ピアストリ F1アゼルバイジャンGPのクラッシュ後「取り残され事件」の真相
マクラーレンのオスカー・ピアストリは、F1アゼルバイジャンGP決勝でクラッシュを喫し、シーズン初のリタイアを余儀なくされた。しかしさらに注目を集めたのは、その後の異例の光景だった。ピアストリはバクー市街のコース脇に「取り残され」、観戦者やカメラの前で途方に暮れる姿をさらすことになったのだ。

通常ならメディカルカーでパドックへ戻るはずが、軽度のクラッシュだったため派遣されず、連絡手段もないまま孤立。結局、マクラーレンがFIAに助けを求めてようやく帰還できるという珍事に発展した。

この“異例の取り残され事件”は、クラッシュ以上にファンの話題をさらった。

F1インサイダーが、先週末のバクーでマクラーレンがFIAに連絡するに至った経緯について明らかにした。

選手権リーダーのオスカー・ピアストリは、バクーの週末を通して異例の不調に陥り、予選と日曜の決勝でクラッシュを喫した。

1周目のターン5でバリアに接触するという意外で精彩を欠いた形でのリタイアとなった後、オーストラリア人ドライバーはライバルやタイトル争いの直接の競争相手たちがポイントを稼ぐのを見届けるしかなかった。

生中継映像では、ピアストリが実際にコース脇から観戦している姿が映し出され、マーシャルから電話を借りて間近でレースの行方を追っていたと伝えられた。

オスカー・ピアストリ マクラーレン F1 アゼルバイジャンGP

その後、フォトグラファーのフロラン・グーデンが撮影した写真には、ピアストリがレーススーツ姿のまま市街を歩くという気まずいシーンが収められていた。突然現れたF1ドライバーの姿に、現地の人々は驚きを隠せなかった。

一方、フォトグラファーのキム・イルマンは、自身のYouTube動画で「この一連のプロセスはピアストリとチームにとって非常に厄介だった」と明かしている。

イルマンはマクラーレンにとって今季最悪の週末となった出来事を振り返り、日曜にピアストリをメディアペンへ戻すため、チームがどれほど奔走したかを明らかにした。

イルマンは「オスカーはレース全体をあのマーシャルの椅子に座って過ごさなければならないように見えた」と説明した。

ではなぜ彼はそのままコース沿いを歩いて戻らなかったのかと思う人もいるだろう。確かにトラックフェンスと観客フェンスの間に『モート』と呼ばれるスペースはある。しかし、どこかの時点でコースを出て、ひとりでバクーの街を歩かなければならなかった」

通常、ドライバーが深刻なアクシデントに巻き込まれれば、メディカルカーでパドックに戻される。しかしイルマンによれば、今回のピアストリのクラッシュは深刻ではなかったため、メディカルカーは派遣されなかった。

「だから、彼はあの場所に取り残されていたんだ」とイルマンは続けた。

「チームが彼に連絡を取る手段はなかった。彼自身もチームに連絡できなかった。パドックでは、彼の広報担当のソフィーとセキュリティ担当がどうやって戻すか必死に考えていた。彼らはFIAに連絡したが、FIAもこのエリアのことは把握していなかった。ここからドライバーを戻すのがどれほど厄介か知っているのは、メディアやマーシャルだけなんだ」

最終的にピアストリはパドックに戻り、シーズン初のリタイアを招いたこのアクシデントが自分のミスだったと認め、多くの記者からの質問に答えた。

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カテゴリー: F1 / オスカー・ピアストリ / マクラーレンF1チーム