マクラーレン ホンダF1 イタリアグランプリ
マクラーレン・ホンダは、F1イタリアGP初日のフリー走行で ストフェル・バンドーンが7番手タイム、フェルナンド・アロンソが8番手タイムだった。

午前中のFP1は、今にも雨が降り出しそうな天候のなか行われたものの、実際には終盤まで雨が降ることはなく、両ドライバーは大きな問題もなくプログラムを消化した。チームは予定していたハンドリングとセットアップの変更を行うとともに、両マシンで土日に向けたセットアップを進めた。

さらにフェルナンド・アロンソは、ヘイロー(ドライバーの頭部保護装置)をマシンのコックピットに取り付けた状態で、今日初めての走行を行った。

日曜日の決勝では、アロンソはパワーユニット交換による35グリッド降格ペナルティーを受ける。そこで、前戦のスパと同様に、チームは各マシンのスリップストリームを利用して牽引戦略を実行し、このパワーサーキットでのチャンスを最大限に広げようと考えている。ストフェル・バンドーンとアロンソは、FP1の最後にこの練習を実施した。また、アロンソは、メカニックがFP2までにパワーユニットを交換する時間が十分に取れるように、セッション終了から20分前に走行を終えた。

チームが昼休みにフェルナンド・アロンソのパワーユニット交換作業を精力的に行ったおかげで、アロンソはFP2開始から数分後には、コースに復帰することができた。両ドライバーは、マシンをほとんど止めることなく多くの周回を重ね、それぞれ31周を走行。アロンソはセッション序盤にパワーを失う小さな不具合が発生したものの、ソフトウェアを管理することですぐに解決した。その後、チームはレース用のセットアップを評価するとともに、両マシンで牽引の練習を再度実施。ストフェル・バンドーンはFP2を7番手という力強いポジションで終了し、フェルナンド・アロンソはバンドーンからわずか0.02秒差の8番手でした。

フェルナンド・アロンソ (8番手)

「今日は両セッションでいい手応えがあり、非常に前向きな一日だった。ここでいいパフォーマンスを披露できたのは、少し予想外だった。ここは僕たちにとっては不向きなサーキットなので、それほど期待していなかったが、両マシンがトップ10に入ったことはとてもよかった。興味深いことをいくつか試し、いい学びがあった。実際にはそんなに簡単ではないと思っているが、明日の予選ではパフォーマンスをさらに向上し、今日の結果を再現できるよう願っている。スパでは、ストフェルがペナルティーを受け、彼が僕を手助けしてくれた。そして、今度は僕がペナルティーによって決勝を最後尾からスタートする。だから、明日の予選ではストフェルのマシンを牽引してできる限り彼を助け、彼が日曜日のレースに向けてベストなポジションを獲得できるようにしたいと思う」

ストフェル・バンドーン (7番手)

「今日は、チームにとってサプライズとも言える金曜日だった。両マシンがトップ10に入り、土日に向けて非常にポジティブなスタートを切ることができた。特に、モンツァはエンジンのパワー不足の影響が大きいコースなので、今日の結果はよかったと言える。とても前向きな日だったが、後続のマシンのラップタイムは非常に拮抗している。ここでは僅差で大幅に順位を落とすことがあるので、さらに0.1秒、0.01秒、そして0.001秒まで詰めるために、自分たちの仕事を続ける必要があると考えている。今日のパフォーマンスを明日につなげることができれば、とてもうれしいが、ほかのチームはエンジンモードを使いパフォーマンスをもう少し向上してくると思うので、僕たちのポジションは少し下がるかもしれない。それでもライバルチームのミスを活かし、自分たちのパフォーマンスに焦点を当てて、この勢いを明日につなげられるようにしたいと思う。天気については、あまり心配していない。今日は今のところドライコンディションだし、土日の天気予報もまだ確認していないが、成り行きを見守っていく。天気が自分たちの走行にどう影響するのかは、誰にも読めないと思う」

エリック・ブーリエ (マクラーレン・ホンダ レーシングディレクター)

「今日は、チームにとって励みになる、実りの多い一日だった。重要なテストを完了し、今日予定していたプログラムを消化することができた。セッションの合間にパワーユニットを交換するために、メカニックは非常に精力的に仕事をしてくれた。今日もサーキットで懸命に働き、作業を迅速に完了してくれたメンバーには感謝している。どちらのガレージも今日は着実な走行を行い、明日の予選を前に有効な牽引の練習を実施した。モンツァのような高速パワーサーキットで、日曜日の決勝に向けてできるだけいいグリッドを獲得するには、明日の予選で自分たちが持っているあらゆる戦術を使う必要がある。ほかにもペナルティーによって通常のポジションから外れるマシンがいるので、まだできることはたくさんある。今朝は例年にない雨が降る恐れがあったものの、午後はいつものイタリアらしい太陽のもと路面温度が上昇し、ドライコンディションでの走行を通して、日曜日のレースを前に貴重なデータを収集することができた。バーチャルセーフティカーの導入が少しあったものの、FP2の最後にはロングランにさらに焦点を当てるとともに、いつものピットストップの練習を行った。全体的に、今日できたことには満足しているし、明日もポジティブな一日になるようにしたいと思う」

長谷川祐介 (ホンダ F1プロジェクト総責任者)

「不安定な天気の中で始まったイタリアGP初日ですが、最終的にはプログラムを予定通りに完了できた一日となりました。フェルナンドについては午前のセッションにパワーユニットのアップデートを投入し、性能確認を行いましたが、午後には先週のベルギーGPと同様のスペックに戻しました。これによりペナルティーを受けることになった事は残念ですが、少しでも早くアップデートを持ち込むことが重要でしたし、想定通りのパフォーマンスを確認できました。また、チームがFP2までの限られた時間の中で確実にパワーユニット交換を行い、予定通りに午後のセッションを開始できた事も非常に良かったと思います。ストフェルも順調にプログラムを消化し、FP2では7位と言ういいポジションで週末をはじめることができました。フェルナンドがペナルティーを受けることを考慮し、ベルギーでの予選と同様に二台が協力してタイムを出すチームプレイを試しています。かなり高いスキルが必要ですが、ドライバーの二人は素晴らしいコンビネーションを見せてくれました。ベルギーGPと同様に、我々のマシンと相性が良くないハイスピードサーキットですが、今日のセッションを見ていると、Q3進出のチャンスもあると思っていますので、引き続き準備に力を注ぎたいと思います」

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カテゴリー: F1 / マクラーレンF1チーム / ホンダF1 / F1イタリアGP