ヨス・フェルスタッペン 「私がピアストリならテーブルを叩いて抗議する」
マックス・フェルスタッペンの父で元F1ドライバーのヨス・フェルスタッペンは、オスカー・ピアストリが2025年のF1ワールドチャンピオンシップを逃した場合、評判に悪影響を及ぼす可能性があると警告した。

ピアストリは9月初旬の時点でチームメイトのランド・ノリスに34ポイント差をつけ、6か月にわたってタイトル争いをリードしていた。しかしその後流れは一変。イタリアGPでの物議を醸したチームオーダー(ピットストップのミス後、ノリスに2位を譲る指示)以降、表彰台から遠ざかっている。

現在、ノリスが1ポイント差で首位に立ち、フェルスタッペンは36ポイント差の3番手。残り4戦を前に、タイトル争いは三つ巴の様相を呈している。

ヨス・フェルスタッペン「ピアストリが突然ドライビングを忘れるはずがない」
「マクラーレンで起きていることは奇妙だと思う」とヨス・フェルスタッペンはオランダ紙『De Telegraaf』に語った。

「ピアストリが突然ドライビングを忘れるなんてことはありえない。もし僕が彼、もしくは彼のマネージャー(元F1ドライバーのマーク・ウェバー)なら、チーム内で一度はテーブルを叩いて抗議するだろう」

「今の状況では『彼はプレッシャーに耐えられないのか?』と誰もが疑問を持ち始めている。それは彼の評判にとって良くない。ピアストリの評価が下がってしまうんだ」

マクラーレン贔屓説とファンの反応
チャンピオンシップの急転は、ピアストリの実力だけで説明できないとの見方を生み、さまざまな憶測を呼んでいる。メキシコGPでノリスが優勝した際には観客からブーイングが起き、地元メディアは「チームがピアストリよりノリスを優遇している」との陰謀論がファンの間で広まっていると報じた。

しかしマクラーレンはこれを一貫して否定し、2人のドライバーを平等に扱っていると主張している。

ピアストリ「チームが僕を不利に扱っているわけではない」
サンパウロGPのメディアデーで、ピアストリはチームが自分に不利な扱いをしているという説を明確に否定した。

「そんなことはない」とピアストリは断言した。「ここ数戦は少し難しい週末が続いているけど、その理由はかなり明確になっている。何が起きたのか分からないなんてことはない」

「走り方の違いなど、いくつかの点で疑問はあるけど、すべて説明がつくことなんだ」

マクラーレン内部の力学と心理戦
ピアストリとノリスの間に明確な優先順位はないとチームは主張しているが、シーズン後半の戦略判断やアップデートの流れを見ると、外部からは“微妙な差”が感じ取られるのも事実だ。

ヨス・フェルスタッペンの指摘は、ピアストリ陣営が心理的に受け身に回っている現状を突いており、「テーブルを叩く」発言は、若いドライバーに自己主張を求めるメッセージでもある。

ノリスが勢いを取り戻す一方で、ピアストリは冷静さを保ちつつも、タイトル争いにおける政治的・心理的駆け引きの重要性を学ぶ段階にあるといえる。

残り4戦──インテルラゴスの週末は、彼の真価が問われる局面となる。

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カテゴリー: F1 / オスカー・ピアストリ / マクラーレンF1チーム