MotoGP:ジョアン・ミルが2020年シーズンのチャンピオン獲得!
2020年のMotoGP 第14戦 バレンシアGPが11月15日(日)にスペインのリカルド・トルモ・サーキットで行われ、チームスズキエクスターのジョアン・ミルが7位でゴールし、ライダーズポイントを171ポイントに上げたことにより、残り1戦を残して2020シーズンのライダーチャンピオンを獲得した。
スズキのライダーがタイトルを獲得するのは、2000年のケニー・ロバーツ・ジュニア選手以来、20年ぶりとなる。
また、アレックス・リンス選手も4位でゴールしたことにより、チームポイントを309ポイントとし、チームチャンピオンも獲得。チームスズキエクスターとして初のチームチャンピオン獲得となり、2冠を達成した。
今シーズン最後から2番目となるバレンシアGPはチームスズキエクスターのジョアン・ミルにとってシーズン初のマッチポイントを迎えるレースとなり、決勝前のチームはいつも以上の緊張に包まれた。しかしミルはチームの緊張を跳ね返すかのごとく終始冷静かつ聡明な走りで決勝レースをコントロールし、最終戦を残して2020年シーズンのタイトルを決めた。
同じサーキットにて前週開催されたヨーロッパGP決勝では1位-2位のダブル表彰台を獲得したミルとアレックス・リンスだが、この週末は予選でミル12番手、リンス14番手と思いがけず苦戦。しかし27周の長いレースをスタートしたふたりのライダーは序盤に揃ってポジションを上げる。リンスが果敢にオーバーテイクを繰り返しトップグループを追い掛ける中、タイトル獲得がかかるミルはタイヤを温めながら慎重に周回を重ね、11周目にはリンスが5番手に、12周目にはミルが8番手に順位を上げていく。
リンスが安定したリズムで後続を引き離して4位でチェッカーを受け、チャンピオンシップの2位争いにチャージを掛けると同時に、ミルが2020年シーズンのMotoGPワールドチャンピオンを獲得した。
待ち望まれた王座を確実に獲得するために、ミルは長いレースを通してどこで何をすべきかを認識し、プレッシャーをコントロールして終始安定かつ巧妙なアプローチで走行。決勝を7位で終えるもランキング2位との間に29ポイントの差をつけ、最終戦を待たずに2020年シーズンのチャンピオンが決定。スズキ創立100周年、レース活動60周年の節目の年に、MotoGP参戦わずか2年目のミルによって20年ぶりの輝かしいタイトルが獲得された。
ジョアン・ミル
「自分がMotoGPワールドチャンピオンだなんてまだ実感がなくて適切な言葉も見つからないけど、とにかくまずはこのチャンスを与えてくれたスズキに心から感謝の気持ちを伝えたい。それから自分をここまで支えてくれた、たくさんの人達にもお礼を言わなくちゃね。皆にこのタイトルをプレゼントすることができて本当に嬉しいし、スズキの20年ぶりのチャンピオンに自分がなれたなんて本当に光栄さ。チャンピオン争いはプレッシャーもあったけど、チームが素晴らしい仕事をしてくれたお陰でリラックスしてタイトル争いを楽しむことができたよ。子供の頃はレースに行くお金があまりなくて家族に苦労をかけてきたし、決して順風満帆な道のりではなかったからいつも自分は人一倍努力をしてきた。だからこの喜びは家族と共に分かち合いたいと思うんだ。今日のレースは簡単ではなかったけど、チャンピオンシップを考えれば上出来だったと思う。チャンピオン獲得をすぐにでもお祝いしたい思いもあるけど、まだ最終戦が残っているからお祝いはお預けだね。最終戦のポルティマオではさらに上位を目指して、気持ちよくシーズンを終えられるよう頑張るよ。」
鈴木俊宏(スズキ株式会社 代表取締役 社長)
「新型コロナウイルスの影響を受けた厳しい2020シーズンに、MotoGPチャンピオンを獲得したチームスズキエクスター、そしてジョアン・ミル選手を心より祝福いたします。今年は「スズキの100周年」という節目に、世界最高峰の二輪レースでチャンピオンを獲得してくれました。二輪事業は先人がはじめ、成長してきた、スズキの主要事業の一つです。これまでスズキを応援し、サポートしてくださったお客様、ファンの皆様、販売店様、そして支援してくださったサプライヤーやスポンサーの皆様、ブリビオをはじめとするチームスタッフ、テストライダーのギントーリ、そして素晴らしい成績を残してくれたリンス、ミル、支えてくれた本社のスタッフに感謝申し上げます。2015年にMotoGP復帰以来、数々の苦難を乗り越えて、一年一年着実に成長し、遂にチャンピオンを獲得したこのチームを誇りに思うと共に、次の100年に向けて、よいスタートを切ることができたと考えております。」
