MotoGP ヤマハ サンマリノGP
Movistar Yamaha MotoGPのマーベリック・ビニャーレスとバレンティーノ・ロッシは、MotoGサンマリノGP決勝で安定した走り。スタートでは出遅れたものの、集中力を保って走り切り、それぞれ5位と7位でフィニッシュした。

27ラップで行われた決勝。マーベリック・ビニャーレスはスタートからいくつかのコーナーを抜けて5番手へ浮上し、後方からプレッシャーをかけるアレックス・リンスを巧みに抑えながらオープニングラップを終了。

そのあとジャック・ミラーの転倒により一時、4番手へ浮上したが、リンスとのバトルにカル・クラッチローも加わるなかでふたつ順位を下げることとなった。ビニャーレスは多くの時間帯でリンスとクラッチローの後ろにぴったりとついて行ったが、徐々に離されて単独6番手。レース終盤で前方を走るJ・ロレンソが転倒したため、自動的にひとつ上げて5位でフィニッシュした。トップとの差は16.016秒となった。

一方、ホームGPに臨んだチームメイトのバレンティーノ・ロッシは、グリッド7番手からスタート後、ひとつ下げてオープニングラップを終了。ミラーの転倒によって再び7位に上がったあとは母国ファンを喜ばせようと全力でプッシュを続けていが、ダニ・ペドロサの追撃を抑えきれず8番手に後退した。その後は単独走行となり、終盤のロレンソの転倒によって7位に上がってチェッカーを受けた。トップとの差は19.086秒。

この結果、ロッシはランキング3位に後退し、トップに70ポイント、2位に3ポイントの差を追う展開。ビニャーレスはランキング5位をキープし、トップから97ポイント差、4位から6ポイント差となっている。ヤマハはコンストラクター・ランキングでトップから62ポイント差で3位をキープ。Movistar Yamaha MotoGPもチーム・ランキング3位をキープしており、トップとの22ポイント差を追う。

Monster Yamaha Tech3のヨハン・ザルコは絶好のスタートを切ったあと序盤で4つのポジション・ダウン。その後は懸命に挽回を図り、厳しいバトルの末に10位を獲得した。ザルコのチームメイトのハフィス・シャーリンは、グリッド25位から全力をかけて順位を挽回。多くのライダーをパスして19位でチェッカーを受けた。

次回、第14戦は9月21日~23日、モーターランド・アラゴンで開催される。

マーベリック・ビニャーレス (5位)
「非常に難しいレースでした。スタート直後の第2コーナーでは、“ここで速いライダーのスリップストリームについて、そのまま最後まで走り切ろう!”などと考えていたのですが、思い通りにはいきませんでした。昨日のフリープラクティス第4セッションが好調だったので自信を持って臨んでいたのですが、実際には、今日になるとマシンのフィーリングがかなり落ちてしまっていたのです。このように決勝で苦しむ状況が1年半も続いています。原因を追究しなければなりませんが、依然としてわからないままです。次のアラゴンは気温が高く、路面が滑りやすいところなので厳しいレースになると思いますが、改善するためのアイディアがいくつかあって、そのひとつが、今日も苦しめられたブレーキングです。良い解決策が見つかるよう期待しています」

バレンティーノ・ロッシ (7位)
「ホームGPで、友達やファンの前で、いいレースをしようと意気込んでいただけにとても残念です。昨日のフリープラクティス第4セッションが好調だったので、今日ももっと速く走れると思っていましたが、今朝のウォームアップ・セッションで問題が発生し、午後から行われた決勝でも、コンディションは昨日とほとんど同じなのにフィーリングが変わってしまっていたのです。最大の問題は、現時点でまだその原因がわからないことです。このようなときにマシンに何が起きているのかを、理解できるようにしなければなりません。以前のようにいいレースがしたいので、早く問題が解決されることを願っています」

マッシモ・メレガリ (チーム・ディレクター)
「昨日の予選とフリープラクティス第4セッションを終えた時点では、これとは違う結果を予想していました。今朝のウォームアップ・セッションでは、昨日と異なっていたのは気温だけでしたが、すでにマシンの挙動が変わってしまっていましたし、決勝は昨日とまったく同じコンディションで行われたにもかかわらず、ふたりともグリップ不足に苦しみました。彼らは適切にマシンを制動することができず、コーナー途中も適切なスピードを保つことができませんでした。このようなことがこれまでに何度もあったのですから、問題の原因を追究し、わたしたちが本来いるべきトップグループでレースができるように改善を図らなければなりません」

