マクラーレン ホンダF1 シンガポールグランプリ
マクラーレン・ホンダは、F1シンガポールGPの決勝レースで、ストフェル・バンドーンが7位、フェルナンド・アロンソはリタイアだった。

長く、波乱の展開となったシンガポールGPにおいて、ストフェル・バンドーンは7位で入賞し、マクラーレン・ホンダにとって価値あるワールドチャンピオンシップポイント6点を獲得した。

レースは雨が降る中スタートし、それが引き金となって1コーナーでアクシデントが発生。その結果、すばらしいスタートを切ったフェルナンド・アロンソは、マシンに大きな損傷を負った。その後、2周は果敢な走りをみせていたものの、マシンの損傷がレースを続行できないほど深刻であったため、アロンソは8周目でのリタイアを余儀なくされた。

一方のストフェル・バンドーンは、1周目のクラッシュに巻き込まれないよう避けて通過しながらも、トップ10圏内のポジションを維持することに成功。そして、コンディションがウエットであろうとドライであろうと、コース上で常に競争力のある走りをし、27周目のピットストップで出遅れるまでは、6番手のポジションを奪いにいく勢いだった。7位という結果は、バンドーンとチームの週末を通しての努力に対する報いとなった。

フェルナンド・アロンソ (リタイア)

「スタートはすばらしかった。いいスタートを決め、何台かのマシンを抜いて3番手に浮上した。ただ、それ以降は、自分のいた場所とタイミングが悪かった。イン側でなにが起こっているのかを把握しておらず、分かっていたのは1コーナーで何台かのマシンがクラッシュして、そのまま僕のマシンにぶつかったということだけだった。あの状況では、なにもできることはなかった。残念ながら、マシンには大き過ぎる衝撃だった。コクピットの中からは、どれぐらいの損傷を負ったのかを理解することはできないが、マシンの感触があまりよくなく、かなりのオーバーステアだった。そこで、チームにどんなダメージを負ったのか聞いたところ、テレメトリー(走行中のマシンデータをピットから監視できるシステム)が故障したため、はっきり分からないとのことだった。最終的には、電気系の問題が発生し、マシンを止めざるを得まなかった。こういうことは、レースではときに起こるものだ。そして残念ながら、今日は僕たちに起こってしまった。今回のレースには大きな期待を抱いており、ウエットコンディションではかなりの力強さをみせていただけに、非常に残念だ。今夜はがっかりしているものの、実際にはポジティブで楽しい週末だった。チームはすばらしい仕事をしてくれたし、2週間後のセパンでは、今回よりも幸運に恵まれることを願っている」

ストフェル・バンドーン (7位)

「今日はまさに波乱のレースだった! 序盤は雨が降る中でのレースとなり、難しい状況だった。そこで、トラブルに巻き込まれないようにしようと集中し、なんとかうまく回避できたと思う。それ以降は、自分のレースを進めた。今日は、7位が自分にとってベストの結果だったと思う。6位を狙えるチャンスも一時はあったものの、2回目のピットストップで出遅れたため、うまくいかなかった。それ以降は、マシンの実力をできる限り引き出し、パフォーマンスを最大限にすることに集中した。今日はいくつかポイントを獲得することができたので、週末をいい気分で終えられる」

エリック・ブーリエ (マクラーレン・ホンダ レーシングディレクター)

「スタート直前に雨が降り出したとき、今日のシンガポールGPはエキサイティングで予測不可能なレースになるだろうと思ったが、まさにその通りになった。そんな中、ストフェルはフルウエット、インターミディエイト、オプションのどのタイヤで走っているときも、常に戦いに挑み、マシンのポテンシャルを最大限に引き出し、7位入賞という見事な結果を出した。2回目のピットストップで出遅れなければ、6位も手が届く範囲だったと思う。ただフロントジャッキがうまく入らなかったために、左側のフロントホイールがフロアからちゃんと上がらず、タイヤを取り外すのに時間がかかってしまった。そこで出遅れたため、ストフェルは果敢な走りでジョリオン・パーマーに追従していたものの、結局、差を埋めることはできなかった。一方、フェルナンドにとっては、非常に残念な一日だった。ウエットコンディションで見事なスタートを切ったにもかかわらず、1コーナーでマックス・フェルスタッペンのマシンと激しく衝突した。あまにも大きな衝撃だったため、マシンのボディが引き裂かれ、フロアに損傷を負い、最終的にはエグゾーストに穴が開くほどだった。セーフティカーの後方でフェルナンドがピットを通過した際に、最初に受けたダメージを確認することができた。実際のレーススピードになると、レースを続行できない状態だということがすぐに明らかになり、その直後にマシンをリタイアさせなければならなかった。自分たちのミスではないところで1台のマシンを完走させられなかったものの、今日はチーム全体にとってポジティブな一日だった。マレーシアの高速コーナーでは、今回ほどの競争力はないかもしれない。それでも今日の結果は、少しでもチャンスが訪れた際には、我々も上位でハードなレースが展開できるということを思い出させてくれるだろう」

長谷川祐介 (ホンダ F1プロジェクト総責任者)

「スタート直前に降り出した雨により、波乱のレースになりました。フェルナンドはいいスタートを決めたものの、スタートの混乱に巻き込まれ、マシンに大きくダメージを負いました。クラッシュに巻き込まれなければ上位を走行できていたと思いますし、今週は速さがあったので、ダメージの影響により早々にレースを終えなければならないことはたいへん残念でした。一方でストフェルは、スタート時の混乱をうまくすり抜け、入賞圏内でレースを続けました。いいペースを維持しながら、オーバーテイクが難しいこのサーキットで前のマシンを抜いたことや、タフなレースをキャリア最高の7位で走りきったことはすばらしかったです。不運がなければ、両ドライバーともにもっといい結果を残せるポテンシャルはあったと思うと残念な部分もありますが、貴重なポイントを獲得してくれたことは、チームにとってポジティブな一歩になりました」

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カテゴリー: F1 / マクラーレンF1チーム / ホンダF1 / F1シンガポールGP