨーロッパGPでは、フェラーリ、ルノー、メルセデスGPが投入し、今シーズンの話題となっているソリューションだ。

レッドブルは、シーズン前のバルセロナテストでこのコンセプトをテスト。他チームを欺くために、あたかもこれまでの位置に排気口があるようにステッカーでカモフラージュするほど念をいれていた。

序盤のレッドブルのパフォーマンスを目の当たりにしたエンジニア達はRB6のリアエンドに注目。低い位置に搭載されたエキゾーストにヒントを見い出し、コピーを開始した。

ブロウン・ディフューザーは、アンダーボディの空力効率を劇的に増幅させる。排気ガスを直接吹きかけられたディフューザーは、通過する気流を加速させ、マシンの下から空気をより吸い上げる。また、ディフューザーへの供給する空気量を増加させ、高速でのダウンフォースを改善させる。

フェラーリは、ラジエーラーレイアウトより最適に収納し、狭くなったサイドポット内の温度上昇に対処するためにサイドポッドのボディワークを変更。また、マッサのマシンには、リアサスペンションのロワーアームを排気ガスの熱から遠ざけるために新しいギアボックスを採用してきた。

また、フェラーリはエキゾースト後方に熱で色が変化する特殊なペンキでストライプ上にラインを引き、吹き付けられる排気ガスの温度をモニターしていた。

ルノーのブロウン・ディフューザーは、上部の熱を遮断するためにエキゾーストをカバーで覆っていた。

マクラーレンもイギリスGPからブロウン・ディフューザーを投入するとしており、今シーズンはブロウン・リアウイング(Fダクト)とブロウン・ディフューザーの“プロウン”デバイスが必須アイテムとなっている。

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レッドブル、ステッカーでライバルの目を欺く - 2010年3月1日

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