インディカー:ホンダ 2022年 第12戦 アイオワ 決勝レポート
アイオワ州ニュートンにあるショートオーバル、アイオワ・スピードウェイで行われたダブルヘッダーの2レース目ではChip Ganassi Racingで走るHondaドライバーたちが上位でフィニッシュした。シリーズチャンピオンに6回輝いているスコット・ディクソンは4位でゴールし、2レース連続のトップ5入りという安定した成績を残した。元ストックカーチャンピオンのジミー・ジョンソンはインディカーでのキャリアベストフィニッシュを更新する5位でのフィニッシュを達成し、ポイントリーダーのマーカス・エリクソンは8戦連続トップ10フィニッシュとなる6位でゴールした。
全長が0.894マイルのアイオワ・スピードウェイは、2022年シーズンにインディカーのレースが行われる中で最も短いサーキットだが、コーナーは最大14度の傾斜がつけられたバンクとなっており、ハイスピードを保ってのバトルが延々と繰り広げられる。今週末はダブルヘッダーだったが、1レース目は250周、2レース目はそれより50周長い300周で争われ、2つのレースでマシンの仕上げ方、戦略は異なるものが要求されていた。
気温が摂氏28度までしか上がらず、風も吹き続けて快適なコンディションとなった2レース目は、前日に1レースを戦ったデータによって出場チームのマシンが一段レベルアップしており、ハイスピードで展開していった。1レース目では4回出されたフルコースコーションが2レース目では2回しか出されず、バトルは長いスティントを重ねたものになったため、マシンセッティングの仕上がり具合の微妙な差や、どれだけタイヤを労った走りを実現できるかがポジション争いに大きな影響を与えていた。ディクソンは経験にものを言わせ、予選18番手から4位まで大きく順位を上げてゴールした。先週のトロントで優勝している彼は、アイオワでの2戦連続トップ5フィニッシュによってチャンピオンシップ争いの3番手にまで浮上している。
ディクソンのチームメートのエリクソンは、1レース目の8位を上回る6位でゴールし、ポイントスタンディングのトップを守った。アイオワでの2レース目を終えてポイントスタンディングの2番手に再浮上してきたウィル・パワーに彼は8点の差をつけている。
Hondaエンジンで走るルーキーのデビッド・マルカス(Dale Coyne Racing with HMD Motorsports)は、アイオワでのレース2でキャリア2回目のトップ10入りとなる8位フィニッシュを記録した。これは彼にとって今シーズン5回目のルーキー最高位でのゴールだった。ロマン・グロージャン(Andretti Autosport)は9位、マルカスのチームメートの佐藤琢磨(Dale Coyne Racing with RWR)は10位と、アイオワでのダブルヘッダーでは2レースともにHondaドライバー6人がトップ10でフィニッシュした。
予選5番手だった佐藤琢磨は、コルトン・ハータ(Andretti Autosport w/ Curb-Agajanian)がエンジン交換を行って9グリッドの降格となったため、2列目外側の4番グリッドからスタートした。前日の1レース目ではフロントウイングがトラブルを発生させていた佐藤琢磨だが、2レース目のために用意したマシンはまずまずの仕上がりとなっており、スタートから4番手にポジションを保って周回を重ねていった。
1回目のピットストップまでに一番多くの周回を重ねたのが佐藤琢磨で、66周目に彼はトップに立った。しかし、ピットストップを終えるとポジションは17番手まで下がっており、ウイングの角度変更も狙い通りの効果を発揮しなかったため、そこから上位へとばん回をしていくのに苦労していた。それでも佐藤琢磨は燃費セーブとスピードの維持に全力を注ぎ込み、196周目に2回目のトップに立った。最後の最後に優勝争いに加わるべく着々とレースを戦っていた佐藤琢磨だったが、レースがもう終盤に入った235周目にトップを走り続けていたジョセフ・ニューガーデン(シボレー)がマシントラブルによりクラッシュ。燃費セーブに勝機を見出す佐藤琢磨とチームの作戦は成功しなかった。トロントでは1周目に他車に接触されてリタイアし、アイオワでの1レース目はマシンのトラブルに見舞われた佐藤琢磨だったが、予選のパフォーマンスもよく、ダブルヘッダーの2レース目に10位でのゴールを記録した。
