マクラーレン ホンダF1 アブダビグランプリ
マクラーレンのレーシングディレクターを務めるエリック・ブーリエとホンダのF1プロジェクト総責任者を務める長谷川祐介が、マクラーレン・ホンダととして最後のレースとなったF1アブダビGPを終え、3年間にわたるパートナーシップに感謝の気持ちを述べた。

2015年にスタートしたマクラーレン・ホンダのプロジェクトだったが、信頼性とパフォーマンス不足によって結果を残すことができず、契約を早期に解消して来シーズンからは別々の道を進むことになった。

マクラーレン・ホンダとして最後のレースとなったF1アブダビGPでは、フェルナンド・アロンソが9位入賞、ストフェル・バンドーンも12位完走とホンダのパワーユニットのトラブルに見舞われることなくレースを終えた。

「今日は今季最終戦で2台そろって完走させるために、チーム全員が懸命に仕事をした」とエリック・ブーリエはコメント。

「オーバーテイクが難しいとされるサーキットで、両ドライバーが見事な走りをみせ、結果として2ポイントを獲得できたことは、全員の努力のたまものだ。フェルナンドはポイント獲得のために、いつもの独自のスタイルでレースを走り抜け、最終ラップまであきらめずにプッシュした。フェルナンドと彼のエンジニアおよびメカニックのメンバーは、ピットストップの際にフェルナンドがマッサとの差を詰められるようにし、最終的にはバックストレートでマッサに対する見事なオーバーテイクを成功させるという、すばらしい仕事をした」

「一方のストフェルは、非常に厳しいレースとなったものの、序盤から深刻なハンドリングの問題を抱えながらも、自分のポジションを死守して12位で完走するという見事な仕事をしてくれた。問題の原因はまだ分かっていないが、データを見る限りダウンフォースが大幅に不足しており、それによってマシンがドライブできない状態になっていた。それでもストフェルは、レース中に後続の5台のマシンから自分のポジションを守るだけではなく、マシンを無事完走させるという、すばらしいパフォーマンスを披露した。チームは予定より早く行ったピットストップの際に、マシンのバランスを調節して状況を改善しようとしたものの、結局ストフェルは、高温の中で長時間行われたレースで、常に難しいハンドリングを強いられる結果となった。それでも彼は細心の注意を払いながらマシンを操り、無事完走した」

「まずここで、マクラーレン・ホンダのメンバー全員に感謝の意を述べたいと思う。チームのための一人ひとりの仕事に対する姿勢、意欲や情熱は、ライバルチームに負けないものがあったと確信している。チームを今の姿に進化させるために全力を尽くし、どんなに困難な状況でも決して戦うことを止めない、彼らの揺るぎないスピリットを誇りに思う。また、すばらしいファンの皆さんにも、その忠誠心と変わらぬサポートに心から感謝を申し上げる。この一年間、常に応援をしてくださったことに対して、感謝の意を述べたいと思う。それから、シーズンを通して私たちを信頼し、熱意を注いでくださったパートナーの方々にもお礼を申し上げる。近い将来、我々にとって新しくエキサイティングな時代がやってくることを全員が楽しみにしている」

「最後にマクラーレンを代表して、ホンダに対しても心から感謝を申し上げる。常に学び、開発および改善を行うために、我々と一緒にとても精力的に仕事をしてくれた。非常に厳しいシーズンとなったことはだれも否定できないものの、マクラーレン・ホンダにとしての最終戦を迎えたアブダビでは、これまでで最も強力な関係を築き、お互いにリスペクトを示すことができた。これまでの3年間は山あり谷ありの道のりだったが、後悔は一切ない。マクラーレンとホンダがそれぞれの歴史において新たな門出を迎えるにあたり、マクラーレン・ホンダのメンバー全員がお互いの幸運を祈っている」

ホンダのF1プロジェクト総責任者を務める長谷川祐介は「2017年、そしてマクラーレン・ホンダとしての最後のレースとなった今日のアブダビGPの決勝は、チームの全員にとって感慨深いものでしたが、今出せる実力を出しきり、2台ともが完走した上でポイント獲得というかたちで締めくくれたことは本当によかったと思います」とコメント。

「フェルナンドはいいスタートを決めたあと、前を走るマッサ選手を果敢に追い立て、ピット戦略も活用しながらオーバーテイクを決めるなど、すばらしいパフォーマンスをみせてくれました」

「ポイント獲得には至りませんでしたが、ストフェルも最後までプッシュした走りをみせてくれました。改めて、両ドライバーともにシーズンを通して、どんなときもあきらめない走りをみせてくれたことを誇りに思います」

「パワーユニットとしては、シーズン開始時は難しいスタートであったものの、終盤に来て安定した走りを披露できるようになっており、ここまでリカバリーできたという点は、一つの結果として前向きに捉えています」

「この3年間は間違いなく、非常に難しくチャレンジングなシーズンではありましたが、いつでもすばらしい仕事をしてくれたドライバー並びにチームメンバーや関係者に対して感謝を、マクラーレン・ホンダを応援してくれたすべてのファンの皆さん、そしてマクラーレンに対して、感謝を申し上げます」

「我々はここから2018年シーズンに向けた開発に集中していくことになりますが、いいかたちでウインターテストを迎えられるよう、冬季の開発に全力で取り組みます」

「最後になりますが、来年からは我々のライバルとなるマクラーレンに対し、彼らのさらなる成功を願っています」

2018年からマクラーレンはルノー、ホンダはトロ・ロッソと新たなパートナーシップを開始する。

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カテゴリー: F1 / マクラーレンF1チーム / F1アブダビGP