MotoGP:ホンダ 2022年 第2戦 インドネシアGP 決勝レポート
2022年 MotoGP 第2戦インドネシアGPは、ホンダ勢にとって厳しいレースとなった。予選では、ホンダ勢4選手が揃って予選Q2に進出できず、下位に低迷した。そして、ウエットコンディションになった決勝レースも、ポル・エスパルガロ(Repsol Honda Team)が12位、アレックス・マルケス(LCR Honda CASTROL)が13位。中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)は19位。予選でホンダ勢最上位の15番手につけたマルク・マルケス(Repsol Honda Team)は、朝のウォームアップで転倒し、ドクターストップがかかり欠場となった。

予選に続き、ホンダ勢は苦戦を強いられる
今大会、ホンダ勢は、リアタイヤのフィーリングに苦しんだ。その理由は、2月のテストで使用したタイヤと今大会投入されたミシュランのタイヤが違ったためで、ミシュランが今季投入する予定のタイヤに合わせたマシン開発を行ってきたホンダ勢としては、大苦戦の大会となった。

今大会、ミシュランが投入したタイヤは、2018年のタイGPで使用した、より耐熱性にすぐれたリアタイヤで、この大会でマルク・マルケスは優勝している。しかし、2022年型RC213Vには、うまく適合せず、ホンダ勢は大苦戦。決勝はウエットコンディションになったが、グリッドが後方だったために厳しい戦いを強いられ、本来のパフォーマンスを発揮することができなかった。

その厳しい状況の中で予選16番手(マルク・マルケスの欠場で15番グリッド)のエスパルガロは、激しい水しぶきの中で粘り強い強い走りを見せ、12位でフィニッシュした。エスパルガロは、2週間後のアルゼンチンGPでは、ミシュランの2022年製リアスリックタイヤを使用し、ウインターテストで見せた本来の走りができることを願っている。

予選19番手(マルク・マルケスの欠場で18番グリッド)のアレックス・マルケスは、序盤、水しぶきで視界が悪いという厳しい条件の中でややポジションを落とすが、その後、エスパルガロを追撃し13位でフィニッシュした。

チームメートの中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)は、予選24番手(23番グリッドからスタート)から追い上げのレースに挑んだが、水しぶきによる視界の悪さとヘルメットのバイザーになにかが不着したことで、さらに視界が悪くなるという厳しいレースとなり19位に終わった。

今大会は、スタート前に激しい雨になり、雨が上がるのを待ってのスタート進行となり、およそ1時間遅れた。しかし、コース上の水量が多く、後方グリッドからスタートした選手は、激しい水しぶきと視界の悪さに苦戦することになった。今大会は、本来27周のレースだったが、Moto2クラスがスタートする前に、高い路面温度に対処するために20周に短縮された。

次戦アルゼンチンGPは、3年ぶりの開催となる。過去2年はコロナ禍の中で大会が中止になっているが、今大会低迷したホンダ勢は、久しぶりのアルゼンチンGPでの雪辱に闘志を燃やしている。

前日の予選で2度の転倒を喫し、決勝日朝のウォームアップで再度激しく転倒したマルク・マルケスは、ロンボク島マタラムにある病院にヘリコプターで搬送され、検査を受けた。その結果、脳震とうなどで体調不良と診断されドクターストップがかかり欠場となった。マルク・マルケスは、スペインに帰国後、さらなる検査を受ける予定。

ポル・エスパルガロ(Repsol Honda Team)
「サバイバルレースでした。というよりも、レースウイークがすべてサバイバルでした。テストは非常に充実していましたが、状況は変わってしまいました。レースのスタート時に、路面の汚れが水しぶきとともにバイザーについて非常に汚くなりました。ペッコ(フランチェスコ・バニャイア)の後ろにいたとき、彼の赤いライトを見て走れましたが、彼をパスして単独になってからは、とても難しかったです。視界が悪く、縁石に当たってしまいましたが、転倒をまぬがれることができました。チャンピオンシップで6位になりました。トップとはわずか10ポイント差。とてもいいことです。チャンピオンシップに集中し、ノーマルタイヤを使う次の週末のレースに備えなければなりません。今回はこんな結果に終わり、チームには謝りたいです。なぜならこのマシンならもっといい結果を達成できたと思うからです」

アレックス・マルケス(LCR Honda CASTROL)
「このマシンでウエットを走ったことはありません。ウエットというより、ミックスコンディションだったFP3で走ったときはフィーリングはよかったのですが、そのときは路面がかなり乾いていました。今日はフルウエットになり状況が変わりました。ドライで抱えていた問題がウエットでもあり、少しフラストレーションがたまりました。ほかのライダーをオーバーテイクするのは難しかったです。前のライダーたちよりもいいペースがあったのに彼らをオーバーテイクすることができませんでした。でも仕方ないです。引き続きこのまま前進を続け、次のレースでは状況を好転させ、より競争力を高めていきたいです」

中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)
「スタート前に激しい雨が降ったため、レース進行が遅れました。路面コンディションはドライからウエットに変わり、とても厳しいレースになりました。グリップレベルはよかったのですが、ヘルメットのバイザーに問題があり、レース中は視界が悪くとても難しい走りになりました。ラインを思うようにキープすることができず、ほとんど何もできませんでした。もちろんこのような結果は望んではいませんでした。とても残念なレースウイークになりましたが、アルゼンチンGPに向けて気持ちを切り替えたいです。アルゼンチンは好きなコースなのでいい結果を残したいです」

マルク・マルケス(Repsol Honda Team)
「言葉がありません。今週は私たちの週末ではありませんでした。苦戦しました。最初から問題がありました。午前中のウォームアップの転倒はとても激しいものでした。これまでの転倒の中でも最も大きい転倒の一つだったかもしれません。地元の病院へ行き、深刻な問題はないことが分かりました。今回はドクターストップがかかり出場しませんでした。もちろん残念ですが、最善の決断だと思います」

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カテゴリー: F1 / MotoGP