MotoGP ホンダ
MotoGP 第2戦アルゼンチンGPが、4月7日(金)~9日(日)までの3日間、アルゼンチンの首都ブエノスアイレスの北東約1200kmに位置する、アウトドルモ・テルマス・デ・リオ・オンドで行わる。当地での開催は今年で4回目。

テルマス・デ・リオ・オンドは、サンティアゴ・デル・エステロ州の州都サンティアゴ・デル・エステロから約65kmに位置し、温泉が出ることから、アルゼンチン国内ではスパリゾート地として知られている。また、このサーキットからはアンデス山脈の雄大な景色を望むことができる。

アウトドルモ・テルマス・デ・リオ・オンドが完成したのは2008年。その後、2013年に大幅な改修がされ、同年8月には初の世界選手権となる世界ツーリングカー選手権(WTCC)が開催された。

14年4月にはロードレース世界選手権が初めて開催され、決勝日は5万2749人(3日間の合計で12万5961人)。2年目は5万234人(同合計で13万360人)。昨年は5万1535人(同合計で13万6969人)と、観客数は着実に増加している。テルマス・デ・リオ・オンドは人口2万5000人の小さな街だが、アルゼンチンGPには毎年大勢のファンが詰めかけ、この国の一大イベントの一つに成長した。

アウトドルモ・テルマス・デ・リオ・オンドは、ほぼ平坦な土地に作られた一周4.806kmのコースで、メインストレートが1.076kmと長く、中高速コーナーが続くシンプルなレイアウトとなっている。

過去、アルゼンチンGPは、1961年にブエノスアイレス郊外のアウトドルモ・オスカル・ガルベスで初めて開催され、1999年まで断続的に計10回開催されまた。テルマス・デ・リオ・オンドに舞台を移してから今年で4年目となり、アルゼンチンGPは通算14回目の開催となる。

昨年の大会は、マルク・マルケス(Repsol Honda Team)が、2年ぶり2度目の優勝を果たした。昨年はミシュランタイヤにとって初めて経験するサーキットで、路面コンディションと供給したタイヤがマッチせず、耐久性に問題を抱えた。そこで、レース中盤に新しいタイヤを装着したマシンにチェンジする“フラッグ・トゥ・フラッグ”で決勝レースを行い、RC213Vのパフォーマンスを遺憾なく発揮したマルケスが優勝。タイトルの獲得に向けて大きく弾みをつけるレースだった。

2連覇を狙う今年の開幕戦カタールGPは難しいコンディションとなり、タイヤ選択をミスしたマルク・マルケスは、表彰台争いに加わるも4位と、悔しい結果に終わった。今大会はその雪辱と、2年連続、3度目のアルゼンチンGP制覇を目指します。

チームメートのダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)も今季初表彰台、初優勝を目指す。今回のサーキットで、アルゼンチンGPが初開催された14年の大会では、マルケスに続いて2位となり、Repsol Honda Teamが1-2フィニッシュを達成した。15年は右腕の手術のためにアルゼンチンGPを欠場したが、昨年の大会では3位表彰台を獲得。今年は、マルケスとともに3年ぶりのRepsol Honda Teamによる1-2フィニッシュを目指す。

難しいコンディションとなった開幕戦では、マルケスと同様にペドロサもタイヤ選択がベストではなく、5位でフィニッシュ。ウインターテストの成果を思うように発揮できないレースとなった。今大会はペドロサも、開幕戦カタールGPの雪辱に挑む。

開幕戦カタールGPで転倒リタイアに終わったカル・クラッチロー(LCR Honda)も、第2戦アルゼンチンGPでの雪辱に闘志を燃やしている。昨シーズンは開幕戦カタールGPで転倒。続くアルゼンチンGPでも転倒リタイアと、厳しいシーズンのスタートを経験した。しかし、今年はRC213Vのセットアップが進み、手応えを持ってシーズンを迎えている。前戦カタールGPでは、不安定な天候の中でタイヤの選択が決まらず転倒リタイアに終わったが、調子がいいだけに、今大会は一気に上位進出を狙う。15年大会は予選4番手から3位になり、Hondaマシンに乗り換えて初の表彰台を獲得した。昨年はシーズン2勝を挙げてトップライダーの仲間入り。今大会の走りに注目が集まる。

