メルセデスF1 マイク・エリオット離脱で止まらぬ“頭脳流出”
メルセデスF1は、安定を必要としていた矢先にチーフテクニカルオフィサーを務めたマイク・エリオットがチームを去った。上級管理職の退任が相次ぐ中、彼の退任は最新のものとなった。

F1のライフサイクルには、チームが競争に勝ち残り、フレッシュであり続けるために自らを改革しなければならない時期がやってくる。

前人未到の成功に導いてきた人たちが去り、次の世代がその座に就くが、多くの場合、初期の困難に悩まされる。

その結果、時を待っていたライバルたちが「自分たちの」サイクルが始まると同時にトップに立つことになる。メルセデスは現在、このような状況に置かれている。

2014年から2021年にかけての大成功の立役者の何人かは移籍し、レッドブルがすべてを一掃したように、チームはグラウンドエフェクト時代の足場を見つけようとしている。

メルセデスからのいわゆる“頭脳流出(ブレインドレイン)”は最近も続き、チーフテクニカルオフィサーであり、長年チームを支えてきたマイク・エリオットがブラックリーから去った。

エリオットはW13のゼロサイドポッドコンセプトと切っても切れない関係にあり、、チームは W14 の発売に向けてそれを強化した。彼は春にテクニカル・ディレクターに復帰したジェームス・アリソンと仕事を交換し、10月31日に自らの意思で正式に退職。強制的に解雇されたわけではなかった。

しかし、エリオットの離脱は、チームがひとつの時代から次の時代へのギャップを埋めようとしている昨今、メルセデスから相次いで離脱した最新のケースである。

2018年、アルド・コスタが家庭の事情でエンジニアリング・ディレクターを辞任。メルセデスはF1史上最も成功したデザイナーを失った。

コスタはミハエル・シューマッハ全盛期にフェラーリに在籍し、12回のドライバーズタイトルと14回のコンストラクターズタイトルを獲得した経歴を持つ。その後メルセデスに入社し、シャシーコンストラクターのダラーラに入社した。

エンジンの第一人者であるアンディ・コーウェルは、新たな挑戦のために2020年半ばにメルセデスAMGハイパフォーマンスパワートレインのマネジングディレクターの職を退き、ハイウェル・トーマスが後任となった。

コーウェルは、初期のターボハイブリッド時代にクラスをリードするメルセデスのパワーユニットの開発を担当しましたが、その後、メルセデスはおそらくホンダ/レッドブルのパワートレインによってオーバーホールされた。

今年、ウィリアムズのチームプリンシパルに就任した戦略チーフのジェームス・ボウルズの離脱によって、人材流出の流れはさらに加速した。

ボウルズはトト・ヴォルフが欠席したレースでメルセデスを運営。BAR、ホンダ、ブラウン時代を通して在籍していたブラックリーーを去ることを選択した。

さらに、ジェームズ・アリソンは2020年後半にテクニカルディレクターを退任し、エリオットが後任となった。

エンジニアリングディレクター、パワートレイン担当マネジングディレクター、ストラテジーディレクターを失い、2年間で2人のテクニカルディレクターとチーフテクニカルオフィサーを失うチームは、タイトルを獲得できる環境ではない。

メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ10月31日付でチーフテクニカルオフィサーのマイク・エリオットが退職

トト・ヴォルフはエリオットの退社について「マイクは何年もの間、彼のパフォーマンスの点で私のナンバーワンの従業員だった。業界で最も賢い人材の一人を失うことになるだろう」とSky Sportsに振り返った。

「それは長年にわたって彼に大きな負担を与えただけであり、誰かがこれに固執するのではなく、『何か他のことをしなければならない』と言えるのは非常に注目に値すると思う」

「いずれにせよ、F1は近親相姦的な環境だ。もし誰かが強くなって、『当分の間はもういいや』と言うなら、それはいいことだ」

「クルマの開発は決して一人の決断ではない。グループとして、我々は最速のレーシングカーを作ろうとしている。 グループとして、我々は最も速いレーシングカーを作ろうとしている。そして、クルマのコンセプトは、明らかにその道を突き進んでいた。我々はそれを乗り越えられたと思っていた」

「だが、そうではなかった。だから変更したんだ。今のように競争力を高めるためにマシンに絆創膏をたくさん貼ったが、それは何の相関性もなかった」

「クルマが性能を発揮できないのは、誰か一人のせいではない。クルマを速くするのも1人の人間だけではない。一人抜けても他のみんながカバーしてくれるような組織の強さがあるし、その逆もある。 だから、来年に向けて何かが変わるとは思わない」

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カテゴリー: F1 / メルセデスF1