Nissan ZEOD RC ルーカス・オルドネス
日産は、「Nissan ZEOD RC」プログラムの開発を担当するテストドライバーに日産GTアカデミーの初代優勝者であるルーカス・オルドネスが就任したことを発表した。

「Nissan ZEOD RC」は、来年のル・マン24時間レースでデビューする電力駆動レーシングカー。今年のル・マン24時間レースの会場で発表された「Nissan ZEOD RC」は、来年の同レースでレースデビューする予定となっている。

また、来月には、このクルマの開発を託されたスペイン人ドライバーのルーカス・オルドネスが、初めてレーストラックでのテスト走行を行う予定となっている。

28歳のルーカス・オルドネスは、2008年の日産/プレイステーションGTアカデミーの初代優勝者。2011年のル・マン24時間レースでは表彰台を獲得し、また、2011年のインターコンチネンタル・ル・マンカップではチャンピオンとなり、最近では、ゲームレース出身のGTアカデミーの卒業生だけでチームを組んで挑んだスパ24時間レースで3位になるなど、最も優れたニスモアスリートのひとりとなっている。

さらに、ルーカス・オルドネスは今年、FIA GTシリーズやブランパン耐久シリーズに加え、米国のワールドチャレンジシリーズや日本でのSUPER GTシリーズにも参戦し、更に、オーストラリアでも日産のファクトリーチームのV8スーパーカーのテスト走行を行っている。

今回、ルーカス・オルドネスを「Nissan ZEOD RC」テストドライバーに起用することは、カリフォルニアで行われているグローバルメディアイベント“日産360"で発表された。

ルーカス・オルドネスは「今回の素晴らしいニュースを聞いて本当にうれしく思っています。『日産デルタウイング』を開発したベン・ボウルビーやスタッフたちとは、プチ・ル・マンで一緒に仕事をしましたが、今回また彼らとともにル・マンのためのプロジェクトに参加できることはとても喜ばしいことです。このプロジェクトに一から参加できるのは本当に夢のようです。彼らと一緒に『Nissan ZEOD RC』に使われる新しい技術を基に、レースカーを開発できることを楽しみにしています」とコメント。

「これは他では得られない経験となります。たくさんのテストをすることによって、エンジニアやチームスタッフから多くのことを学び、この新しいクルマについて勉強したいと思っています。それがレーシングドライバーである私にとってとても重要なことです。そして、この『Nissan ZEOD RC』の開発に参加することによって、もう一段上のステップに行くことが出来ると信じています」

日産のグローバルモータースポーツダイレクターのダレン・コックスは「ルーカスは、カートやジュニアフォーミュラを経験するという従来の方法でレースの世界に入ってきたわけではありません。だからこそ、『Nissan ZEOD RC』の開発を担当するという役割にふさわしいのです。ルーカスは、GTアカデミーのコンセプトがうまく機能していることを証明した最初のケースです。彼の後にGTアカデミーを卒業したニスモアスリートたちは、このプログラムが新しい才能の発掘・育成において非常に有益であることを証明しています」とコメント。

「また、『Nissan ZEOD RC』は、今まで開発されたどのレーシングカーとも違います。だからこそ、レーシングカーの開発に対して先入観を持っていないルーカスが、このレーシングカーの開発にふさわしいのです。私たちの『ル・マンを電動化する』という目標は、モータースポーツの姿を変え、私たちが普段運転しているクルマとのつながりを持たせていく最初の1歩にすぎません。私たちはこの過程で、ルーカスに重要な役割を担ってもらうことを非常にうれしく思っています」

現在、「Nissan ZEOD RC」は、シャシー第1号が完成し、最終的な組立が行われている。日産は、来年のル・マンに向けたパッケージを確定するために、このクルマの開発中に数多くの電動ドライブトレインソリューションをテストしていく。

日産のダイレクター・オブ・モータースポーツ・イノベーションのベン・ボウルビーは「昨年、ルーカスとはプチ・ル・マンで一緒に戦いましたが、プロとしてレース活動を始めてから、たった5年しか経っているとは思えないほど、スムーズに走行します。彼とまた一緒に仕事ができることを楽しみにしています」と述べた。



このエントリーをはてなブックマークに追加

カテゴリー: F1 / ル・マン24時間レース / 日産