小林可夢偉
小林可夢偉が、自己ベストタイといなる5位でフィニッシュしたF1スペインGPの週末を振り返った。

ヨーロッパシーズンの開幕戦となるF1スペインGP。一週間前にはイタリアのムジェロで合同テストが開催された。

「スペインGP前にあったイタリア・ムジェロテストで、クルマのアップデートパーツをテストして、全体的にいい方向にいっているという感触はありました」

スペインGPにはテストからさらに煮詰めて持ち込んだのですが、ただ、やはりテストではなく実戦で自分たちがどこにいるのか、というのは気になっていました」

「とくにヨーロッパに帰ってきた初戦だし、前半戦はクルマが速かったのになかなか ポイントを獲れていなかったので、その分もここから取り返したいという思いでレースの週末を迎えていました」

気温の高いバルセロナでは、これまでと同じようにタイヤマネジメントが鍵となった。

「バルセロナは思っていた以上に暑くて、金曜日からとにかくタイヤをどうもたせるかがカギでした。予選1発に関してはタイムがもう少し出ればいいけれど、そんなに大きな問題はないという手応えで、なによりもアップデートの効果も感じたし、とにかく予選でQ3に入って、決勝を少しでも前からスタートして、レースをきちんと戦えたらいいなと期待していました」

順調に予選Q2を通過した小林可夢偉だが、タイムを出した後にマシントラブルでマシンを止めることになる。

「でも予選ではQ2の最後のアタックの間に油圧系のトラブルが起きて、結局タイム的にはQ2を通過したんですが、コース脇にマシンを止めることになってQ3を走れませんでした。データを見るとアタックラップのターン9あたりから油圧のラインにヒビが入ってオイル漏れを起こしていました。セクター3は『なにこれ!?』って感じるぐらいリヤがフラフラだったんですが、オイルが右リヤに吹き出していて、左右のグリップもな、ドライブシャフトの左右のトルクも全然違っていました。今回クルマが本当に速くて、もしトラブルがなければトップ5は間違いなかったんで、ほんまについてないな〜ってさすがに思いましたよ」

ルイス・ハミルトンが予選失格となったことで、小林可夢偉は9番グリッドからレースをスタートする。

「決勝は入賞はもちろんなんですが、とにかく上を目指すだけでした。ただ、とにかく直線が遅くて、こっちはDRSを使っているのに、マクラーレンとかメルセデスにストレートでどんどん離される状況で……。だからコーナーで攻めるしかなかったです」

「最後にニコを抜いたときは、こっちも結構タイヤがタレていたので、なんとかペースをコントロールして、タイミングをはかっていました。こっちもけっこう無理したんですよ。9番グリッドからスタートして5位という結果は満足できるものですが、週末全体の流れを考えると、5位というのは残念に感じています」

「ただ、前回のレースに比べるとずいぶんとレース中のペースがよくなりましたし、今回から投入したクルマのアップデートが、実戦でもうまく機能しているのはこの先に向けて大きな弾みになります。今シーズンはこれまで5レースあって、勝者とチームが毎回違うという状況で、ファンのみなさんにはとても面白いシーズンになっていると思います。とにかくいまは非常に接戦なので、僕もチームも金曜日からすべてを完璧に過ごさなければいけません。そうすれば表彰台が見える位置で戦うことができます。去年のモナコは5位だったので、今年はさらに上位でフィニッシュできるように頑張りたいと思います」

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カテゴリー: F1 / 小林可夢偉 / ザウバーF1チーム