アイオワでの戦いを終え、インディカーシリーズは4週末に5レースを行う夏の過酷なスケジュールの半分を消化したが、休むことなくインディアナポリス・モーター・スピードウェイのロードコースでのレースへと向かう。
スコット・ディクソン(Chip Ganassi Racing)
「今日の私たちはリスタートでマシンがボトミングしており、いらいらさせられる状況になっていました。最後のリスタートからは表彰台に上れる3位を確保しようとアタックしましたが、狙った通りの結果を手に入れることはできませんでした。今週もHondaエンジンはパワフルさを見せ続け、私たちはロングランでの走りが非常によいものとなっていたことで、たった2回しかフルコースコーションが出されなかったレースでライバルたちに差をつけることができていたと思います。私と同じニュージーランド出身のドライバー、スコット・マクラフリン(シボレー)との表彰台を賭けたバトルは楽しいものでした。4位で多くのポイントを稼ぐことができましたし、今日は私たちChip Ganassi Racingにとってたいへんよいレースだったと思います」
佐藤琢磨(Dale Coyne Racing with RWR)
「私たちはアイオワでの2レース目に2列目グリッドからスタートできましたから、前日の1レース目よりもかなりよい状況からレースを始めることができました。序盤戦はトップについていって周回を重ねました。その状態で後続との差を広げていくこともできていました。トップ5にポジションを維持できていたのですから、とてもよいレースになっていました。2レース目は300周と長いので私たちは燃費セーブを心がけました。ゴールまで100周ほどになった頃、私たちは一番多くの周回をこなしてからピットに向かいました。そこからゴールまで私たちは走り切る考えでした。ライバルたちは皆もう1回ピットに入って給油することになるという自信があったからでした。最終的には、イエローフラッグが出されて私たちの作戦が成功することはありませんでした。4番手からスタートしての10位フィニッシュはよい結果とは言えませんが、私たちのチームは2台が揃ってトップ10フィニッシュできたのですから、それはすばらしいことだったと思います」
カテゴリー: F1 / インディカー
全長が0.894マイルのアイオワ・スピードウェイは、2022年シーズンにインディカーのレースが行われる中で最も短いサーキットだが、コーナーは最大14度の傾斜がつけられたバンクとなっており、ハイスピードを保ってのバトルが延々と繰り広げられる。今週末はダブルヘッダーだったが、1レース目は250周、2レース目はそれより50周長い300周で争われ、2つのレースでマシンの仕上げ方、戦略は異なるものが要求されていた。
気温が摂氏28度までしか上がらず、風も吹き続けて快適なコンディションとなった2レース目は、前日に1レースを戦ったデータによって出場チームのマシンが一段レベルアップしており、ハイスピードで展開していった。1レース目では4回出されたフルコースコーションが2レース目では2回しか出されず、バトルは長いスティントを重ねたものになったため、マシンセッティングの仕上がり具合の微妙な差や、どれだけタイヤを労った走りを実現できるかがポジション争いに大きな影響を与えていた。ディクソンは経験にものを言わせ、予選18番手から4位まで大きく順位を上げてゴールした。先週のトロントで優勝している彼は、アイオワでの2戦連続トップ5フィニッシュによってチャンピオンシップ争いの3番手にまで浮上している。
ディクソンのチームメートのエリクソンは、1レース目の8位を上回る6位でゴールし、ポイントスタンディングのトップを守った。アイオワでの2レース目を終えてポイントスタンディングの2番手に再浮上してきたウィル・パワーに彼は8点の差をつけている。
