小林可夢偉 「タイヤ交換がなければウェバーを抑えられていた」
小林可夢偉が、F1での自身ベストリザルトとなる5位入賞を果たしたF1モナコGPを振り返った。

「モナコGPは、コースとクルマの相性を考えると、カレンダーのなかで一番厳しい週末になるだろうなと想像していました」と小林可夢偉は振り返る。

「ただ僕たちのクルマは路面温度が高くなれば力を発揮できると思っていたし、最近のアップデートでちょっとずつ良くなっているので、ポイントは獲りにいくつもりでした」

だが、フリー走行で小林可夢偉はクルマの跳ねに苦労。セッティング面で試行錯誤することになる。

「木曜日のフリー走行で走ってみると、とにかくクルマが跳ねたんです。去年よりもひどく感じて全然縁石とか使えなくて。金曜日にミーティングをして、そこで話したアイデアをもとに土曜日のフリー走行ではチームメイトとは違ったセッティングで走ってみたんですけど、あまり良くなっていなくて良いのか悪いのか判断するのが難しかった。それに赤旗中断があって、オプションのスーパーソフトタイヤでのパフォーマンスチェックもできていなかったんですが、データで見る限りセッティングが違ってもタイム差がないからと思ってましたけど、けっこうはまってましたね」

予選では、うまくタイムをまとめることができず、Q2で敗退して13番手という結果に終わる。

「予選ではラスカスで前が詰まった時に、後ろからトロロッソに追突されて、リアウイングの一部とかがつぶれたんですけど、まあ、モナコの予選という感じでしたね」

また、Q3ではチームメイトのセルジオ・ペレスが大クラッシュを喫し、ザウバーは小林可夢偉だけでモナコを戦うことになった。

「ペレスのアクシデントの時、僕はドーピングテストを受けていて、最初は何が起きたのか分かりませんでした。フリー走行のロズベルグが同じようなクラッシュだったし、今までもモナコではああいうクラッシュが起こってたいたし、やっぱりモナコは恐いなと思いました。ともかくペレスに大きな怪我がなかったことが一番でしたね」

決勝では、プライムスタートの1ストップ戦略をとった小林可夢偉。それが功を奏すことになる。

「決勝レースに向けては、新品のオプションタイヤ1セットを残していたし、それは今回は結構なアドバンテージになるので、前に12人しかいないから、大勢がオプションで出たりすると、僕がタイヤを変えて出ると戦略が変わってくるので、面白いといえば面白いかなと思ってました。ただ、決勝でもこのセッティングで大丈夫かという不安はありましたけど、ポイントは充分狙えると信じてました」

「フリー走行でのタイヤの状況を見たら、ワンストップでいけるのは分かっていたので、まず最初は新品のソフトタイヤでスタートして、そのあと新品のオプションタイヤに履き替えました。狙い通りオプションタイヤでスタートしたクルマがピットインしていく間にポジションも上がったし、1回目のセーフティーカーの間にタイヤを交換したタイミングもまずまずでした。そこからタイヤを労りながら前のスーティルを追いかけつつ、後ろから来るウェバーも抑えるというのは結構大変でした」

72周目に赤旗中断になるまで小林可夢偉は4位を走行した。だが、レースが中断した時点で全ドライバーがタイヤを交換。小林可夢偉はフレッシュタイヤを履いたマーク・ウェバーの猛攻を凌ぐことができず、5位でのフィニッシュとなった。

だが、モナコGPでの5位は日本人最高位であり、小林可夢偉にとっても5位はF1でのベストリザルト。1台だけでザウバーに10ポイントをもたらすというチームにとって最高の結果を残した。

「レースの最後に赤旗中断になったとき、レースがこのまま終わるかなと思ったんで、再開すると聞いて正直驚いたんですけど、もしタイヤを交換しないままだったら、最後までウェバーはおさえられていたとは思います」

「でも結局みんなタイヤを交換して、ウェバーのペースが全然速かったので、どうしようもなかったですね。それは残念ですけど、チームとしては一番苦戦するだろうなと思っていたレースだし、しかもいろいろな出来事があったけど、最後にきちんとポイントを獲ってチームの雰囲気を変えることができたと思うのでよかったです」

関連:ザウバー:小林可夢偉が5位入賞! (F1モナコGP)

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カテゴリー: F1 / 小林可夢偉 / ザウバーF1チーム