MotoGP:ヤマハ 公式セパンテストレポート
マレーシアはセパン・インターナショナル・サーキットで2月5日、シェイクダウン・テストに続いて今季初となるオフィシャル・テストがスタート。
Monster Energy Yamaha MotoGPのファビオ・クアルタラロとアレックス・リンスは、同サーキットでシェイクダウン・テストに参加していたこともあり、すぐさま作業にとりかかり、それぞれ54ラップと41ラップを走行。さまざまなパーツの評価やデータ収集を行うなかで、クアルタラロがトップ、リンスが14番手と上々の滑り出しを見せた。
2月5日(1日目)
Monster Energy Yamaha MotoGP、クアルタラロがトップタイム
2025年シーズンに並々ならぬ意欲を燃やすクアルタラロは、テスト開始からわずか20ラップで1分58秒台の壁を破り1分57秒754を記録してトップに浮上。このタイムで8時間にわたるセッションの終盤までトップをキープしたまま、順調に全54ラップを走り切った。その50ラップ目ではタイムを1分57秒555へと更新しており、2番手に0.051秒差をつけた。
一方のリンスはシェイクダウン・テストで確かな手ごたえを感じており、この日も自信を持って走行に臨んだ。気温が高く、風が強い過酷なコンディションのなか、さまざまなパーツの比較を行いながら合計41ラップを順調に走破。26ラップ目で1分58秒652のベストタイムを記録し、クアルタラロから1.097秒差の14番手で初日を終えている。
セパンテスト1日目(2月5日)結果
2月6日(2日目)
Monster Energy Yamaha MotoGP、順調にテスト・プログラムを継続
Monster Energy Yamaha MotoGPのクアルタラロとリンスはテスト2日目を迎え、8時間にわたるセッションに臨んだ。シーズン開幕前のテスト・プログラムに沿ってさまざまなアイテムを試し、それぞれ2番手と13番手のタイムを記録。2日間の総合で2番手と14番手につけた。
クアルタラロは前日に続き好調をキープ。セッション開始からわずか6ラップ目で1分57秒324を記録してトップに立つと、その後は課題に集中的に取り組んだ。午後は小雨が降り、作業が計画通りに進まない時間帯もあったが、コンディションが回復したあとの時間を最大限有効に使い、合計47ラップを走破。午前中の記録がこの日のベストタイムとなり、トップから0.114秒差の2番手だった。
一方のリンスはデータ収集とニューパーツの評価・分析に注力してテストを実施。午後の天候変化により当初の予定より休憩時間が長くなったが、路面が急速に乾き、残り2時間を最後の瞬間まで積極的に走行を継続した。その結果、周回数は合計60ラップにのぼり、ベストは23ラップ目に記録した1分58秒275でトップから1.065秒差の13番手となった。
セパンテスト2日目(2月6日)結果
2月7日(3日目)
Monster Energy Yamaha MotoGP、好調のうちにテスト終了
Monster Energy Yamaha MotoGPは2月7日、セパン・インターナショナル・サーキットで3日間にわたり行われた2025年シーズン最初のオフィシャル・テストを好調のうちに終了した。クアルタラロとリンスはそれぞれ3番手と10番手のタイムを記録し、3日間の総合でも同順位となっている。
クアルタラロは最終日もテスト・プログラムを順調にこなし、合計58ラップを走破する中でニューアイテムの最終評価を行った。開始早々に1分57秒台の壁を破り、10ラップ目に1分56秒724で3番手。またこれが3日間を通してのベストタイムとなり総合成績でも3番手(昨年は総合11番手)となった。トップとの差は0.231秒だった。
リンスもまた多くのテスト項目について判断を下し、さまざまなセッティング・オプションも試した。最大の目標はいつもと同様、できるだけ多くのデータを収集してシーズン開幕に備えることだったが、この日はマシンに良い感触をつかむとタイムアタックも実施。この結果、全53ラップ中25ラップ目に自己ベストとなる1分57秒351を記録し、トップから0.858秒差の10番手、総合でも10番手(昨年は総合16番手)につけた。
チームはこのあとタイのブリラムに位置するチャーン・インターナショナル・サーキットへ移動し、2月12日~13日に開幕前最後の公式テストに臨う。2025年シーズン初戦は2月28日~3月2日、同サーキットで開催される。
セパンテスト3日目(2月7日)結果
