F1 メルセデス
メルセデスF1チームは、2019年に技術沿組織の大幅な再編を実施することを発表。アルド・コスタがエンジニアリングディレクターの座を退くことになった。

フェラーリでテクニカルディレクターを務めていたイタリア出身のアルド・コスタ(57歳)は、2011年にメルセデスに移籍し、エンジニアリングディレクターに就任。メルセデスのタイトル4連覇に貢献してきた。

2019年からはアルド・コスタはテクニカルアドバイザーという立場となり、これまでチーフデザイナーを務めてきたジョン・オーウェンがエンジニアリングディレクターを務める。

また、パフォーマンスディレクターを務めてきたマーク・エリス(54歳)は引退し、2019年からサバティカル休暇に入る。後任にはこれまでチーフ車両ダイナミシストを務めてきたロイック・セラが就任する。

ジェームス・アリソンはテクニカルディレクターのポジションに留まり、ジョン・オーウェンとロイック・セラはアリソンの直属となる。

「これは我々のチームにとって重要な瞬間であり、素晴らしい機会となる」とメルセデス・ベンツのモータースポーツ責任者を務めるトト・ヴォルフはコメント

「これまで何度も述べてきたが、成功を収めた組織をそのまま凍結することはできない。組織というのはダイナミックな構造を持ったものだ。私はチーム内で次の世代へとスムーズにバトンを受け渡せることを誇りに思う」

「どのようにすればこの移行を最善の形で実行し、後継者に権限を与えられるかについて、何カ月も前からマークともアルドも含めて話し合ってきた。彼らは全く異なるパーソナリティの持ち主でありながらも、お互いにその違いをリスペクトし合ってきた。彼らがメルセデスとともに築いたレガシーは長く称賛され続けることだろう」

「2013年の序盤から、私はオックスフォードでも、ヨーロッパの他の拠点でもアルドと一緒に多くのディナーを共にしてきた。昨年のミッレ・ミリアではクルマに乗って素晴らし日々も過ごした。彼は傑出した人物であるだけでなく、私にF1について多くのことを教えてくれたし、成功するには謙虚さが必要だということを教えてくれた」

「マークとは初めて会った頃は、このような成功を一緒に達成できるとは想像もできなかった。彼は本当に文字通りのスパーリングパートナーだっ。チームへのパッションを共有し、勝利への意欲に突き動かされてきた“悪友”と議論ができなくなることを寂しく思う」

「マークとアルドは二人ともこの変化のタイミングとその方法の選択について協力してくれた。ジェームスの指揮のもと、ジョン、ロイック、そして全ての技術陣が整然と動くチームの未来はとても輝かしいものになあるだろう」

アルド・コスタは、近年のメルセデスのF1における成功を形成してきた人物の1人であり、ロス・ブラウンがチームを率いていた2011年末にフェラーリから加入。すぐにブラックリーで技術部門の全面的な見直しに取り掛かった。

アルド・コスタが最初から最後まで監督してデザインした最初のマシンは2013年に3勝を挙げたW04だった。以降、2014年から2017年にかけてダブルタイトルを4連覇するマシンを生み出してきた。

「メルセデスとのこの7年間は驚くべき経験だった。プロとして成功しただけなく、私と私の家族を豊かにし、人生経験においてよりオープンで国際的な考え方を与えた」とアルド・コスタはコメント。

「2011年を振り返れば、チームに馴染んで自分自身をこの新しいチャレンジに捧げるために要した期間はほんの数週間だった。これほど簡単に馴染めたのは、同僚たちの姿勢、彼らの暖かな歓迎、リスペクト、チーム全体に行き渡った協力的なアプローチのおかげだろう」

「それをよく体現しているのがトトだ。我々はプロフェッショナルなチャレンジだけでなく、レースへの個人的な情熱も共有している。私が達成しようとしたものに対する彼の信頼とサポートには常に感謝していた」

「我々は、チームが進歩し、成功を達成するのを見守ってきた。次のチャレンジは、今後10年間で待ち受けるチャレンジに向けてさらに強いグループを作ることだ。この1年間、私はトト、ジェームスと協力して次世代の者たちが可能な限り最善な形で仕事ができるための長期的な引き継ぎプランを作ってきた。有能なジョンとジェームスの手にバトンを渡せることを満足しているし、引き続きテクニカルアドバイザーとして新しい組織の繁栄をサポートできることを嬉しく思う」

テクニカルディレクターを務めるジェームス・アリソンは、この再編は1年以上前から計画していたことだったと説明する。

「ドライバー、チームのファン全員、そして、何よりもブラックリーとブリックスワースで働く幸運な我々は、全員がマークとアルドに本当に大きな恩義がある。そして、誰よりもこのチームの新参者である私自身が感謝しているとジェームス・アリソンはコメント。

「過去2シーズンにわたり、彼らと一緒に働く楽しみとチャレンジを味わえただけではなく、彼らが築き上げ、率いてきたエンジニアリンググループの巨大なパワーを感じることができたというだけでもなく、こうして自ら筋道を立ててチームを離れるという彼らの比類なき姿勢や優しさを感じずにはいられない」

「アルドとマークは1年以上前に退く意向を示していたが、当社のために心と魂を捧げ続けてきた。衰えぬ気力で日々ライバルに立ち向かいながら、2人ともこの引き継ぎ計画とその実行において私や周りを支えるためにさらに深く踏み込んでくれた。マークとアルドは最上級の技術的リーダーシップは何たるかという素晴らしい手本を示してくれたし、十分な資格を持ち、準備をしてきた後継者はその唯一無二の技術的レガシーを引き継いでいく」

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カテゴリー: F1 / メルセデスF1