F1ラスベガスGP 予選:トップ10 ドライバーコメント

ラスベガスの難コンディションを制したのはマクラーレンだった。ランド・ノリスが見事なラストアタックでポールポジションを獲得し、タイトル争いで大きな一歩を刻んだ。2番手には氷の上のような路面と語ったマックス・フェルスタッペン、そして3番手にはウィリアムズのカルロス・サインツJr.が食い込んだ。
一方で、極限のウェット路面が表彰台圏内の勢力図を大きく揺さぶった。4番手以下も混戦で、メルセデスのジョージ・ラッセルはQ3のトラブルに泣き、オスカー・ピアストリはイエローフラッグに阻まれて5番手止まり。レーシングブルズ勢は2台ともQ3進出を果たし、リアム・ローソンが6番手、アイザック・ハジャーが8番手と好位置を掴んだ。フェラーリのシャルル・ルクレールは9番手、アルピーヌのピエール・ガスリーが10番手となり、トップ10は“雨と運と実力”が濃密に交錯する結果となった。
1番手:ランド・ノリス(マクラーレン)
「P1! 今日の予選の結果には本当に満足している。こんなにトリッキーなコンディションでのポールは決して簡単ではなかったけど、その分この結果はより特別なものになっている。今週末に入った時点では、まったく想像していなかった。だけど昨年から確実に前進できているし、週末を通して自信もどんどん高まっていった。今はレースにしっかり集中して、また強いパフォーマンスを発揮することだけを考えている。」
2番手:マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)
「今日は予選をとてもしっかり遂行できたと思う。コンディションは楽しいものじゃなくて、コースは本当に滑りやすく、氷の上を走っているようだった。ウェットは好きだけど、今日はやり過ぎなくらいで、とにかく慎重にならなければならなかった。グリップはすごく低くて、ミスのない走りをするためには一貫性が必要だったし、マシンの中でのフィーリングや本能を信じるしかなかった。とはいえ、マシンのポテンシャルは最大限に引き出せたし、やれることはすべてやったからポジティブだ。Q1とQ2は常に難しいけどうまくまとまって、Q3ではほんの少しグリップが足りず、さらに上を争うことはできなかった。ポール争いには絡めなかったけど、2番手はいいポジションだ。焦点はもちろん明日にあって、誰がタイヤを持たせられるかが鍵になる。僕らはそこが得意とは言えないけど、ハードタイヤでの情報がまだ全くないからどうなるか見てみようと思う。一番の懸念はレースペースだ。それでも、チャンスがあればもちろん攻めていく。」
3番手:カルロス・サインツJr.(ウィリアムズ)
「今年の予選の中でも最もトリッキーなコンディションのひとつだったけど、とてもハッピーだ! 今日は最初のラップからずっとマシンにフィーリングが合っていた。ラップをまとめるたびに上位につけていたし、こういうコンディションで走るのをすごく楽しんでいた。最後のアタックを少し早めに始めてしまったけど、それでもワンチャンスあると思っていたし、一瞬“これはいける!”と思った。でも僕の後ろにいた2台の速いマシンが改善して僕らを上回った。それでもP3はチームにとって素晴らしい結果だし、今日の仕事を誇りに思う。明日はこのポジションを維持することがターゲットだけど、このサーキットはオーバーテイクが簡単だから後ろにはとても速いマシンが控えている。できる限りワイドになって、全力を尽くすよ。Vamos!」
4番手:ジョージ・ラッセル(メルセデス)
「残念ながらQ3の途中でパワーステアリングの問題が発生してしまい、それがフロントロウを争うチャンスを失う原因になった。とはいえ、マクラーレンのランド(ノリス)のペースを見ると、彼に並ぶスピードがあったとは言い切れないけど、確実に“ベスト・オブ・ザ・レスト”にはなれたと思う。特にQ1とQ2を最速で終えていたことを考えると、マシンのスピードは良かった。P4スタートは理想とは言えないけど、このラスベガスの初開催からの2年間で、色々なことが起きている。この位置からでも前と戦えると思うし、表彰台争いに加われるはずだ。明日はドライで今日より暖かいコンディションになると言われている。それがどんな影響をもたらすのかも未知数で、すごく興味深いレースになると思う。」
5番手:オスカー・ピアストリ(マクラーレン)
「セッションの終わりはタフだった。最後のラップでイエローフラッグが出て、それですべてが終わってしまった。今日は本当にいいペースがあったから、とても残念だ。でも少なくとも僕らが速かったことは証明できた。明日はオーバーテイクのチャンスがいくつかあると思うし、ここはベガスだから何でも起きる可能性がある。どうなるか見てみよう。」

6番手:リアム・ローソン(レーシングブルズ)
「今日は本当にワイルドな予選だったけど、P6にはとても満足している。僕らが2つのセッションでエクストリームウェットを使わなければならなかったこと自体、どれだけ滑りやすかったかを示している。このタイヤを使うことは滅多にないからね。マシンは本当に速かったけど、最後のラップをわずかに逃してしまった。もっとスピードがあったし、さらに上のポジションに行けるチャンスもあったと思う。それでも2台揃ってQ3に入れたのは素晴らしい結果だ。」
7番手:フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)
「2時間前にはP7なんて想像もしていなかったし、正直思っていたよりずっと楽しかった。赤旗が連発してすごく長い夜になると思っていたけど、最終的にP7に入れて嬉しい。チームは正しいタイヤを選ぶといういい仕事をしたし、セッションを最大限に生かせた。ウェットコンディションは僕らの助けにもなったし、明日は何ができるか見てみよう。」
8番手:アイザック・ハジャー(レーシングブルズ)
「今日はタイミングや走り出しなど、予選でやるべきことをすべて完璧にこなせたと思う。Q1の時点からウェットで快適に走れて、そのままQ2にもパフォーマンスを持ち込めた。Q3の最後のアタックは速かっただけに、P8で終わるのはすごくフラストレーションが溜まる。僕が最後にコースに出たドライバーのひとりで、そのタイミングで路面の進化がピークに達していた。でもイエローフラッグが出て僕らの不利になってしまった。明日のレースペースは分からない。プラクティスではロングランができなかったから。明日は以前のデータを使って戦略を組み立てて、重要なポイントを取りに行くしかない。」
9番手:シャルル・ルクレール(フェラーリF1)
「今日は本当にトリッキーな予選だった。ウェットの路面でグリップが低く、僕たちのマシンはこういうコンディションを苦手としていて、十分なグリップの窓を維持するのがとても難しい。だからライバルと戦うのが辛い。フラストレーションはあるけど、解決策を見つけるためにできることはすべてやり続ける。明日のレースはドライになりそうだから、また違ったコンディションになるはずだ。今日はダウンフォースを高めのセットアップにしていたから、ストレートでの速度に影響するかもしれない。それでも最大限に生かして、いいスタートを切って前に進めることを願っている。」
10番手:ピエール・ガスリー(アルピーヌ)
「今日は本当に楽しい予選だったし、またQ3に進めてとても満足している。雨と低い気温の中でのコンディションはこれまで経験した中でも最も難しい部類だった。ウェットではすぐに速さが出て、Q1からずっと上位にいた。エクストリームウェットでは競争力があったけど、Q3のインターミディエイトではタイヤを適温まで上げるのに苦戦してしまい、そこは見直す必要がある。明日は昨日のプラクティスで高燃費走行がほとんどできていないから未知数な部分が多い。それが面白いところでもあるし、ポイントを狙って過去2年のこのサーキットでの悔しい結果を挽回したい。」
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