メルセデスF1 2026年可動フロントウイングを評価「まだ楽観視できない」

今回投入されたフロントウイングはFIA承認のテスト項目で、ノーズから伸びる2本のプラスチック製チューブによって作動し、ストレートでは角度をフラットにする“ストレートラインモード”を再現する極めて原始的な構造だ。
フェラーリも、より控えめな形で同様の機構を評価したとみられる。
ピレリのマリオ・イゾラは、火曜日に2026年タイヤを披露した際、このテストの重要性を強調した。
「FIAはチームに、フロントウイングでストレートラインモードを再現するシステムを開発する機会を与えている」とイゾラは述べている。
一方で、ヴォルフはメルセデスが2014年のような“圧倒的黄金期”に入るという観測を一蹴した。
「P2、P4、P3、P2……壊滅的というわけではない。しかしチャンピオンシップを逃したことに変わりはない。ようやくこのグラウンドエフェクト時代が終わることに満足している」と語り、2022年以降の迷走を振り返った。
メルセデスはこの4年間、空力の根本的な問題を解決できず、風洞やCFDなど“ツールそのもの”の誤差に長く悩まされてきたという。
「最後のレースが示したように、我々は依然としてこのマシンを完全には理解できていない。2022年に悪いスタートを切り、問題を修正しようとするたびに新たな問題が生まれた」とヴォルフは説明する。

ただし、2025年終盤になってようやく開発基盤が整ったという手応えを語った。
さらにヴォルフは、当時の2014年とは状況が根本的に異なると強調した。
「2014年のときは事前に良い感触があった。しかし今は比較にならない。当時に比べて全チームの準備が格段に整っている」と述べ、2026年メルセデスPUと新車のパフォーマンスについても慎重な姿勢を崩さない。
「私は決して楽観主義者ではない。グラスは常に半分空の状態だ。我々は正しい方向に進んでいるが、目標が十分に野心的なのかどうか、それを判断するのは時間だけだ」
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