ニキ・ラウダ
映画『ラッシュ プライドと友情』の主人公であり、1976年のF1グランプリにおいて瀕死の重傷を負い、再起不能と言われながらも復帰、ジェームス・ハントと優勝争いを演じたニキ・ラウダが、鈴鹿サーキットで開催中のF1日本GPに伴い来日、記者会見を行った。

ニキ・ラウダは、自身がモデルとなった本作についての感想や、ジェームス・ハントとの思い出、舞台となった1976年当時のF1グランプリに関するエピソードなどを語った。

映画を観た感想をきかせてください。
ロンドン、トロント、オーストリアなどで、何度もこの映画を観ました。一人の観客として映画を観て、初めて(76年のシーズン中)ニュルブルクリンクで自分が体験した大事故を、客観的に観ることができました。映画としてもとても面白い作品で、ずば抜けた完成度だと思っています。レースシーンの迫力はもちろん、私とジェームス・ハントという二人のレーサーの関係や葛藤が、観る人の心に響く作品です。

ジェームス・ハントとの思い出についてお聞かせください。
今日、ここにジェームス・ハントが一緒にいないことが、悲しいです。本当は二人で、この素晴らしい映画を、ビールでも飲みながら観たかったですね。私たちはレーサーで、ライバルだったけれど、お互いをリスペクトしていました。

あなたとジェームス・ハントの物語が映画になると聞いたのはいつごろですか?
本作の脚本を担当したピーター・モーガンから二年前に話を聞いて、色々当時のことを質問されて答えていました。その後、監督のロン・ハワードも私の住むウィーンまで来てくれて、話をしました。『アポロ13』などで有名なオスカー受賞監督が映画にすると聞いて感激しましたね。その後、「君を演じる俳優が見つかったよ!」という連絡があり、ダニエル・ブリュールと会う機会を持つこともできました。ダニエルとは、一緒にブラジルGP を観に行ったり、撮影中も何度も電話をくれたりしましたよ。

この映画で一番好きなシーンはどこですか?
ニュルブルクリンクで大事故を起こした後、入院しているところですね。あのシーンでは、(瀕死の重傷から)まさに自分が、生きるために戦っているところ、妻や周りの人間が、あの時の私をどう見ていたのか知ることができましたからね。・・・その後レースに復帰して、記者会見を行ったのですが、人々は私をショッキングな目で見ていました。インタビュー中も、私の目を見てくれないんです。顔のやけどにばかり目が行っていました。

劇中、ジェームス・ハントは相当なプレイボーイとして描かれていますが、実際にそうだったんでしょうか?
あんなもんじゃないですよ!もっと凄かった(笑)。F1レーサーは、毎週末命をかけて戦うから、遊びも無茶苦茶になるんです。普通のレーサーが日曜から水曜を楽しんで過ごすところを、ハントは毎日遊んでいましたからね(笑)

ラッシュ プライドと友情
■2014 年2 月 TOHO シネマズ 日劇ほか全国ロードショー ■配給:ギャガ
■(C)2013 RUSH FILMS LIMITED/EGOLITOSSELL FILM AND ACTION IMAGE.ALL RIGHTS RESERVED.


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カテゴリー: F1 / F1関連