Monster Energy Yamaha MotoGP
ファビオ・クアルタラロ(総合3番手)
「とてもハッピーです! 1分56秒に到達したのは初めてなのでとてもうれしいですし、今日はチームにとっても素晴らしい一日になりました。コンディションが良かったことも幸運でした。次のブリラムでも同様のフィーリングが得られるよう期待しています。オフシーズンにはロードバイクだけでなく、いろいろなトレーニングに励みました。1ラップの速さを追求して良い結果につながったと思いますが、マシンの進化も後押ししてくれました。今回のテストのために設定した目標は、ポジティブ過ぎずネガティブ過ぎずというものでした。しかしたった1回のテストで判断はできません。本当の状態はタイGPウイークの金曜日の午後と予選セッションのなかで明らかになるでしょう」
アレックス・リンス(総合10番手)
「フィーリングは非常に良かったです。シェイクダウン・テストを含め5日間にわたりこのコースを走行し、多くのアイテム、多くのことを試してとても良い感触を持ちました。この3日間は誰もが10時~11時にソフト・タイヤを履いてタイムアタックを行いました。私たちも予定はしていたのですが、それを少し遅らせることにしました。セッティング調整のなかでのニューアイテムのテストに集中したかったからです。そしてそれが実を結びました。10時~11時にユーズド・タイヤで走行し、さまざまなものを試しました。良いフィーリングをつかんでから新品タイヤに履き替え、昨年の予選中の自己ベスト1分57秒7を上回る1分57秒3を記録することができたのです。完璧なコンディションだったわけではないので、本当にうれしいです。今回のテストにはとても満足しています。このマシンをブリラムへ持ち込み、比較してみたいと思っています」
マイオ・メレガリ(チーム・ディレクター)
「シェイクダウンからオフィシャル・テストまでとても順調でした。昨年の冬季テストやGPと比べても、進化がラップタイムに現れています。6名のライダーのデータを比較することができたのは本当に久しぶりで、このことが早くも、全体的なパフォーマンスに良い影響を及ぼしたと感じています。ここまでドラスティックな変更を行うのでなく、少しずつ進化を積み重ねてきました。2024年のテストの継続として自然な形でアップデートを続けてきたのです。二つのファクトリーチームの共同作業は順調にスタートしたと考えています。しかし全体的なレベルについて最終判断を下すにはまだ早過ぎます。本当のポテンシャルがわかるのは、全チームが同条件でスタートする次回のブリラム・テストが始まってからです」
カテゴリー: F1 / MotoGP
Monster Energy Yamaha MotoGPのファビオ・クアルタラロとアレックス・リンスは、同サーキットでシェイクダウン・テストに参加していたこともあり、すぐさま作業にとりかかり、それぞれ54ラップと41ラップを走行。さまざまなパーツの評価やデータ収集を行うなかで、クアルタラロがトップ、リンスが14番手と上々の滑り出しを見せた。
2月5日(1日目)
Monster Energy Yamaha MotoGP、クアルタラロがトップタイム
2025年シーズンに並々ならぬ意欲を燃やすクアルタラロは、テスト開始からわずか20ラップで1分58秒台の壁を破り1分57秒754を記録してトップに浮上。このタイムで8時間にわたるセッションの終盤までトップをキープしたまま、順調に全54ラップを走り切った。その50ラップ目ではタイムを1分57秒555へと更新しており、2番手に0.051秒差をつけた。
一方のリンスはシェイクダウン・テストで確かな手ごたえを感じており、この日も自信を持って走行に臨んだ。気温が高く、風が強い過酷なコンディションのなか、さまざまなパーツの比較を行いながら合計41ラップを順調に走破。26ラップ目で1分58秒652のベストタイムを記録し、クアルタラロから1.097秒差の14番手で初日を終えている。
セパンテスト1日目(2月5日)結果
順位 | ライダー | チーム | マシン | ギャップ |
---|---|---|---|---|
1 | F・クアルタラロ | Monster Energy Yamaha MotoGP | Yamaha | 1’57.555 |
2 | M・マルケス | Ducati Lenovo Team | Ducati | 0.051 |
3 | A・マルケス | Gresini Racing MotoGP | Ducati | 0.183 |
