F1ラスベガスGP 予選:11番手以下 ドライバーコメント

11番手以下は、ウェット路面の犠牲者とも言える顔ぶれが並んだ。ザウバーのニコ・ヒュルケンベルグはわずかなミスでQ3を逃し、アストンマーティンのランス・ストロールは戦略判断が裏目に出て12番手。ハース勢のエステバン・オコンとオリバー・ベアマンはともにタイヤの扱いに苦戦し、13・14番手に沈んだ。
アルピーヌのフランコ・コラピントはまさに「奇跡のスライド」を生き延びつつもQ3届かず、15番手となった。後方5台はさらなる波乱の渦中にあった。ウィリアムズのアレクサンダー・アルボンは明らかなQ3ペースを持ちながらアクアプレーニングに泣き、17番手にはメルセデスのアンドレア・キミ・アントネッリ。ザウバーのルーキー、ガブリエル・ボルトレトは18番手と厳しい位置からのレースとなる。そして大きなニュースとなったのが、角田裕毅の19番手。チーム側のタイヤ内圧ミスにより“氷の上”と形容される完全なノーグリップ状態で走らされる不運に見舞われた。最下位の20番手はフェラーリのルイス・ハミルトンで、複数のイエローフラッグと視界不良が重なり、異例のQ1敗退となった。
11番手:ニコ・ヒュルケンベルグ(ザウバー)
「今日は僕が経験した中でも最もチャレンジングな予選のひとつだった。特にQ1は信じられないほどグリップが低かった。ベガスはもともとローダウンフォースのセットアップと滑りやすい路面でトリッキーだけど、雨が重なるとさらに予測不能になった。セッション自体は全体的にうまくマネジメントできたと思うけど、最後の最後でQ3が指の間からすり抜けてしまった。最後のコーナーで問題が起きて少しタイムを失ってしまい、それが残念だった。本当に僅差だったと思う。でも大きなミスはなく、クリーンな走りを保てたのは良かった。」
12番手:ランス・ストロール(アストンマーティン)
「Q1でもQ2の序盤でも僕たちはトップに立っていたし、今日はすごくうまくいっていた。でもQ2でインターミディエイトに行くという共同判断をして、それが裏目に出てしまった。乾き始めると考えてその作戦を取ったけど、実際にはそうではなかった。3周のプッシュラップを計画していたけど、最終的に2周しかできず、チャンスを逃してしまった。今日はもっと強い結果を争えたと思うから残念だ。」
13番手:エステバン・オコン(ハースF1チーム)
「今日は本来の力を出し切れなかったと思う。もっと速さがあったはずだから、その点は明らかに悔しい。最後から2周目のラップで速度を緩めなければならず、そのあともう一度プッシュした時にはタイヤの温度が落ちてしまい、ターン1でロックアップした。最後の2周は改善できなかった。でもQ3のペースはあったと思うから、その点はポジティブだ。最近は厳しいレースが続いていたけど、今日のセッションは気持ちよく走れたし、最大値を出せなかったにしても競争力は見せられたと思う。」
14番手:オリバー・ベアマン(ハースF1チーム)
「Q1の終盤にミスをしてしまったけど、うまく切り抜けられて、前のラップでいいタイムを出していたからQ2に進めた。Q2で僕たちがあれだけ遅かった原因はタイヤしかないと思う。Q1では毎周プッシュしてうまく機能していた。路面がもっと濡れていたから、温度が1度でも上がるのが助けになっていた。でもQ2では温度が上がりすぎたのだと思う。今日の予選にはもっと引き出せるものがあっただけに残念だけど、それでも明日のレースは楽しみだし、いい結果を狙える可能性がある。」
15番手:フランコ・コラピント(アルピーヌ)
「昨日から大きく改善できて、あのコンディションの中では僕らも戦えていた。最後のプッシュラップであの瞬間がなければ、Q3にかなり近づけていたと思う。デルタのタイムでも改善していたし、順調だった。でも縁石に触れた瞬間にターン15でマシンを失ってしまった。大きくスライドして、なんとか壁には当てずに済んだけど、多くのタイムを失ってしまった。今日は本当にトリッキーだった。雨量も多かったし、スタンディングウォーターもあった。アスファルトのグリップや白線に触れられない状況もあって、より難しく感じられた。でもそれはみんな同じだった。明日がドライになれば今日より改善できると思うし、ポイントに向けて戦いたい。」

16番手:アレクサンダー・アルボン(ウィリアムズ)
「フラストレーションの残る予選だった。週末を通して速さがあったからこそ余計に悔しい。コンディションは本当にトリッキーで、ラップごとに予期しないアクアプレーニングが出たりしていた。クリーンエアで走れたラップは満足できる内容だったけど、イエローフラッグが多く、最終コーナー付近ではいろんなことが起きていて、タイムに影響した。最後にはスナップが出てしまい、うまくまとめられなかった。今日はQ3に行ける速さがあっただけに残念だ。明日はドライになってほしいけど、マシンには自信があるから、レースでは巻き返せると思う。」
17番手:アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)
「本当にタフな予選だった。グリップがほとんどなくて、全員にとって信じられないほど難しい状況だった。路面がラップごとに改善していく中で、タイヤの温度を維持するためにプッシュし続けることが重要だった。Q1の最後のラップは良い内容だったけど、最後のストレートの終わりでロックアップしてしまい、それでセッションが終わった。週末を通してペースは良かっただけに残念だ。土曜日のレースは後方からのスタートになるけど、木曜のプラクティスでは良いペースがあった。明日はできるだけ多くのポジションを上げたい。コンストラクターズ選手権でP2を争っている中で、ライバルも後方にいるし、まだ良いポイントを取れるはずだ。それを目指す。」
18番手:ガブリエル・ボルトレト(ザウバー)
「セッションの序盤はすごく快適だったし、ペースも良かった。でも最後の2〜3周で流れが一気に悪くなってしまった。今日は実質的に初めて“完全ウェット”の予選を経験したことになるし、視界の悪さもあってすべてがとても激しく感じられ、グリップに苦しんだ。Q1の終盤で何が起きたのか分析する必要がある。僕自身が感じていたものをタイムにまったく反映できなかった。明日は後方からのスタートで簡単ではないけど、チャンスを最大限に生かしたい。」
19番手:角田裕毅(レッドブル・レーシング)
「セッションの間ずっと全然グリップがなくて、もう完全に氷の上っていう感じでホイールスピンしていました。明らかにおかしいとは思っていましたし、タイヤセットに何が起きたのか分からなくて、すごく変なフィーリングでした。前にエクストリームウェットを使った時はこんな感じじゃなかったですし、すごく速かった。でも今日は他のみんなより3秒も遅れていて、理由が分からなかったです。明らかに何か正常に機能していなくて、そういうフィーリングはありました。今はタイヤの内圧が全然合っていなかったと分かって、Q1でずっと抱えていた問題の説明がつきました。あの状況の中では自分にできることは全部やりました。すごくキツかったですし残念ですが、予選までは週末を通してすごくいいペースがあって、チームに入ってから一番いいくらいの感触でした。明日はレースで何か持ち帰れるように頑張りたいです。」
20番手:ルイス・ハミルトン(フェラーリF1)
「本当に残念な予選だった。FP3のあとではマシンにいいペースがあると感じていたけど、今日はウェットコンディションが全く味方にならなかった。視界は悪く、いくつかのイエローフラッグにも邪魔されて、最後の3回のアタックではきちんとしたラップをまとめることができなかった。今夜は立て直して、明日はポイント圏内に戻ることを目指す。」
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