柿元邦彦 NISMOアンバサダー SUPER GT × DTM 特別交流戦を語る
柿元邦彦 NISMOアンバサダーが、SUPER GT × DTM 特別交流戦について語った。

「ドイツツーリングカー選手権(DTM)とSUPER GTの規則の統合については、2010年頃から話し合いが始まりました。ドイツと日本の両レースが規則を統合すれば、お互いのレースに出られる可能性が生まれるし、またコストダウンを図れる。そういった目的があって進んだ「CLASS1」は、DTMは2019年から、そしてSUPER GTではエンジンや空力面の開発領域が少し異なる「CLASS1+α」が2020年から採用されることになります」

「理想としていたコスト削減についてはこれで成り立ちますが、お互いのレースに出ているマシンが参戦しあうというのは難しいこと。一昨年にデモ走行を行い、今年の10月にはGTマシンが3台、ホッケンハイムでのDTM最終戦にゲスト参戦しましたが、今回はDTMマシンが日本にやってきます」

「2つのカテゴリーは、そもそもレースフォーマットが大きく違います。まず、タイヤはDTM側がハンコックタイヤのワンメイクに対し、SUPER GTはマルチブランド。そして、DTMはスプリントレースで、SUPER GTはセミ耐久です。また、DTMではCLASS1車両だけでレースが行われますが、SUPER GTでは速さの違うGT300クラスのマシンと混走するという違いもありますね。これだけ違う2つのレースがお互いに交流し、一緒に走るというのは非常に意味のあることだと考えます」

「今回の特別交流戦は、使用するタイヤはハンコックでワンメイクになります。レースフォーマットは、55分+1周。土曜日と日曜日にそれぞれ予選と決勝を行います。DTM側はスプリントレースですから、耐久レースに必要な設備を、この交流戦に合わせて準備するのはとても難しいので、合理性を考えこのようなフォーマットになりました。いっぽう、DTMで使用されているDRSやプッシュトゥパスといった、オーバーテイクをするためのシステムは使用できないことになっています」

「55分+1周というレースフォーマットは、日本ではあまりないので見るほうも戸惑うかもしれませんね。例えば、残り15分あると思っても、セーフティカーが入ったりすれば、そのままゴールする可能性もあり得ます。また1回のタイヤ交換が義務付けられていますが、やり方が通常のGTと違っていますし、ドライバー交代もありません」

「いつもセミ耐久で300km、500kmという距離を走っているGTマシンですが、スプリントレースではいつもと違う戦いを見せることでしょう。しかも、土曜日と日曜日で2回レースがあるので、いつもの2倍楽しめます。また、アウディやBMWが一緒に走るというのも見ていて面白い点だと思います。アウディやBMW、ドイツ車のファンの皆さんも、富士スピードウェイに来ると思いますし、新しいレースファンとの交流も楽しんでいただけるのではないでしょうか」

「レース展開は全く予想できませんが、各チームとも、ファンの皆さんに楽しんでもらえるよう一生懸命戦っていきますので、ぜひ応援してください」

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カテゴリー: F1 / 日産 / DTM(ドイツツーリングカー選手権) / SUPER GT