カイル・ブッシュ死去 NASCARカップ2冠王者 享年41歳
カイル・ブッシュが5月21日に死去した。享年41歳。NASCAR、ブッシュ家、リチャード・チルドレス・レーシングが共同で発表したもので、チームは同日早く、ブッシュが重い病気で入院していることを明らかにしていた。

ブッシュはNASCARカップシリーズで2015年と2019年にタイトルを獲得し、通算63勝を記録。カップ通算勝利数では歴代9位に位置する。さらに下位2つの全国シリーズでも、オライリー・オートパーツ・シリーズで102勝、クラフツマン・トラック・シリーズで69勝を挙げ、NASCAR史に残る実績を築いた。

NASCARが失った“世代に一人”の才能
NASCAR、ブッシュ家、リチャード・チルドレス・レーシングは共同声明で、ブッシュを「世代に一人の稀有な才能」と表現した。

「我々のNASCARファミリー全体が、カイル・ブッシュの死に深く心を痛めている。将来の殿堂入りが確実視されるカイルは、世代に一人現れるかどうかの稀有な才能だった」

「彼は激しく、情熱的で、非常に優れた技術を持ち、このスポーツとファンを深く大切にしていた」

ブッシュは20年以上にわたるキャリアで、NASCARの全国シリーズ通算勝利記録を積み上げ、最高峰でチャンピオンに輝き、トラックシリーズのチームオーナーとして次世代ドライバーの育成にも関わった。

ヘンドリック、JGR、チルドレスで刻んだキャリア
ブッシュは2005年にヘンドリック・モータースポーツからカップシリーズに本格参戦。2008年にジョー・ギブス・レーシングへ移籍し、トヨタのNASCAR活動を象徴する存在となった。

JGR時代には15年連続で勝利を挙げ、カップ通算63勝のうち56勝を同チームで記録。2015年と2019年の2度、カップ王者に輝いた。

2023年からはリチャード・チルドレス・レーシングに加入し、No.8シボレーをドライブ。2023年6月4日のワールド・ワイド・テクノロジー・レースウェイでの勝利が、最後のカップシリーズ優勝となった。

“ロウディ”として愛され、憎まれた強烈な存在
ブッシュはファンの間で常に強い感情を呼び起こす存在だった。熱狂的な支持者からは愛され、一方でライバルファンからは大きなブーイングも浴びた。

若くして頭角を現した当初は、兄カート・ブッシュの弟として“シュラブ”と呼ばれたが、攻撃的な走りと映画『デイズ・オブ・サンダー』に由来する“ロウディ”の愛称が定着した。

その鋭い発言、激しい競争心、勝利後の一礼パフォーマンスは、ラスベガス出身のショーマンとしての側面も示していた。

家族とNASCAR界に残した大きな空白
カイル・ブッシュは1985年5月2日、ラスベガスに生まれた。父トムは地元でレースをしていたメカニックで、兄カート・ブッシュもNASCAR殿堂入りドライバーとして知られる。

ブッシュには妻サマンサ、長男ブレクストン、長女レニックスがいる。

NASCARは声明の中で、家族のプライバシーを尊重するよう求めている。突然の訃報は、NASCARだけでなく、モータースポーツ界全体に大きな喪失感をもたらしている。

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カテゴリー: F1 / NASCAR