F1 2018年のF1世界選手権
2018年のF1世界選手権のトピックスをクイズの答え合わせという形で振り返る。

2018年の元日、当サイトでは2018年のF1世界選手権に起こるであろう出来事をクイズ形式でピックアップ。1年が終了し、2018年シーズンがどのような展開になったのかを答え合わせをしながら振り返ってみる。

(1)ウィリアムズのシートを獲得するのは誰か?
フェリペ・マッサが引退し、唯一空席が残っているウィリアムズのシート。“17億円のロシアマネー”を持ち込むセルゲイ・シロトキンがF1デビューを果たすのか? もしくは“開幕7戦で8億円”というオファーを提示したロバート・クビサが電撃復帰を果たすのか? 答えは1月に下されるはずだ。

1月16日、ウィリアムズはセルゲイ・シロトキンの起用を発表。ロバート・クビサはリザーブドライバーに就任した。しかし、最終戦アブダビGPで2019年にセルゲイ・シロトキンに代わり、ロバート・クビサが8年ぶりに復帰することが決定した。

(2)マクラーレンは輝きを取り戻せるのか?
ホンダとのパートナーシップを解消して、ルノーのカスタマーエンジンを搭載することになったマクラーレン。シャシー性能には自信をみせていたマクラーレンが、レッドブルと同じエンジンを搭載することで表彰台、そして、優勝争いに返り咲くことができるだろうか? プレシーズンテストでマクラーレンがどのようなタイムを記録し、首脳陣がどのような発言をするのかが楽しみだ。

マクラーレンはプレシーズンテストから信頼性トラブルが多発。開幕戦こそ、フェルナンド・アロンソが5位入賞を果たして「僕たちは戦える!」と無線で叫んだが、徐々に後退。結果として、ホンダのエンジンではなく、マクラーレンのシャシーに問題があったことをチームも認めることとなった。

(3)ホンダを搭載したトロ・ロッソの競争力は?
2017年シーズン後半は定期的にQ3進出とポイントを争えるポジションまで競争力を改善させたホンダ。マクラーレンが低迷したのは本当にホンダだけの責任だったのか? 二人のルーキーを起用する中堅チームのトロ・ロッソがどのような戦いをみせるかでその答えが見えてくるだろう。レッドブルの“Bチーム”とフェラーリの“Bチーム”であるハース、ザウバーとのバトルは成り立つのか?

ホンダは、トロロッソとのパートナーシップで信頼性とパフォーマンスの向上を示し、第2戦バーレーンGPではピエール・ガスリーが2015年にホンダがF1復帰してからの4位入賞を達成。“スペック3”エンジンを実戦投入した日本GPでは2台揃ってQ3に進出する速さをみせた。しかし、ハースが5位、ザウバーが8位だったのに対し、トロロッソ・ホンダは9位と成績を残すことはできなかった。

(4)レッドブルは2019年にどのメーカーのエンジンを搭載するのか?
ルノーは2018年末の契約終了をもってレッドブル・レーシングへのエンジン供給を終了するとされている。それは現実のものとなるのか? ルノーとレッドブルのメディアを通した攻撃合戦は? ホンダがトロ・ロッソで競争力を見せた場合、レッドブルはホンダを選択するのだろうか? 夏休み前から様々な噂が浮上することになるだろう。

6月19日、レッドブル・レーシングはルノーとの12年間のパートナーシップを終了し、2019年からホンダのF1パワーユニットを搭載することを発表。2019年にホンダは、レッドブルとトロロッソの2チームにワークスエンジンを供給することになった。

(5)ダニエル・リカルドは2019年にどのチームを選ぶのか?
2018年でレッドブルとの契約が終了するダニエル・リカルドは、次の契約がワールドチャンピオン獲得という目標を達成する上で重要な決断となる。レッドブルが搭載するエンジン、そして、シーズン序盤から競争力をみせるかが重要なポイントとなるだろう。

8月3日、ダニエル・リカルドは、10年間過ごしたレッドブルを離れ、2019年からルノーに移籍することを発表。世界中のF1ファンを驚かせた。

(6)キミ・ライコネンは2019年もF1シートを確保できるのか?
しばらく勝利から遠ざかっているキミ・ライコネン。1年毎の契約更新となっているキミ・ライコネンは2019年もシートを確保できるのか? ダニエル・リカルドやシャルル・ルクレールといった候補者がすでに挙げられており、シーズン序盤の成績によっては早くから“キミ・ライコネン引退”の噂が流れるかもしれない。

9月11日、フェラーリは2019年のドライバーとしてキミ・ライコネンに代えてシャルル・ルクレールを起用することを発表。キミ・ライコネンは、2001年にF1デビューを果たしたザウバーと2年契約を結んで現役を続行することが決定した。

(7)ルイス・ハミルトンはメルセデスとの契約を何年延長するのか?
ルイス・ハミルトンが2018年末にメルセデスとの契約を延長するのは確実かもしれないが、それが何年契約になるかが注目のポイント。メルセデスでミハエル・シューマッハのワールドチャンピオン記録を目指すのか? はたまた赤いレーシングスーツに袖を通す日が来るのか? 引退報道はなされるのか?

