2026年F1批判で波紋 フェルスタッペンにフォーミュラE CEOが“試乗招待”
フォーミュラEのCEOであるジェフ・ドッズは、2026年F1マシンを「ステロイドを打ったフォーミュラE」と表現したマックス・フェルスタッペンに対し、サウジアラビア・ジェッダで開催されるE-Prixへの来場とマシン体験を“冗談交じり”に呼びかけた。

フェルスタッペンはバーレーンでのプレシーズンテスト2日目、新世代F1マシンについてエネルギーマネジメントへの依存度が高すぎると指摘し、「それはもはやF1ではない」との見解を示した。

その発言は、エネルギー管理を主軸とするフォーミュラEを引き合いに出す形となり、パドック内外で波紋を広げた。

ドッズはそのコメントについて「まったく驚かなかった」と語り、フェルスタッペンを「伝統的で生々しいモータースポーツを好むタイプ」と表現したうえで、次のように明かした。

「昨日マックスにメッセージを送った。彼はバーレーンにいて、私はジェッダにいる。もしF1の代わりにこちらに来たいなら迎えに行く、とね。少しいたずら心を込めて書いた」

「多くのフォーミュラEドライバーやチーム代表が、これは我々にとって大きなチャンスだと連絡をくれた。彼がフォーミュラEに言及してくれただけでも可視性という意味で良いことだ。ここでは接近戦があり、肘を張ったバトルがあり、レースでは150回近いオーバーテイクがあるかもしれない。彼の発言をきっかけに、フォーミュラEを見てみようと思う人が増えれば、それは我々にとって素晴らしいことだ」

Gen4で“F1に迫る性能差”を主張
フォーミュラEは2026/27シーズンから新型Gen4マシンを導入する予定で、最大800馬力、常時四輪駆動を特徴とする。現行Gen3 Evoから大幅に進化し、F1とのパフォーマンス差は「非常に小さくなる」とシリーズ側は見ている。

ドッズは、フェルスタッペンがGen4を走らせれば「きっと気に入る」と断言する。

「もしマックスがGen4に乗れば、気に入ると思う。600キロワットの純粋なパワー、常時四輪駆動、現行車より70%増の出力、ラップタイムも新時代のF1と大きくは変わらない。瞬時のトルク、アクセル全開で1.8秒で時速100キロに達する。彼の今のF1マシンより速く、GT3よりも速い。本当に気に入るはずだ。これからも挑発し、試乗に招待し続ける」

マックス・フェルスタッペン フォーミュラE

“2つの技術の妥協”が違和感の正体
ドッズは、フェルスタッペンの違和感は2026年F1レギュレーションの根本思想にあると分析する。新規則では電動出力が総出力の約半分を占め、内燃エンジンと電動システムの融合がこれまで以上に進む。

「彼の言葉を要約すれば、クルマの中で制限を感じているということだろう。かつてのような全開での“生のレース”ではなく、2つの技術の妥協の上に成り立つスタイルに戸惑っているのだと思う」

「F1では常に何かをマネジメントしてきた。タイヤや燃料を守る必要があった。今回はエネルギーだ。違う戦略が求められているだけだ」

「しかし2026年は2つの技術を融合させ、それを成立させようとしている。電動技術は世界の流れとして必要だが、同時に内燃エンジンの音や歴史、ドライビングスタイルも守りたい。そのバランスを取るのは非常に難しい」

「フォーミュラEは常に完全電動であり、1つの技術に最適化してきた。だからこそレース形式もドライビングも一貫している。マックスにとって、F1の妥協構造は簡単ではないのだろう」

2026年F1の新時代は、電動化と伝統の間で揺れる過渡期にある。その中でフェルスタッペンの率直な言葉は、単なる挑発ではなく、トップドライバーの本能的な違和感を映し出している。

そしてフォーミュラEは、その隙間を逃さず、積極的に存在感を示そうとしている。

このエントリーをはてなブックマークに追加

カテゴリー: F1 / マックス・フェルスタッペン / レッドブル・レーシング / フォーミュラE