河内 健(テクニカルマネージャー)
「ジョアンに心からおめでとうと言いたいです。今シーズンは非常に難しい戦いで、他のメーカーとの戦いだけではなく新型コロナウイルスとの戦いでもあったので、そういった意味ではドルナをはじめ他のコンペティターの皆にも一緒に戦ってくれてありがとうと言いたいです。2011年に一度MotoGP参戦を休止し、2015年に復帰してからここまで非常に長い道のりで厳しい戦いでしたが、我々はとうとうチャンピオンを獲得することができました。一緒に戦ってくれた皆様、応援してくれた皆様、本当にありがとうございました。」
ダビデ・ブリビオ(チームマネージャー)
「スズキ創立100周年、レース活動60周年、そして前回のタイトルから20年という節目の年にタイトルを獲得できたなんて、これ以上のシナリオなどないのではないかと思うくらい本当に夢のような気持ちです。シーズンを通して常にコンスタントでプロフェッショナルな仕事を貫いてチャンピオンを手に入れたジョアンにはまずは心からおめでとうと伝えたいです。そしてまたアレックスも今日は粘りの走りで4位を獲得し、チャンピオンシップのための貴重なポイントを追加することができました。チャンピオン獲得に際し、現場で頑張ってくれているスタッフ、在宅勤務のスタッフ、日本で日々開発を続けてくれているスズキのスタッフ、そしてまたこのプロジェクトに関わっている全てのスタッフに改めてお礼の気持ちを伝えたいと思います。本当にありがとうございました。」
アレックス・リンス
「自分自身がタイトルを獲得することは叶わなかったけど、ジョアンとチームの功績は本当に素晴らしいと思うし、スズキがチャンピオンを獲得できたことは心から嬉しいよ。MotoGP参戦わずか2年目でタイトルを獲得したジョアンの才能もさることながら、それを実現させるべく日々努力を続けてきたチームの仕事ぶりには頭が下がる思いさ。今日はフランコ・モルビデリ(ヤマハ)のペースが速くて捕まえることができず、ベストを尽くした結果が4位だった。でもまだチャンピオンシップランキングで2位を狙っているから、今日の結果には満足しているよ。次戦はとうとう今シーズンの最終戦だから、しっかり上位でフィニッシュして締めくくりたいね。」
カテゴリー: F1 / MotoGP
スズキのライダーがタイトルを獲得するのは、2000年のケニー・ロバーツ・ジュニア選手以来、20年ぶりとなる。
また、アレックス・リンス選手も4位でゴールしたことにより、チームポイントを309ポイントとし、チームチャンピオンも獲得。チームスズキエクスターとして初のチームチャンピオン獲得となり、2冠を達成した。
今シーズン最後から2番目となるバレンシアGPはチームスズキエクスターのジョアン・ミルにとってシーズン初のマッチポイントを迎えるレースとなり、決勝前のチームはいつも以上の緊張に包まれた。しかしミルはチームの緊張を跳ね返すかのごとく終始冷静かつ聡明な走りで決勝レースをコントロールし、最終戦を残して2020年シーズンのタイトルを決めた。
同じサーキットにて前週開催されたヨーロッパGP決勝では1位-2位のダブル表彰台を獲得したミルとアレックス・リンスだが、この週末は予選でミル12番手、リンス14番手と思いがけず苦戦。しかし27周の長いレースをスタートしたふたりのライダーは序盤に揃ってポジションを上げる。リンスが果敢にオーバーテイクを繰り返しトップグループを追い掛ける中、タイトル獲得がかかるミルはタイヤを温めながら慎重に周回を重ね、11周目にはリンスが5番手に、12周目にはミルが8番手に順位を上げていく。
リンスが安定したリズムで後続を引き離して4位でチェッカーを受け、チャンピオンシップの2位争いにチャージを掛けると同時に、ミルが2020年シーズンのMotoGPワールドチャンピオンを獲得した。
待ち望まれた王座を確実に獲得するために、ミルは長いレースを通してどこで何をすべきかを認識し、プレッシャーをコントロールして終始安定かつ巧妙なアプローチで走行。決勝を7位で終えるもランキング2位との間に29ポイントの差をつけ、最終戦を待たずに2020年シーズンのチャンピオンが決定。スズキ創立100周年、レース活動60周年の節目の年に、MotoGP参戦わずか2年目のミルによって20年ぶりの輝かしいタイトルが獲得された。
