インディカー:ホンダ 2022年 第11戦 アイオワ 決勝レポート
アイオワ州の首都デモインの東50マイルほどの町、ニュートンにあるアイオワ・スピードウェイは、昨年インディカーのレースを行うことができなかった。しかし、アイオワ州を本拠地とする企業から絶大なるサポートを受け、今年からダブルヘッダーとしてアメリカのトップオープンホイールのチャンピオンシップに復活を果たした。
先週トロントで今シーズン初勝利を挙げたばかりのスコット・ディクソン(Chip Ganassi Racing)は、アイオワでのレース1は13番手からのスタートだったが、序盤の17周目から出されたフルコースコーションでピットに向かう作戦が大成功だった。タイヤの消耗が激しいスピードウェイであるため、新品タイヤを装着したことが大きなアドバンテージとなり、一気に順位を上げて行くことができた。タイヤを労わりながらも攻めるべきタイミングでは攻める、6度のシリーズ・タイトル獲得歴を誇るディクソンならではのドラビングによってトップ5に食い込んでのゴールが達成された。Chip Ganassi Racingのマシンはロングランで速いものに仕上がっていたため、最後のフルコースイエローからゴールまでの77ラップに渡るロングバトルでディクソンは優位を手にしていた。
ディクソンのチームメートで昨年度シリーズチャンピオンのアレックス・パロウも予選14番手から6位でフィニッシュした。また、今回がアイオワでのレースが初めてだったロマン・グロージャン(Andretti Autosport)が7位、現在チャンピオンシップポイントでリーダーの座にあるマーカス・エリクソン(Chip Ganassi Racing)が8位でゴールした。エリクソンはレース中盤にトップを争った。最終的には8位となったが、ポイントリードは維持している。
元ストックカーチャンピオンで2021年シーズンからインディカーに参戦しているジミー・ジョンソン(Chip Ganassi Racing)はレース序盤にスピンを喫したが、幸いにもマシンにダメージはなく、そこから目覚ましい走りで順位をばん回し、レース中盤の18周をリードした。250周のレースを通じてポジション争いを続けていた彼は、終盤にタイヤの消耗によって後退したが、11位でレースを走り切ったた。彼の前の9位、10位にはグレアム・レイホール(Rahal Letterman Lanigan Racing)とチームメートのクリスチャン・ルンガーが入り、Hondaドライバー6人がトップ10でのゴールを果たした。
佐藤琢磨(Dale Coyne Racing with RWR)は予選が9位で、トップグループでのバトルを展開することと見られていた。アイオワ・スピードウェイは佐藤琢磨がインディカーにおけるキャリア初ポールポジションを2011年に獲得したコースで、ショートオーバルを佐藤琢磨はインディカー参戦当時から得意としている。
しかし、今週末の佐藤琢磨のマシンはどうやらフロントウイングに何らかのトラブルが生じていたようで、スタート直後から十分なダウンフォースが得られていなかった。安定を欠いたハンドリングでは思う存分にバトルを繰り広げることは不可能。佐藤琢磨はレース終盤に他車と接触し、フロントウイングをノーズごと交換した。すると、それ以前とは比べものにならないスピードで走り出した。すでにその時点で周回遅れに陥っていたため、アイオワでの1レース目は21位という結果に終わったが、明日の2レース目にはフロントウイングの問題が解消したマシンで出走することができる。予選結果は5番手であり、3列目イン側グリッドから佐藤琢磨は優勝争に加わって行きたいと意気込んでいる。
スコット・ディクソン(Chip Ganassi Racing)
「とても興味深いレースでした。シャシーのバランスを正しいものにするのが非常に難しいレースでもありました。スタート、リスタートでのマシンはハンドリングがオーバーステアでしたが、序盤のフルコースコーションでタイヤを新しいものに換えるチームの作戦が当たりトップ争いへと食い込んで行くことができました。私たちのマシンはロングランで速かったので、レース終盤にさらに順位をゲインして行くことが可能でした。Hondaが今回もすばらしい仕事をしてくれました。明日のレースに向けては、いくつかの点を進歩させないとなりませんが、それにトライをして臨むレースを楽しみにしています」
佐藤琢磨(Dale Coyne Racing with RWR)
「私たちは予選では力を発揮できていました。今朝行われた予選で9番手に入ることができたんです。ところが残念なことに、レースの私たちは1ラップ目から順位を下げて行くしかありませんでした。マシンのハンドリングが強いアンダーステアになっていたためです。その時には”今日は長い、長いレースになるだろう”と覚悟をしました。レース中には私のミスによる小さなアクシデントがあり、フロントウイングを損傷しました。ピットに入ってウイングを交換すると、ピット前とは全く違うマシンになっていました。バランスもよく、出場者中のトップに近いラップタイムをそのスティントを通じて出し続けることができたほどでした。明日の2レース目に向けて大いに勇気づけられる結果となりました。明日のレースは5番グリッドからのスタートですし、今からとても楽しみです」
