ランス・ストロールは「もはやF1にふさわしくない」 ラルフ・シューマッハが酷評
ラルフ・シューマッハが、アストンマーティンのランス・ストロールに対する批判をさらに強めた。2025年シーズンも、チームメイトのフェルナンド・アロンソに完全に上回られたことを受けてのものだ。

Sky Deutschlandに対し、シューマッハはストロールの2025年のパフォーマンスについて「トップチームのシートを占めるドライバーとして、もはや受け入れられるレベルではない」と語った。

「彼がやっていることは、シートを維持できる内容ではない」とシューマッハは述べ、シルバーストンを拠点とするチームを所有する大富豪ローレンス・ストロールを父に持つ27歳のストロールを名指しで批判した。

さらにシューマッハは、マクラーレンの育成ドライバーでありF2王者のレオナルド・フォルナローリを引き合いに出し、「正直なところ、F2チャンピオンがこれほど良い走りをしているのを見ると、彼こそが千回でも、ああいったクルマに乗るに値する」と称賛した。

元F1勝者であるシューマッハは、続けてこう踏み込んだ。

「そこで何が起きるのか、私自身も興味がある。なぜなら、正直に言って、この問題に対してはローレンス・ストロールでさえ、いつまでも目をつぶり続けることはできないからだ」

「私の意見では、彼はもはやF1にいるべきではない候補だ。間違いなくね」

2025年の数字は、その差を明確に示している。予選では全24回すべてでアロンソがストロールを上回り、決勝でも大半のレースで前に出た。獲得ポイントも、アロンソの56点に対し、ストロールは33点にとどまっている。

2026年には、ホンダのワークスパワーユニットと自社製ギアボックスを初めて投入し、エイドリアン・ニューウェイ設計のアストンマーティンで、ストロールと44歳のアロンソがレースに臨む予定だ。

数字と評価が示す「父のチーム」という限界
シューマッハの発言は感情論ではなく、結果に裏打ちされた厳しい評価だ。24戦全敗の予選成績と、明確なポイント差は、同一条件下での競争力の差を否定しようがないことを示している。

しかも2026年のアストンマーティンは、ホンダのワークス支援とニューウェイの空力思想を得るという、チーム史上最大級の転換点を迎える。その局面でなお結果を残せなければ、「オーナーの息子」という立場だけでは正当化できない、というメッセージが今回のシューマッハの言葉には込められている。

一方で、フォルナローリの名前を挙げた点は、単なる批判にとどまらず、F1が本来持つべき実力主義への問題提起でもある。2026年に向けたアストンマーティンの選択は、チームの未来だけでなく、F1全体の価値観をも映し出す試金石になりそうだ。

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カテゴリー: F1 / ランス・ストロール / ホンダF1 / アストンマーティンF1チーム