4 | F・アルデグエル | Gresini Racing MotoGP | Ducati | 0.480 |
5 | F・モルビデリ | Pertamina Enduro VR46 Racing Team | Ducati | 0.559 |
6 | J・ミル | Honda HRC Castrol | Honda | 0.560 |
8 | J・ミラー | Prima Pramac Yamaha MotoGP | Yamaha | 0.743 |
10 | M・オリベイラ | Prima Pramac Yamaha MotoGP | Yamaha | 0.816 |
14 | A・リンス | Monster Energy Yamaha MotoGP | Yamaha | 1.097 |
2月6日(2日目)
Monster Energy Yamaha MotoGP、順調にテスト・プログラムを継続
Monster Energy Yamaha MotoGPのクアルタラロとリンスはテスト2日目を迎え、8時間にわたるセッションに臨んだ。シーズン開幕前のテスト・プログラムに沿ってさまざまなアイテムを試し、それぞれ2番手と13番手のタイムを記録。2日間の総合で2番手と14番手につけた。
クアルタラロは前日に続き好調をキープ。セッション開始からわずか6ラップ目で1分57秒324を記録してトップに立つと、その後は課題に集中的に取り組んだ。午後は小雨が降り、作業が計画通りに進まない時間帯もあったが、コンディションが回復したあとの時間を最大限有効に使い、合計47ラップを走破。午前中の記録がこの日のベストタイムとなり、トップから0.114秒差の2番手だった。
一方のリンスはデータ収集とニューパーツの評価・分析に注力してテストを実施。午後の天候変化により当初の予定より休憩時間が長くなったが、路面が急速に乾き、残り2時間を最後の瞬間まで積極的に走行を継続した。その結果、周回数は合計60ラップにのぼり、ベストは23ラップ目に記録した1分58秒275でトップから1.065秒差の13番手となった。
セパンテスト2日目(2月6日)結果
順位 | ライダー | チーム | マシン | ギャップ |
---|---|---|---|---|
1 | F・モルビデリ | Pertamina Enduro VR46 Racing Team | Ducati | 1’57.210 |
2 | F・クアルタラロ | Monster Energy Yamaha MotoGP | Yamaha | 0.114 |
3 | A・マルケス | Gresini Racing MotoGP | Ducati | 0.130 |
4 | F・アルデグエル | Gresini Racing MotoGP | Ducati | 0.335 |
5 | F・バニャイア | Ducati Lenovo Team | Ducati | 0.442 |
6 | J・ミル | Honda HRC Castrol | Honda | 0.581 |
8 | M・オリベイラ | Prima Pramac Yamaha MotoGP | Yamaha | 0.761 |
10 | J・ミラー | Prima Pramac Yamaha MotoGP | Yamaha | 0.795 |
13 | A・リンス | Monster Energy Yamaha MotoGP | Yamaha | 1.065 |
2月7日(3日目)
Monster Energy Yamaha MotoGP、好調のうちにテスト終了
Monster Energy Yamaha MotoGPは2月7日、セパン・インターナショナル・サーキットで3日間にわたり行われた2025年シーズン最初のオフィシャル・テストを好調のうちに終了した。クアルタラロとリンスはそれぞれ3番手と10番手のタイムを記録し、3日間の総合でも同順位となっている。
クアルタラロは最終日もテスト・プログラムを順調にこなし、合計58ラップを走破する中でニューアイテムの最終評価を行った。開始早々に1分57秒台の壁を破り、10ラップ目に1分56秒724で3番手。またこれが3日間を通してのベストタイムとなり総合成績でも3番手(昨年は総合11番手)となった。トップとの差は0.231秒だった。
リンスもまた多くのテスト項目について判断を下し、さまざまなセッティング・オプションも試した。最大の目標はいつもと同様、できるだけ多くのデータを収集してシーズン開幕に備えることだったが、この日はマシンに良い感触をつかむとタイムアタックも実施。この結果、全53ラップ中25ラップ目に自己ベストとなる1分57秒351を記録し、トップから0.858秒差の10番手、総合でも10番手(昨年は総合16番手)につけた。
