メルセデスF1 予選エンジン手法に波紋 フェラーリがFIAに説明要求

この手法は現時点で合法とされる一方、FIAが導入した安全保護の意図と整合するのかが焦点となっている。予選の僅差勝負において影響し得る要素であることから、各メーカーの対応や規制の方向性にも関心が集まる状況となっている。
フェラーリが問題視した予選時のエネルギー運用
メルセデスとレッドブルのエンジンが、予選で電動パワーを最大限に活用するための手法を用いていることに対し、フェラーリF1は懸念を示している。この件は専門メディアによって報じられ、パワーユニットの制御に関する新たな論点として取り上げられた。
報道では、ブリックスワースとミルトンキーンズのパワーユニットが、予選中に“緊急モード”に相当する挙動を活用していると説明されている。現行のレギュレーション解釈では合法とされているが、フレデリック・バスールが率いるフェラーリは、電動出力が350kWから0kWへ急落する際に作動する保護機構の本来の目的と整合していない可能性があると見ている。
段階的出力低下を回避する仕組み
メルセデスおよびレッドブル製エンジンを搭載したマシンは、最大出力を放出した後のMGU-Kの出力低下を段階的に進めるのではなく、一定時間にわたり最大出力を維持し、その後に一気に保護状態へ移行させることができる。
この挙動自体は禁止されていないが、FIAは安全対策として、電動出力が350kWから0kWへ急落した場合にMGU-Kを60秒間停止させる“安全ロック”を設けている。このためレース中の継続使用は難しい一方で、フィニッシュライン直前の短い区間では予選において有効となり得る。
フェラーリの問い合わせの意図
報道によれば、この手法はすでに各エンジンメーカーの間で知られており、ソフトウェア制御によって再現可能かどうかの検討が進められているという。
フェラーリは、現時点で他チームの使用停止を求めているわけではなく、この手法が安全面の観点から将来的に制限される可能性があるのかを確認する目的でFIAに問い合わせを行った。鈴鹿のQ1では、アレクサンダー・アルボンがラップ終盤に急減速を強いられ、システムリセットのために停止する場面も見られたとされる。
パフォーマンスへの影響は限定的か
この手法がラップタイムに与える影響については、現時点で明確な数値は示されていない。
影響の大きさは、最終コーナーからフィニッシュラインまでの直線距離や、最終コーナーの速度特性に依存する要素が大きいとされる。大幅なタイム短縮には至らないものの、予選が僅差で争われる状況においては、ポールポジション争いやセッション通過に影響を与える可能性がある。
また、アンドレア・キミ・アントネッリおよびジョージ・ラッセルが鈴鹿のQ3でこの手法を使用したかどうかは確認されていない。フェラーリは引き続き、FIAからの見解を待っている状況にある。
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