7月20日、メルセデスはルイス・ハミルトンと2020年まで契約を2年間延長することを発表。年俸は推定5200万ポンド(約58億円)と報じられている。ルイス・ハミルトンは自身5度目のF1ワールドチャンピオンを獲得。今後2年で連覇を果たせば、ミハエル・シューマッハの記録に並ぶことになる。

(8)3基のパワーユニットの制限内でシーズンを終えられるチームは?
2018年からはドライバーが年間に使用できるエンジンは3基までとなり、MGU-K、コントロールエレクトロニクス、エネルギーストアは年間2基に減少する。今季はICEだけで19基を投入したホンダやホンダは信頼性を確保できるのか?

ルイス・ハミルトン(メルセデス)、フェラーリ、フォースインディア、ウィリアムズ、シャルル・ルクレール(ザウバー)が制限内でシーズンを終了。ホンダは技術トラブルが理由の変更は少なかったものの、2019年に向けて最新スペックを続々と投入したことで最多のパワーユニットコンポーネントを投入した。

(9)F1史上初の3連戦 「物流面のチャレンジ」という言葉は何度発せられるか?
2018年はF1史上初となる3連戦がシーズン中盤にヨーロッパで行われる。6月末から7月末まで6週間で5戦という過密スケジュールに対してリバティメディアへの不満の声はどれくらい挙がるだろう?

3連戦中に不満を述べるチームはほぼなかったが、オーストラリアGPが開催されたレッドブル・リンクでは、各チームは通常のモーターホームではなく、仮設のモーターホームを使用。今季の3連戦はサッカーのワールドカップ開催が原因であり、2019年からは3連戦は回避される。

(10)フェルナンド・アロンソのル・マン24時レース参戦は実現するのか?
1月にデイトナ24時間レースへの参戦が決定しているフェルナンド・アロンソ。トヨタからのル・マン24時間レース参戦は実現するのか? モナコGPに次ぐ“2冠”は達成できるのか?

1月30日、トヨタはフェルナンド・アロンソを8号差のドライバーに起用することを発表。そして、6月のル・マン24時間レースでは見事優勝し、“2冠”を達成。今シーズン限りでF1キャリアにピリオドを打ったアロンソは、2019年にマクラーレンからインディ500に再挑戦し、“3冠”達成を目指す。

(11)アルファロメオはザウバーに違いをもたらすか?
フェラーリとの提携を強化し、アルファロメオをタイトルスポンサーに迎えるザウバーは最下位を脱却できるのか? 期待のルーキーであるシャルル・ルクレールの実力、マーカス・エリクソンの2015年のF1イタリアGP以来となるポイントを獲得することができるのか?

今年、ザウバーはコンストラクターズ選手戦を8位で終了。最も改善を果たしたチームのひとつとなった。シャルル・ルクレールは第4戦アゼルバイジャンGPで6位入賞を果たすと、最終3戦では連続で7位入賞を果たすなどのパフォーマンスを見せ、2019年にフェラーリ移籍が決定。マーカス・エリクソンも第2戦バーレーンを含め、6戦で入賞を果たした。

(12)2021年のF1エンジン案は? フェラーリはF1から撤退するのか?
既存メーカーから猛反発を受けている2021年のF1エンジン案。リバティメディアとエンジンメーカーの対立関係はどう発展していくのか? フェラーリはF1撤退の脅迫を続けるのか? アストンマーティンとのエンジンパートナー契約が噂されるレッドブルの立ち位置は? この問題もシーズンを通して再び論争になることだろう。

既存のF1エンジンメーカーは、2021年まで現行のパワーユニットの開発を続けながら、新しいテクノロジーに莫大な投資をすることに反対。F1はその要求を飲み、燃料規制や最大回転数など現行エンジンにわずかな変更を加えるだけに留めることになった。それはアストンマーティンやコスワース、ポルシェといったF1参入を思いとどまらせることになった。

(13)メルセデスの支配は続くのか? 中団の勢力図はどう変わる?
2014年のV6ターボハイブリッドが導入されて以来、メルセデスが支配しているF1。今年はフェラーリが脅威をもたらしたが、後半戦は自滅。2018年はフェラーリとレッドブルがどこまでメルセデスを苦しめるのか? 2年連続で“ベスト・オブ・ザ・レスト”となったフォース・インディアを脅かすチームは? ウィリアムズ、ルノーは反撃できるのか? マクラーレンの実力は?

結果的に今年も前半戦はフェラーリがメルセデスを上回る速さを見せるも、後半戦は失速。蓋を開ければメルセデスがダブルタイトルを5連覇。フォースインディアは開幕前から財政難が報じられ、夏休み後にチームのオーナーシップが変わって0ポイントから再出発。中団のトップとなる“ベスト・オブ・ザ・レスト”の座にはルノーがつけた。

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カテゴリー: F1 / F1関連