MotoGPクラスへの参戦3年目を迎えるジャック・ミラー(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)も、得意とするサーキットに気合を入れている。MotoGPデビューとなった15年大会は、予選21番手から12位でチェッカーを受けた。この年は、ファクトリーオプションとオープンカテゴリーの2つのカテゴリーがあり、ミラーはオープンクラスでのトップフィニッシュを果たした。ただ昨年の大会は、レース前半に6番手までポジションを上げるも転倒リタイアという悔しい結果だった。今年は開幕戦カタールGPで8位と絶好のスタート。今大会はそれを上回るリザルトを目指す。

MotoGPクラスへの参戦2年目を迎えるチームメートのティト・ラバトは、ウインターテストのケガがほぼ完治し、ベストな状態で大会に挑む。開幕戦カタールGPでは体調が完全ではなかったが、それでも15位フィニッシュと健闘。今大会はさらに上位を目指す。昨年の大会ではシーズンベストとなる9位。今年は2年連続でシングルフィニッシュを目指す。なおラバトは、アルゼンチンGPが復活した14年に、Moto2クラスで優勝を経験している。

マルク・マルケス(MotoGP 4位)
「カタールでは、表彰台に上がれず難しいグランプリとなりました。しかし、レースウイークを通してかなり前進できました。その努力がアルゼンチンGPで実ることを願っています。テルマス・デ・リオ・オンドのコースは、いつもいい感触ですが、グリップレベルはかなり低いです。そして、タイヤの寿命がとても短いので気をつけなければなりません。タイヤの持ちをよくしながら、マシンのセットアップに取り組みます。全体的によくしていくためにがんばります。アルゼンチンのファンの前で表彰台争いができることを願っています。ファンはとても熱狂的で、彼らの応援は力になります」

ダニ・ペドロサ(MotoGP 5位)
「カタールGPは、スタート前に雨が降ったりして、とても奇妙なレースでした。その開幕戦を終えて、気持ちはポジティブです。引き続き全力で取り組み、アルゼンチンで前進することが目標になります。カタールのセットアップと基本的に同じ状態でスタートします。もちろんギアボックスやマッピングのセッティングを合わせながら、金曜日のフリー走行では自分たちの位置を確認したいです。サーキットに行く前に予想を立てることは難しいです。路面コンディションやタイヤの調子を確認する必要がありますからね。でも準備は整っています。早くマシンに乗りたいです。通常、テルマス・デ・リオ・オンドのアスファルトは非常に汚れていて、タイヤに負担がかかります。でもレースウイークを通してよくなっていきます。いい結果が出せるようにベストを尽くします」

ジャック・ミラー(MotoGP 8位)
「カタールGPでは、シーズンのいいスタートが切れました。結果には満足しています。次はアルゼンチンです。僕たちのマシンとは相性がいいサーキットなので、さらに前進できることを願っています。ここまでは、コースに出るたびにマシンがどんどんよくなっています。次のアルゼンチンとオースティンの2レースでも、この調子で前進していきたいです。この2つのグランプリは、とても楽しいサーキットです。テルマスはあまり使用されていないサーキットなので、金曜日はコースが少し汚れているかもしれないので気をつけなければいけません。でも、きれいになるのにそれほど時間はかかりません。今週末が楽しみです。アルゼンチンはいつも特別なレースです。とても楽しみです」

ティト・ラバト(MotoGP 15位)
「ケガや悪天候の影響があったにもかかわらず、カタールはポイント圏内でフィニッシュできました。昨シーズンよりもウイナーに近づくことができ、満足しています。次のアルゼンチンはとても難しいサーキットですが、マシンの状態はよく、特にフロントタイヤの感触がいいので、週末がとても楽しみです。前年同様に、もしコースが汚れていたら金曜日はそれほど意味を持たないかもしれません。そういうコンディションならば、あまりリスクを負わず、自分のリズムを築き上げるのに集中します。アルゼンチンでさらに大きく、一歩前進する自信があります」

カル・クラッチロー(MotoGP ノーポイント)
「カタールGPはとても残念でした。あれから数週間が過ぎ、カタールGPの雪辱に向けてアルゼンチンに出発します。昨年のシーズン序盤はとても苦戦しましたが、それに比べれば今年はマシンがとてもよく仕上がっていて、いいレースができると確信しています。テルマス・デ・リオ・オンドは、好きなサーキットなので楽しみです。昨年はマルクが優勝しました。自分も15年に表彰台に立っています。今年も同様のリザルトを得られるようにがんばります」

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カテゴリー: F1 / MotoGP / ホンダF1