ジョアン・ミル
「自分がMotoGPワールドチャンピオンだなんてまだ実感がなくて適切な言葉も見つからないけど、とにかくまずはこのチャンスを与えてくれたスズキに心から感謝の気持ちを伝えたい。それから自分をここまで支えてくれた、たくさんの人達にもお礼を言わなくちゃね。皆にこのタイトルをプレゼントすることができて本当に嬉しいし、スズキの20年ぶりのチャンピオンに自分がなれたなんて本当に光栄さ。チャンピオン争いはプレッシャーもあったけど、チームが素晴らしい仕事をしてくれたお陰でリラックスしてタイトル争いを楽しむことができたよ。子供の頃はレースに行くお金があまりなくて家族に苦労をかけてきたし、決して順風満帆な道のりではなかったからいつも自分は人一倍努力をしてきた。だからこの喜びは家族と共に分かち合いたいと思うんだ。今日のレースは簡単ではなかったけど、チャンピオンシップを考えれば上出来だったと思う。チャンピオン獲得をすぐにでもお祝いしたい思いもあるけど、まだ最終戦が残っているからお祝いはお預けだね。最終戦のポルティマオではさらに上位を目指して、気持ちよくシーズンを終えられるよう頑張るよ。」
鈴木俊宏(スズキ株式会社 代表取締役 社長)
「新型コロナウイルスの影響を受けた厳しい2020シーズンに、MotoGPチャンピオンを獲得したチームスズキエクスター、そしてジョアン・ミル選手を心より祝福いたします。今年は「スズキの100周年」という節目に、世界最高峰の二輪レースでチャンピオンを獲得してくれました。二輪事業は先人がはじめ、成長してきた、スズキの主要事業の一つです。これまでスズキを応援し、サポートしてくださったお客様、ファンの皆様、販売店様、そして支援してくださったサプライヤーやスポンサーの皆様、ブリビオをはじめとするチームスタッフ、テストライダーのギントーリ、そして素晴らしい成績を残してくれたリンス、ミル、支えてくれた本社のスタッフに感謝申し上げます。2015年にMotoGP復帰以来、数々の苦難を乗り越えて、一年一年着実に成長し、遂にチャンピオンを獲得したこのチームを誇りに思うと共に、次の100年に向けて、よいスタートを切ることができたと考えております。」
河内 健(テクニカルマネージャー)
「ジョアンに心からおめでとうと言いたいです。今シーズンは非常に難しい戦いで、他のメーカーとの戦いだけではなく新型コロナウイルスとの戦いでもあったので、そういった意味ではドルナをはじめ他のコンペティターの皆にも一緒に戦ってくれてありがとうと言いたいです。2011年に一度MotoGP参戦を休止し、2015年に復帰してからここまで非常に長い道のりで厳しい戦いでしたが、我々はとうとうチャンピオンを獲得することができました。一緒に戦ってくれた皆様、応援してくれた皆様、本当にありがとうございました。」
ダビデ・ブリビオ(チームマネージャー)
「スズキ創立100周年、レース活動60周年、そして前回のタイトルから20年という節目の年にタイトルを獲得できたなんて、これ以上のシナリオなどないのではないかと思うくらい本当に夢のような気持ちです。シーズンを通して常にコンスタントでプロフェッショナルな仕事を貫いてチャンピオンを手に入れたジョアンにはまずは心からおめでとうと伝えたいです。そしてまたアレックスも今日は粘りの走りで4位を獲得し、チャンピオンシップのための貴重なポイントを追加することができました。チャンピオン獲得に際し、現場で頑張ってくれているスタッフ、在宅勤務のスタッフ、日本で日々開発を続けてくれているスズキのスタッフ、そしてまたこのプロジェクトに関わっている全てのスタッフに改めてお礼の気持ちを伝えたいと思います。本当にありがとうございました。」
アレックス・リンス
「自分自身がタイトルを獲得することは叶わなかったけど、ジョアンとチームの功績は本当に素晴らしいと思うし、スズキがチャンピオンを獲得できたことは心から嬉しいよ。MotoGP参戦わずか2年目でタイトルを獲得したジョアンの才能もさることながら、それを実現させるべく日々努力を続けてきたチームの仕事ぶりには頭が下がる思いさ。今日はフランコ・モルビデリ(ヤマハ)のペースが速くて捕まえることができず、ベストを尽くした結果が4位だった。でもまだチャンピオンシップランキングで2位を狙っているから、今日の結果には満足しているよ。次戦はとうとう今シーズンの最終戦だから、しっかり上位でフィニッシュして締めくくりたいね。」
カテゴリー: F1 / MotoGP