アストンマーティン・ホンダF1に深刻問題 振動でドライバー神経損傷のリスク

シルバーストン拠点のチームは、ホンダ製パワーユニットに起因する振動問題によりプレシーズンテストでも走行距離を十分に稼ぐことができなかった。
バーレーンテスト後に対策が進められたものの、根本的な問題は依然として残っている。
エイドリアン・ニューウェイが明かした深刻な振動問題
メルボルンでメディア対応を行ったアストンマーティンのエイドリアン・ニューウェイは、振動がマシン全体に伝わり、最終的にはドライバーの身体にまで影響を与えていると説明した。
「その振動がシャシーに伝わり、いくつかの信頼性の問題を引き起こしている。ミラーが落ちたり、テールライトが外れたりといった問題があり、我々はそれに対処している」
「しかし、それよりも重大なのは、その振動が最終的にドライバーの指先に伝わることだ」
ニューウェイによれば、振動の影響は深刻で、長時間の走行を続けると神経損傷の危険性があるという。
「フェルナンドは、連続して25周以上走ると手に永久的な神経損傷のリスクがあると感じている」
「ランスは、その限界が15周程度だと考えている」
「我々が振動の根本原因を突き止めて改善するまで、レースでの周回数には大きな制限を設ける必要がある」
振動の原因はホンダ製パワーユニット
問題の発生源はパワーユニットであり、振動がシャシーを通じてドライバーに伝わっていると説明された。
ニューウェイは、内燃エンジンとMGUが振動の源になっている可能性があると明かしている。
「重要なのは、パワーユニット、つまり内燃エンジンとおそらくMGUの組み合わせが振動の発生源であり、増幅器になっているということだ」
「その一方で、シャシーは受け手だ。カーボンシャシーは非常に剛性が高く、減衰がほとんどない構造だ。そのため振動がシャシーに伝わると、そのままドライバーに届いてしまう」

ホンダは対策を投入も完全解決には至らず
プレシーズンテストでは振動によってバッテリーパックにも問題が発生していたが、ホンダとチームはバッテリー側の対策を実施。メルボルンではその修正仕様が投入される予定だ。
ニューウェイは、バッテリーへの振動は大きく軽減されたと説明した。
「バッテリーは寿命にとって最も重要な部分なので、そこに重点を置いてきた」
「技術的な詳細は明かせないが、今週末に向けてダイノでテストした解決策を準備した。それによりバッテリーに伝わる振動は大幅に減少した」
ただし、振動の発生源そのものは依然として残っており、シャシーへの伝達を止める対策はまだ進んでいないという。
渡辺康治「完全な解決時期はまだ言えない」
ホンダ・レーシング・コーポレーション(HRC)社長の渡辺康治も問題の存在を認めたが、完全な解決までのタイムラインは示せないと語った。
「できるだけ早く解決したいと思っていますが、現時点ではいつどのように解決できるかを申し上げるのは難しい状況です」
「今週から、現時点で最も効果的だと考えている対策を導入します」
「ただし、その効果はまだ実際の走行条件で完全に確認されたわけではありません。そのため今週はパワーユニットの運用に一定の制限を設けることになります」
「さらなる対策もすでに検討していますが、技術的な詳細はお伝えできません。完全なパフォーマンスに到達するまで、もう少しお待ちいただきたいと思います」
アストンマーティンにとって、2026年F1開幕戦オーストラリアGPは厳しい状況で迎える週末となりそうだ。振動問題が解決されない限り、ドライバーの走行周回数を制限しながら戦う異例のレースになる可能性がある。
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