ヨハン・ザルコ (10位)
「非常に暑く て、厳しい一日でした。ウォームアップ・セッションには満足できましたし、決勝もオープニングラップの最初のいくつかのコーナーでは順調のマシンをコント ロールできていました。でもライバルたちについて行くのは簡単ではありませんでした。とくにバレンティーノの後ろについたときは、ブレーキングが非常に激 しくパスすることができませんでした。私の弱点はいつも、コーナー立ち上がりの加速で遅れてしまうことです。コーナー出口で数メートルずつ遅れ、ついには 第10コーナー進入でミスをしてしまいました。これで大きく離され、自分自身のエネルギーもたくさん使ってしまいました。そのあとは何とかペースを取り戻 してリラックスしようと努めましたが、なかなかうまくいかず苦しい戦いが続きました。マシン・コントロールやハンドリングのフィーリングは悪くなったので すが、とにかくコーナー立ち上がりが思うようにできません。これらの問題を少しでも減らすために、これからは自分のライディング・スタイルも含めて解決策 を追求していきたいと思います。原因は依然としてわかりません。少なくとも私はすべてのエネルギーを注ぎましたが、トップからこのように大きく離されてい るのですから受け入れがたい気持ちです。でもこの現実をしっかり受け止め、仕事に取り組むことで自分自身の成長につなげたいと思います」

ハフィス・シャーリン (19位)
「最終結果は19位。 当然、望んでいたポジションではありませんが、予選順位よりはずっと良くなりました。依然として改善が必要ですし、次のレースに向けてハードワークを続け なければなりません。今日の決勝ではリアにソフト・コンパウンドを選択しました。私は経験が多くありませんし、そのタイヤでいいペースが出ていたからで す。そして最初の10ラップはとてもフィーリングが良くて、他のライダーから大きく離されることもなかったのですが、途中から左側のグリップが大幅に落 ち、スピンが激しくなってコーナー出口のスピードが上がらなくなってしまいました。マシンのフィーリングはとても良いのに、この問題が出たあとはブレーキ ングが思うようにいかず、今日の暑さも加わって本当に苦しい状況になってしまいました。それでも、今週もまた貴重な経験を積むことができました。その一部は早く忘れ、一部は持ち帰りたいと思います。ミスから学び、次のレースに向けてハードワークに取り組みます」

エルベ・・ポンシャラル (チームマネジャー)
「厳しいレースになりましたが、それは初めからわかっていたことです。このコースでテストを行わなかったことが大きく影響していると確信しています。今大会のハイライトは間違いなく、土曜日の午前中のフリープラクティス第3セッション。わずかに雨が残るコースでヨハンがQ2進出を決めたことでした。それ以外は、できるだけダメージを少なくすることに努めるしかありませんでした。決勝では序盤で他のライダーについていくためにフロント、リアともにソフト・コンパウンドを選択したのですが、結果的にヨハンがハードなパスを試みることとなり、9位から13位へと4つもポジションを下げてしまいました。ラップタイムは問題がなく、上位と同様のペースで走れていたのですが、彼らに追いつくことができませんでした。最後にロレンソが転倒したことで、なんとかトップ10に入ることができたというわけです。それにしても、マーベリック・ビニャーレスが5位、バレンティーノ・ロッシが7位、ヨハンが10位 ということは本当に厳しい状況と言わざるを得ません。わたしたちヤマハにとって、より良いコースもあると思いますが、いずれにしても今は、このように苦戦 しているのです。そのなかでもカル・クラッチロー、ダニーロ・ペトルッチらとサテライト勢トップの座を競っていることは評価できると思います。次のアラゴ ンではきっと、わたしたちにもチャンスが巡ってくるでしょう。一方、ハフィシュ・シャーリンは、今日のウォームアップ・セッションと決勝で昨日までよりい い走りをしてくれました。ウイーク初日よりも良くなってくれることが重要だと考えています。いいレースをし、何台かパスし、好タイムを記録しました。次の アラゴンではもっと楽に走れるよう願うばかりです。彼にとってはルーキー・シーズンですから、依然として勉強の段階にあります。フランコ・モルビデリとの 差はまだ2ポイントだけなので、どこかで彼に近づき、またその前に立ちたいと思っています」

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カテゴリー: F1 / MotoGP