Hondaエンジンで走るルーキーのデビッド・マルカス(Dale Coyne Racing with HMD Motorsports)は、アイオワでのレース2でキャリア2回目のトップ10入りとなる8位フィニッシュを記録した。これは彼にとって今シーズン5回目のルーキー最高位でのゴールだった。ロマン・グロージャン(Andretti Autosport)は9位、マルカスのチームメートの佐藤琢磨(Dale Coyne Racing with RWR)は10位と、アイオワでのダブルヘッダーでは2レースともにHondaドライバー6人がトップ10でフィニッシュした。
予選5番手だった佐藤琢磨は、コルトン・ハータ(Andretti Autosport w/ Curb-Agajanian)がエンジン交換を行って9グリッドの降格となったため、2列目外側の4番グリッドからスタートした。前日の1レース目ではフロントウイングがトラブルを発生させていた佐藤琢磨だが、2レース目のために用意したマシンはまずまずの仕上がりとなっており、スタートから4番手にポジションを保って周回を重ねていった。
1回目のピットストップまでに一番多くの周回を重ねたのが佐藤琢磨で、66周目に彼はトップに立った。しかし、ピットストップを終えるとポジションは17番手まで下がっており、ウイングの角度変更も狙い通りの効果を発揮しなかったため、そこから上位へとばん回をしていくのに苦労していた。それでも佐藤琢磨は燃費セーブとスピードの維持に全力を注ぎ込み、196周目に2回目のトップに立った。最後の最後に優勝争いに加わるべく着々とレースを戦っていた佐藤琢磨だったが、レースがもう終盤に入った235周目にトップを走り続けていたジョセフ・ニューガーデン(シボレー)がマシントラブルによりクラッシュ。燃費セーブに勝機を見出す佐藤琢磨とチームの作戦は成功しなかった。トロントでは1周目に他車に接触されてリタイアし、アイオワでの1レース目はマシンのトラブルに見舞われた佐藤琢磨だったが、予選のパフォーマンスもよく、ダブルヘッダーの2レース目に10位でのゴールを記録した。
アイオワでの戦いを終え、インディカーシリーズは4週末に5レースを行う夏の過酷なスケジュールの半分を消化したが、休むことなくインディアナポリス・モーター・スピードウェイのロードコースでのレースへと向かう。
スコット・ディクソン(Chip Ganassi Racing)
「今日の私たちはリスタートでマシンがボトミングしており、いらいらさせられる状況になっていました。最後のリスタートからは表彰台に上れる3位を確保しようとアタックしましたが、狙った通りの結果を手に入れることはできませんでした。今週もHondaエンジンはパワフルさを見せ続け、私たちはロングランでの走りが非常によいものとなっていたことで、たった2回しかフルコースコーションが出されなかったレースでライバルたちに差をつけることができていたと思います。私と同じニュージーランド出身のドライバー、スコット・マクラフリン(シボレー)との表彰台を賭けたバトルは楽しいものでした。4位で多くのポイントを稼ぐことができましたし、今日は私たちChip Ganassi Racingにとってたいへんよいレースだったと思います」
佐藤琢磨(Dale Coyne Racing with RWR)
「私たちはアイオワでの2レース目に2列目グリッドからスタートできましたから、前日の1レース目よりもかなりよい状況からレースを始めることができました。序盤戦はトップについていって周回を重ねました。その状態で後続との差を広げていくこともできていました。トップ5にポジションを維持できていたのですから、とてもよいレースになっていました。2レース目は300周と長いので私たちは燃費セーブを心がけました。ゴールまで100周ほどになった頃、私たちは一番多くの周回をこなしてからピットに向かいました。そこからゴールまで私たちは走り切る考えでした。ライバルたちは皆もう1回ピットに入って給油することになるという自信があったからでした。最終的には、イエローフラッグが出されて私たちの作戦が成功することはありませんでした。4番手からスタートしての10位フィニッシュはよい結果とは言えませんが、私たちのチームは2台が揃ってトップ10フィニッシュできたのですから、それはすばらしいことだったと思います」
カテゴリー: F1 / インディカー