チームはこのあとタイのブリラムに位置するチャーン・インターナショナル・サーキットへ移動し、2月12日~13日に開幕前最後の公式テストに臨う。2025年シーズン初戦は2月28日~3月2日、同サーキットで開催される。
セパンテスト3日目(2月7日)結果
順位 | ライダー | チーム | マシン | ギャップ |
---|---|---|---|---|
1 | A・マルケス | Gresini Racing MotoGP | Ducati | 1'56.493 |
2 | F・バニャイア | Ducati Lenovo Team | Ducati | 0.007 |
3 | F・クアルタラロ | Monster Energy Yamaha MotoGP | Yamaha | 0.231 |
4 | F・モルビデリ | Pertamina Enduro VR46 Racing Team | Ducati | 0.455 |
5 | M・マルケス | Ducati Lenovo Team | Ducati | 0.549 |
6 | P・アコスタ | Red Bull KTM Factory Racing | KTM | 0.682 |
10 | A・リンス | Monster Energy Yamaha MotoGP | Yamaha | 0.858 |
12 | J・ミラー | Prima Pramac Yamaha MotoGP | Yamaha | 0.959 |
17 | M・オリベイラ | Prima Pramac Yamaha MotoGP | Yamaha | 1.467 |
Monster Energy Yamaha MotoGP
ファビオ・クアルタラロ(総合3番手)
「とてもハッピーです! 1分56秒に到達したのは初めてなのでとてもうれしいですし、今日はチームにとっても素晴らしい一日になりました。コンディションが良かったことも幸運でした。次のブリラムでも同様のフィーリングが得られるよう期待しています。オフシーズンにはロードバイクだけでなく、いろいろなトレーニングに励みました。1ラップの速さを追求して良い結果につながったと思いますが、マシンの進化も後押ししてくれました。今回のテストのために設定した目標は、ポジティブ過ぎずネガティブ過ぎずというものでした。しかしたった1回のテストで判断はできません。本当の状態はタイGPウイークの金曜日の午後と予選セッションのなかで明らかになるでしょう」
アレックス・リンス(総合10番手)
「フィーリングは非常に良かったです。シェイクダウン・テストを含め5日間にわたりこのコースを走行し、多くのアイテム、多くのことを試してとても良い感触を持ちました。この3日間は誰もが10時~11時にソフト・タイヤを履いてタイムアタックを行いました。私たちも予定はしていたのですが、それを少し遅らせることにしました。セッティング調整のなかでのニューアイテムのテストに集中したかったからです。そしてそれが実を結びました。10時~11時にユーズド・タイヤで走行し、さまざまなものを試しました。良いフィーリングをつかんでから新品タイヤに履き替え、昨年の予選中の自己ベスト1分57秒7を上回る1分57秒3を記録することができたのです。完璧なコンディションだったわけではないので、本当にうれしいです。今回のテストにはとても満足しています。このマシンをブリラムへ持ち込み、比較してみたいと思っています」
マイオ・メレガリ(チーム・ディレクター)
「シェイクダウンからオフィシャル・テストまでとても順調でした。昨年の冬季テストやGPと比べても、進化がラップタイムに現れています。6名のライダーのデータを比較することができたのは本当に久しぶりで、このことが早くも、全体的なパフォーマンスに良い影響を及ぼしたと感じています。ここまでドラスティックな変更を行うのでなく、少しずつ進化を積み重ねてきました。2024年のテストの継続として自然な形でアップデートを続けてきたのです。二つのファクトリーチームの共同作業は順調にスタートしたと考えています。しかし全体的なレベルについて最終判断を下すにはまだ早過ぎます。本当のポテンシャルがわかるのは、全チームが同条件でスタートする次回のブリラム・テストが始まってからです」
カテゴリー: F1 / MotoGP