ランス・ストロールは「F1引退を考えたが父に説得された」とドルゴヴィッチ暴露

ブラジルのポッドキャスト番組『Na Ponta dos Dedos』で語ったところによると、ストロールは過去数年にわたって何度かF1引退を考えたが、最終的には父でありチームオーナーのローレンス・ストロールに説得されて思いとどまったという。
「2024年と2025年の契約を更新したとき、ただの希望ではなく、実際にチームマネージャーとも話をしていた」とドルゴヴィッチは語った。
「他のドライバーが続けたくないという話もあった。2023年には実現しなかったけれど、その年の終わりには2024年に実現する可能性が高かった。チームも契約書を出してくれて、『このタイミングなら行ける』と思ったんだ」
「本当にみんなが思っている以上に近いところまで行っていた。2024年にランスが続けない可能性は非常に高かった」
しかし最終的にストロールは残留を決断し、ドルゴヴィッチはリザーブドライバーとしてチームにとどまることになった。その後、彼はフォーミュラEへ転向している。
「状況を責めるつもりはない。僕が決められることじゃないし、もし僕が彼らの立場でも同じことをしたと思う」とドルゴヴィッチは振り返る。
「ただ、自分としては本当に全てがうまく進んでいると思っていた。契約書も出されて、もう決まりだと思っていたのに、結局そうはならなかった。仕方がないことだよ。今さら嘆いても始まらない」
なお、ランス・ストロールはF1アメリカGPスプリントでエステバン・オコンとの接触事故を起こし、決勝では5グリッド降格ペナルティとライセンスに2点のペナルティポイントを科された。

ストロールの去就が揺れるたびに浮上する「後任候補」問題
ドルゴヴィッチの証言は、アストンマーティン内部で何度も噂されてきた「ストロール後任問題」を裏付ける内容だ。実際、2023年後半にはチーム内でもストロールのモチベーションを疑問視する声があり、ドルゴヴィッチの起用案が現実的に検討されていたとされる。
ただし、父ローレンス・ストロールがチームを所有する構造上、ランスのシートは他チームに比べて圧倒的に安定しており、外部からの交代はほぼ不可能に近い。ドルゴヴィッチの発言は、こうした「構造的な壁」に直面した若手ドライバーの現実を象徴している。
2025年以降、アストンマーティンの構図はどうなるか
2025年のアストンマーティンはフェルナンド・アロンソとランス・ストロールのコンビで継続が決定しているが、チームは依然として結果面で苦戦しており、フェラーリやマクラーレンとの差は広がっている。アロンソが2026年の新規則導入後も現役を続けるかは不透明であり、ドルゴヴィッチが再び候補に浮上する可能性もゼロではない。
ただし、現実的にはアストンマーティンが外部の実績あるドライバーを獲得する可能性の方が高く、ドルゴヴィッチにとってF1復帰の道は依然として険しい。
2024年シーズンを経ても「チームオーナーの息子」という不動の構図が続くなか、F1パドックでは「ストロールがいつ本当に続ける意欲を失うか」が、アストンマーティンの次の転換点になると見られている。
Source: GMM
カテゴリー: F1 / ランス・ストロール / フェリペ・ドルゴビッチ / アストンマーティンF1チーム