メルセデスF1代表 アントネッリの才能を称賛「未来のF1を担う存在」
メルセデスの代表トト・ヴォルフは、マイアミでの活躍を受けてキミ・アントネッリを特に高く評価した。一方で、オスカー・ピアストリとランド・ノリスの先頭2台に対し、3位ジョージ・ラッセルが30秒以上遅れてゴールしたことから、マクラーレンに対してメルセデスが何を欠いているのかも説明した。

アメリカでの週末にはメルセデスにとって多くのポジティブな要素があったが、ヴォルフは、マクラーレンの圧倒的な速さによって、メルセデスの純粋なペースがどの位置にあるのかを正確に評価するのが難しかったと振り返った。

ラッセルはVSC(バーチャル・セーフティカー)のタイミングの助けもあり、今季4回目の表彰台を獲得した。一方で、アントネッリも週末を通して存在感を示した。イタリア人ティーンはスプリント予選でポールポジションを獲得し、F1のすべてのフォーマットを通じて史上最年少のポールシッターとなった。グランプリ予選でも3番手を記録している。

「週末のハイライトは間違いなく、彼(アントネッリ)の1周でのスピードだった。素晴らしかった」とヴォルフは語った。「彼の才能の証明でもあるし、将来への良い兆しだ」

「レースは難しかった。ここマイアミでは、正しい比較基準を見つけるのがとにかく難しい。『ミディアムタイヤのスティントは十分に速かったのか?』と自問してみても、ジョージがハードタイヤで後方に留まっていたのは良くなかった。そして彼(アントネッリ)がハードに切り替えたときは、まだ経験不足で適切にマネジメントできなかった」

「正しい基準を見つけるという意味では、ボノ(レースエンジニアのピート・ボニントン)が本当に彼を導こうとしていたが、マシンの中にいるとそれを感じ取るのは簡単ではない。それも学習の一環だと思っている」

「失望しているわけではない。全体的に見て、彼は良い仕事をしたと思う」

アンドレア・キミ・アントネッリアントネッリのポールポジションは、メルセデスにとって今週末のハイライトだった。

アントネッリ自身も、決勝ではハードコンパウンドで苦戦したことを認めているが、それは彼だけではなかった。C3タイヤを序盤から機能させられたのは、マクラーレンの2台だけだった。ミディアムタイヤではメルセデス勢も競争力を見せ、ラッセルはそのタイヤでマックス・フェルスタッペンを最後まで抑え込んだ。

「我々のマシンは、単発のスピードや数周のスティントでは本当に速い。つまり、一周の速さという点では間違いなく戦えるレベルにある。ただ、長いスティントになるとタイヤマネジメントがうまくいかない。マクラーレンは、その点でお手本のような存在だ」とヴォルフは説明した。

「レッドブルもマックスがその部分をうまく処理しているが、パフォーマンスには波がある。我々は安定した仕事をしていると思うが、マクラーレンはその一段上をいっている。彼らはコーナーを速く走っても、タイヤを過熱させない。それこそが我々が目指すべき姿であり、この課題に対して技術的に解決策を見出さなければならない」

メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツメルセデスは、マクラーレンのペースに対抗する手段がなかったものの、ラッセルのおかげで再び表彰台を祝うことができた。

一周のタイムでは、メルセデスは最前列争いに加われるポテンシャルを持っている。アントネッリのスプリント予選ポールは、その証拠だ。しかしヴォルフは、レースペースの持続こそが現在の最大の課題だと語る。

「予選ではすべてを出し切っている。マシンが生み出せる最大限のダウンフォースを引き出して、我々はトップ争いに加われている」
「だが、ポイントが与えられるのはレースであり、つまり長いスティントを通してそのペースを維持する力が求められる。今の我々には、それができていない」

「もっと良くならなければならない。我々は理解する必要がある。開発の中でどこに焦点を当てるべきか、主要なパフォーマンス要因は何か。それを今まさに探っている。我々はこの課題に完全に取り組んでいる」

「今も試行錯誤を続けており、最終的には必ずマクラーレンと戦えるようになると信じている」

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カテゴリー: F1 / メルセデスF1 / F1マイアミGP