マクラーレンF1 若手育成刷新 ウゴチュクウら3名を放出し新星デ・パーロ加入
マクラーレンは、F1ジュニアプログラム(ドライバー・デベロップメント・プログラム)からウーゴ・ウゴチュクウ、マルティニウス・ステンショーン、ブランド・バドエルの3名を放出したことを発表した。わずか数カ月前にはF2ドライバーのアレックス・ダンも離脱しており、チームの育成体制は大幅な再編を迎えている。

チームは声明の中で「チーム在籍中に複数の勝利と表彰台を獲得した彼らの貢献に感謝し、今後の成功を祈る」とコメントした。

また同時に、新たにイタリア人ドライバーのマッテオ・デ・パーロを育成プログラムに加えたことも明らかにされた。これにより、マクラーレンの育成ドライバー陣は、インディカーのパト・オワード、F4のドリース・ファン・ランゲンドンク、F1アカデミー出身のエラ・ロイド、そしてデ・パーロの4名体制となる。

ウゴチュクウ、ステンショーン、バドエルが離脱
ウゴ・ウゴチュクウは2021年、13歳でマクラーレンと契約。2023年にはF4タイトルを獲得し、2024年にはフォーミュラ・リージョナルで優勝、さらにマカオGPでも勝利を飾るなど将来を嘱望された。だが、2025年のFIA F3選手権ではプレマから参戦し、わずか2度の表彰台にとどまった。2026年はカンポスから参戦予定。

ノルウェー出身のマルティニウス・ステンショーンは2024年にマクラーレン入り。2023年のフォーミュラ・リージョナル・ヨーロピアン選手権でキミ・アントネッリに次ぐ2位を獲得した逸材だった。2025年のFIA F3では2勝を挙げランキング5位と健闘。来季はロディン・モータースポーツからFIA F2へステップアップする。

元F1ドライバー、ルカ・バドエルの息子ブランド・バドエルは2025年にマクラーレン育成に加入したばかり。F4やフォーミュラ・リージョナルでは表彰台を獲得してきたが、プレマから参戦したFIA F3の初年度は苦戦し、最終5戦でトップ10入り3回にとどまった。

マクラーレン F1

新加入のマッテオ・デ・パーロがF3昇格へ
今回新たに加入するマッテオ・デ・パーロは、2025年のフォーミュラ・リージョナル・ヨーロピアン選手権でフレディ・スレーターに次ぐ2位を獲得したイタリアの新星。2026年にはトライデントからFIA F3に参戦する。

「マクラーレン・ドライバー・デベロップメント・プログラムに加入できて光栄だ。ドライバー育成の実績を持つチームの一員になれたことに興奮している。ザク(ブラウン)、アレッサンドロ(アルンニ・ブラビ)、そしてマクラーレンの皆に感謝したい。早くパパイヤカラーのマシンで走りたい」とデ・パーロは語った。

マクラーレン・レーシングの最高ビジネス責任者アレッサンドロ・アルンニ・ブラビは「デ・パーロは非常に魅力的な若手タレントだ。ドライビングだけでなく、プロフェッショナルとしての総合的成長を支援していく」と述べた。

マクラーレン育成プログラム再構築の背景
2025年はアカデミーから複数の離脱者が出ており、マクラーレンは明確な方向転換を図っている。アレックス・ダンが離脱したのに続き、長期在籍のウゴチュクウや実績あるステンショーンを含む3名を放出。これにより、チームはより絞り込まれた選抜型の育成戦略へと移行した可能性が高い。

近年、マクラーレンはジュニアドライバーのトップカテゴリ昇格において苦戦しており、今後は少数精鋭の育成体制でインディカーやF1アカデミーとの連携を強化していくとみられる。

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カテゴリー: F1 / マクラーレンF1チーム