インディカー・シリーズ 本田技研工業
オハイオ州コロンバス郊外のミッドオハイオ・スポーツカー・コースで開催されたインディカーシリーズ第13戦Hondaインディ200で、地元出身ドライバーのグラハム・レイホール(Rahal Letterman Lanigan Racing)が3位でゴールした。シーズン中盤戦から始まったグラハム・レイホールの快進撃はとどまるところを知らず、今回で7戦連続のトップ10入り。今季3回目の表彰台に上った。

週末を通じて好天が続いた今年のレースは、気温がとうとう摂氏30℃を超えることが一度もなく、暑過ぎない、レース観戦に適したコンディションに恵まれた。ミッドオハイオはHondaのオハイオ工場に近いことから、10,000人近いHondaアソシエイツが夏の一日をサーキットで過ごし、レースを楽しんだ。

バラエティに富むコーナーを持つテクニカルな全長2.258マイルのサーキットで、90周のレースが争われた。グラハム・レイホールは予選4番手で2列目アウト側からスタートし、予選3番手だったインディ500ウイナーの佐藤琢磨(Andretti Autosport)と接近戦を展開。最初のピットストップを行う前の15周目に、佐藤琢磨の前に出ることに成功した。その後の彼は、ゴールまで延々とウィル・パワー(シボレー)と2番手争いを繰り広げた。最終的にレースウイナーとなったジョセフ・ニューガーデン(シボレー)は、大きなリードを築いてゴールまで走り切った。

レースが終盤に入ってから、レース中唯一のフルコースコーションが出され、残り20周でリスタートが切られた。グラハム・レイホールはこのチャンスを活かすべくパワーに猛アタックを続け、サーキットに集まったファンからの大歓声を浴びたが、逆転はならず3位でのゴールとなった。それでも彼はミッドオハイオというホームコースで5年連続のトップ5フィニッシュという快挙を達成し、地元ファンを喜ばせた。これは、グラハム・レイホールが2015年にミッドオハイオで優勝して以来、この3年で2回目の表彰台登壇となった。グラハム・レイホールはシーズン中盤から快進撃を続けてきており、今回は最近の7戦中5回目のトップ5フィニッシュだった。

インディ500ウイナーの佐藤琢磨は、第8戦デトロイトのレース2での4位フィニッシュ以来となる上位陣でのゴールを達成した。3番グリッドからスタートするも、ピットストップで時間がかかるなどしたため、途中は8番手まで順位を下げた。3回目のピットストップで新品のソフトタイヤを装着すると、ゴールまで残り20周時点でリスタートとなったあとにジェームズ・ヒンチクリフ(Schmidt Peterson Motorsports)、エリオ・カストロネベス(シボレー)、アレキサンダー・ロッシ(Andretti Herta Autosport)をパスして5位でのゴールをもぎ取った。トロントで2位フィニッシュしたばかりのアレキサンダー・ロッシは、リスタート後のバトルでエリオ・カストロネベスをオーバーテイクし、6位でゴールした。

3点というわずかな差ながら、ポイントランキングのトップで第13戦ミッドオハイオを迎えたスコット・ディクソン(Chip Ganassi Racing)は、厳しいレースを戦い抜いた。過去にミッドオハイオで5回もの優勝を飾っているスコット・ディクソンだが、リアサスペンションに発生したトラブルによるものと思われるハンドリングの不調に見舞われ、優勝争いには加われなかった。しかし、しぶとい走りでリスタート後にポジションを一つ上げての9位フィニッシュを記録した。この結果、ディクソンはポイントスタンディングで3位となったが、あと4戦を残し、トップとはわずか8点差だ。

インディカーシリーズは2週間のインターバルのあと、今シーズン2回目となるスーパースピードウェイでのレースが、ペンシルベニア州ロングポンドのポコノ・レースウェイ(全長2.5マイル)で開催される。ユニークな三角形をしたオーバル・コースでの500マイルレースだ。

グラハム・レイホール (3位)

「いい走りができました。今日の私たちはとても速いペースを保てていたと思います。そして、クルーたちはまたしてもすばらしいピット作業で、私を迅速にコースへと送り返してくれました。コース上でのバトルは非常に激しかったですね。今シーズンの残りのレースに向けても、チーム全員でハードワークを続け、私もできる限りハードなドライビングを続けます。ポコノでも私たちは強いと確信しています」

佐藤琢磨 (5位)

「3番手スタートでしたから、5位でのフィニッシュは最高のシナリオではありませんでした。ピットストップでホイールナットのトラブルがあり、コースに戻ってすぐに2つポジションを落としました。そこからは追い上げるレースを戦うこととなりましたが、とても楽しいバトルを行うことができました。終盤のリスタートのあとに2台をオーバーテイクし、ポジションをばん回できたのはよかったですね。難しいレースではありましたが、Andretti Autosportの4台は力強いレースを戦ったと思います。私たちは今週末、チームとしてとてもいいパフォーマンスを見せることができたとも感じています。今シーズンの残り4レースでも今回のような戦いぶりを見せ、ポイントランキングで上位へと進出したいと思います」

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カテゴリー: F1 / インディカー / ホンダF1