マクラーレンF1の幻のマシン「MP4/8 ランボルギーニV12仕様」が初の公開走行
マクラーレンF1 幻のランボルギーニV12搭載MP4/8が初の公開走行 セナが絶賛した伝説のテストカー

1993年にアイルトン・セナがテストを行いながらも実戦投入されることのなかった、マクラーレンF1の幻のマシン「MP4/8 ランボルギーニV12仕様」が、グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードで初めて一般公開走行を果たした。

長年にわたって「伝説のテストカー」として語り継がれてきた1台であり、セナ自身が実戦投入を望んだとされるマシンが、開発から33年を経て初めてファンの前で走行した。

セナがテストした幻のMP4/8
1993年シーズンのF1世界選手権を戦うために開発されたマクラーレンMP4/8は、アイルトン・セナとマイケル・アンドレッティがドライブしたマシンとして知られる。

当時、セナは一時F1を離れる可能性もあったため、マクラーレンはチーム・ロータスからミカ・ハッキネンを獲得していた。しかし開幕直前にセナが参戦を決断したことで、ハッキネンはリザーブ兼テストドライバーとなり、イタリアGP後に成績不振だったアンドレッティに代わってレギュラーへ昇格した。

ランボルギーニV12搭載計画
MP4/8は当初、フォードHBD7 V8エンジンを搭載していた。しかし舞台裏では、元フェラーリの名エンジニア、マウロ・フォルギエーリが設計したランボルギーニ製V12エンジンを搭載する極秘プロジェクトが進められていた。

約3か月に及ぶ改造により、全長が長く重量も大きいV12エンジンを搭載できるようシャシーを変更。完成したマシンはスポンサーのない真っ白なカラーリングで、シルバーストンとエストリルの2か所でセナとハッキネンによるテストが行われた。

セナは実戦投入を希望
テストでは信頼性に課題があり、最長走行距離は19周程度だったとされる。

それでもセナはエンジン性能を高く評価し、この仕様でレースに出場したいとロン・デニス代表へ要望したという。

しかしデニスはこれを認めなかった。すでに1994年からプジョー製エンジンを採用する契約を締結していたためである。

マクラーレンは1994年にプジョーと提携した後、1995年からメルセデスとのパートナーシップを開始。この協力関係はF1史上屈指の成功を収める長期提携へと発展した。

33年越しの初公開走行
実戦デビューを果たすことなく開発計画が終わったランボルギーニV12仕様のMP4/8は、その存在自体が長年謎に包まれていたこともあり、多くのF1ファンの間で「幻のマクラーレン」として語り継がれてきた。

その伝説的な1台が、グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードの名物ヒルクライムで初めて一般公開走行を実施。33年の時を経て、セナが絶賛した幻のマシンがついに多くのファンの前でその姿とサウンドを披露する歴史的な瞬間となった。

セナが実戦投入を望みながら実現しなかったランボルギーニV12仕様のMP4/8は、F1史に残る「幻のプロジェクト」として語り継がれてきた。今回の公開走行は、その伝説を現代のファンが実際に目にする貴重な機会となり、マクラーレンとセナの歴史に新たな1ページを刻んだ。



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カテゴリー: F1 / マクラーレンF1チーム / アイルトン・セナ