ロバート・クビサ F1 ウィリアムズF1
ロバート・クビサのウィリアムズでのF1復帰のために資金を提供するのはF1の元オーナー企業であるCVCキャピタル・パートナーズとF1ジャーナリストのジョー・サワードが自身のブログで解説している。

現在、2018年についての最大の疑問のひとつはウィリアムズに残された空席。セルゲイ・シロトキンで確定かと思われたが、一転してロバート・クビサがシート候補に再浮上。ウィリアムズは来年1月までドライバー決定を延期している。

フィンランドの MTV は、ロバート・クビサ側が開幕7戦で合計700万ドル(約7億8000円)というオファーを提示し、ウィリアムズがそれを真剣に検討していることがドライバー決定の遅れに繋がっていると報じてる。

ウィリアムズは、2018年のランス・ストロールのチームメイトは金ではなく実力で選ぶと主張。F1アブダビテストでは、ロバート・クビサよりもセルゲイ・シロトキンの方が優れたパフォーマンスを発揮していたとされている。しかし、上位への返り咲きを目指すウィリアムズの財政状況は実際には厳しいとジョー・サワードは説明する。

2014年と2015年はコンストラクターズ選手権3位という好成績を残したウィリアムズだが、2016年と2017年は5位に転落している。ウィリアムズはその伝統に対して1000万ドルの賞金が加えられるが、総額では倒すべきチームであるメルセデス、フェラーリ、レッドブル、マクラーレンには及ばない。

2014年にはパストール・マルドナドのロータス移籍による契約解除金によって助けられ、ウィリアムズにはフェリペ・マッサとバルテリ・ボッタスを起用する財力があった。2017年はバルテリ・ボッタスのメルセデス移籍で同様の状況となり、さらにランス・ストロールがシート獲得のために資金をもたらしたことでフェリペ・マッサを雇う余裕があったが、2018年はその額は減額されるとみられている。そのため、ウィリアムズはFW41を開発していくためにさらなる資金が必要になっているという。

そこでドライバー候補として残っているのが、1500万ドル(約17億円)を持ち込むとされるセルゲイ・シロトキン、700万ドル(約7億8000万円)を持ち込むとされるロバート・クビサという“ペイドライバー”の二人だ。

セルゲイ・シロトキンにはロシアのSMPグループという資金源があることは理解されているが、過去にポーランドで資金を見つけることに苦労していたロバート・クビサがどこから資金を持ち込むのかには疑問の声も挙がっていた。

ロバート・クビサのスポンサーを務めるのはポーランドのコンビニエンスストアのZabkaとエネルギー企業のPKP Energetykaの2つだという。そして、この2つの企業は2015年にCVCキャピタル・パートナーズに買収されている。Zabkaは、ポーランドで鉄道システムとネットワークのメンテナンス、ディーゼル機関車の燃料ステーション、電力やガスの再販も行っている。

CVCキャピタル・パートナーズは、総額85億ドル(約8650億円)でリバティメディアにF1を買収したが、依然としてF1のマーケティング価値を評価しているとジョー・サワードは語る。

では、なぜロバート・クビサよりも多くの資金を持ち込み、テストでも良い結果を残したセルゲイ・シロトキンがシートを獲得できないのだろう。

セルゲイ・シロトキンは、2014年にロシアのザウバーの救済契約の一環としてF1デビューを果たす予定だったが、結局は実現しなかった過去がある。ロシアのウラジーミル・プーチン大統領と近しいSMP銀行を所有するローテンベルグ兄弟は、ウクライナ危機におけるロシアに対抗するアメリカとヨーロッパの制裁措置の対象に含まれており、ヨーロッパとアメリカの口座が凍結されている。

だが、今回ロシアから資金が振り込まれることは間違いないとされている。ジョー・サワードによると、ウィリアムズと他のスポンサーがSMPとの提携を望んでいない可能性があるという。

また、セルゲイ・シロトキンとの交渉を中断したのは、ウィリアムズがロバート・クビサがより多くの資金を提供できないかを確認しているためだとしている。ZabkaとPKP Energetykaは、年間売上が数億ドルの企業であり、より多くの資金を提供できる可能性がある。

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カテゴリー: F1 / ロバート・クビサ / ウィリアムズ・レーシング