カテゴリー: F1 / インディカー
先週トロントで今シーズン初勝利を挙げたばかりのスコット・ディクソン(Chip Ganassi Racing)は、アイオワでのレース1は13番手からのスタートだったが、序盤の17周目から出されたフルコースコーションでピットに向かう作戦が大成功だった。タイヤの消耗が激しいスピードウェイであるため、新品タイヤを装着したことが大きなアドバンテージとなり、一気に順位を上げて行くことができた。タイヤを労わりながらも攻めるべきタイミングでは攻める、6度のシリーズ・タイトル獲得歴を誇るディクソンならではのドラビングによってトップ5に食い込んでのゴールが達成された。Chip Ganassi Racingのマシンはロングランで速いものに仕上がっていたため、最後のフルコースイエローからゴールまでの77ラップに渡るロングバトルでディクソンは優位を手にしていた。
ディクソンのチームメートで昨年度シリーズチャンピオンのアレックス・パロウも予選14番手から6位でフィニッシュした。また、今回がアイオワでのレースが初めてだったロマン・グロージャン(Andretti Autosport)が7位、現在チャンピオンシップポイントでリーダーの座にあるマーカス・エリクソン(Chip Ganassi Racing)が8位でゴールした。エリクソンはレース中盤にトップを争った。最終的には8位となったが、ポイントリードは維持している。
元ストックカーチャンピオンで2021年シーズンからインディカーに参戦しているジミー・ジョンソン(Chip Ganassi Racing)はレース序盤にスピンを喫したが、幸いにもマシンにダメージはなく、そこから目覚ましい走りで順位をばん回し、レース中盤の18周をリードした。250周のレースを通じてポジション争いを続けていた彼は、終盤にタイヤの消耗によって後退したが、11位でレースを走り切ったた。彼の前の9位、10位にはグレアム・レイホール(Rahal Letterman Lanigan Racing)とチームメートのクリスチャン・ルンガーが入り、Hondaドライバー6人がトップ10でのゴールを果たした。
佐藤琢磨(Dale Coyne Racing with RWR)は予選が9位で、トップグループでのバトルを展開することと見られていた。アイオワ・スピードウェイは佐藤琢磨がインディカーにおけるキャリア初ポールポジションを2011年に獲得したコースで、ショートオーバルを佐藤琢磨はインディカー参戦当時から得意としている。
しかし、今週末の佐藤琢磨のマシンはどうやらフロントウイングに何らかのトラブルが生じていたようで、スタート直後から十分なダウンフォースが得られていなかった。安定を欠いたハンドリングでは思う存分にバトルを繰り広げることは不可能。佐藤琢磨はレース終盤に他車と接触し、フロントウイングをノーズごと交換した。すると、それ以前とは比べものにならないスピードで走り出した。すでにその時点で周回遅れに陥っていたため、アイオワでの1レース目は21位という結果に終わったが、明日の2レース目にはフロントウイングの問題が解消したマシンで出走することができる。予選結果は5番手であり、3列目イン側グリッドから佐藤琢磨は優勝争に加わって行きたいと意気込んでいる。
スコット・ディクソン(Chip Ganassi Racing)
「とても興味深いレースでした。シャシーのバランスを正しいものにするのが非常に難しいレースでもありました。スタート、リスタートでのマシンはハンドリングがオーバーステアでしたが、序盤のフルコースコーションでタイヤを新しいものに換えるチームの作戦が当たりトップ争いへと食い込んで行くことができました。私たちのマシンはロングランで速かったので、レース終盤にさらに順位をゲインして行くことが可能でした。Hondaが今回もすばらしい仕事をしてくれました。明日のレースに向けては、いくつかの点を進歩させないとなりませんが、それにトライをして臨むレースを楽しみにしています」
佐藤琢磨(Dale Coyne Racing with RWR)
「私たちは予選では力を発揮できていました。今朝行われた予選で9番手に入ることができたんです。ところが残念なことに、レースの私たちは1ラップ目から順位を下げて行くしかありませんでした。マシンのハンドリングが強いアンダーステアになっていたためです。その時には”今日は長い、長いレースになるだろう”と覚悟をしました。レース中には私のミスによる小さなアクシデントがあり、フロントウイングを損傷しました。ピットに入ってウイングを交換すると、ピット前とは全く違うマシンになっていました。バランスもよく、出場者中のトップに近いラップタイムをそのスティントを通じて出し続けることができたほどでした。明日の2レース目に向けて大いに勇気づけられる結果となりました。明日のレースは5番グリッドからのスタートですし、今からとても楽しみです」
カテゴリー: F1 / インディカー