IMSA
米国・IMSAシリーズ第7戦がカナダのモスポート・パークで行われ、シリーズに参戦しているLEXUS RC F GT3が初のポールポジションを獲得。決勝では不運なトラブルに見舞われながらもこれまでの最高位タイとなる5位でフィニッシュした。

7月9日(日)カナダ・オンタリオ州ボウマンヴィルのカナディアン・タイヤ・モスポート・パークで、米国IMSA WeatherTech SportsCar Championshipシリーズ第7戦が2時間40分のセミ耐久レースとして行われた。

このIMSAシリーズのGTDクラスには、今季より新型の「LEXUS RC F GT3」が3GT Racingからフル参戦している。今大会は前戦ワトキンズ・グレンから僅か1週間というタイトスケジュールでの開催。LEXUS RC F GT3 14号車はセージ・カラムとスコット・プルエット、15号車はジャック・ホークスワースとロバート・アロンというレギュラーメンバーで出場した。

8日(土)予選の前に行われた練習走行で、ホークスワースの駆る15号車がクラッシュ。ホークスワースは無事だったが、車両は大きなダメージを負い、予選の出走は断念することとなった。
予選に出走した14号車はカラムがドライブ。カラムはこれまでのGTDクラスコースレコードを2秒近くも上回る好タイムを叩き出し、LEXUS RC F GT3が初のポールポジションを獲得した。

メカニックの夜を徹した懸命な作業により、15号車は9日(日)朝のウォームアップ走行までに車両の修復は完了。ウォームアップで15号車は、予選でチームメイトが更新したコースレコードに100分の3秒まで迫る好タイムをマークし、決勝での追い上げに期待がかかった。

午後0時7分、GTDクラスはポールポジションの14号車を先頭にスタートが切られた。14号車のスタートを担当したカラムは着実に後続を引き離していき、その差は9周目には約4秒まで広がった。14番手スタートとなった15号車も、じりじりとポジションを上げていき、アロンが19周目には11位まで浮上した。

14号車は燃料をセーブしながら35周目まで首位を走行、イエローコーションが出されたタイミングでピットへ向かい、プルエットへドライバー交代。しかし、このピットイン時に、14号車は2度にわたるストップ・アンド・ゴーを余儀なくされることに。2台共に最後のドライバー交代を行ってすぐに雨が降り始め、路面はウェットに。雨はまもなく止み、路面は乾いていったが、ドライバーはスリックタイヤのまま厳しいドライビングを強いられた。

レース終了間際にも再び雨が落ちてきて、他クラスの車両が激しいクラッシュを喫し、イエローコーションでのチェッカーという波乱の幕切れとなったが、14号車は5位までポジションを取り戻してフィニッシュ。前戦の15号車に続き、LEXUS RC F GT3にとっては2戦連続のトップ5フィニッシュ。今季3回の6位フィニッシュを果たしていた14号車にとっても初のトップ5となった。15号車は12位でチェッカーを受けた。

次戦第8戦は2週間後の7月22日(土)、コネチカット州レイクヴィルのライム・ロック・パークで2時間40分のセミ耐久レースとして行われる。

セージ・カラム (LEXUS RC F GT3 14号車)

間違いなく勝てると思っていました。第1スティントは可能な限り燃料をセーブしてトップでピットへ向かいました。マージンも充分あり、そのまま行けばトップで戻れると思っていました。しかし、不運にもピットストップ作業で時間をロスし、加えてペナルティまで受けることとなり、優勝争いから脱落してしまいました。12位までポジションを落とし、スコット(プルエット)へと交代したあとは、ダメージの影響を最小限にするべくコントロールしながらの走りを余儀なくされました。我々はポジションを取り戻すために全力を尽くしました。そのためにはイエローコーションが欲しかったのですが、今大会はほとんどコーションが出ず、永久にグリーンのまま進むかのように思われました。その後、私へと再度ドライバーチェンジしたまさにその時、雨が降り始め、チャンスだと思いました。私は雨の中でレースを戦うのが大好きです。スリックタイヤのまま濡れた路面で走るのは本当に大変ですが、私の好きなシチュエーションのひとつで、とても楽しいです。5位でフィニッシュ出来たことは大変喜んでいます。我々LEXUS RC F GT3 14号車にとっては今季ベストリザルトですし、チームのベストリザルトタイ記録でもあります。あと1周か2周あれば表彰台が狙えたと思いますが、我々は週末毎に着実に前進しています。

スコット・プルエット (LEXUS RC F GT3 14号車)

我々は良いスタートを切り、最初のピットストップまではセージ(カラム)が首位でレースをコントロールしていました。何が起こったのかは正確には分かりません。ジャッキアップ中にギアがバックに入りホイールが回ってしまったため、ストップ・アンド・ゴーのペナルティを科され、ピット作業時のミスも取られて再度のストップ・アンド・ゴーを余儀なくされてしまいました。しかし、そこからのリカバリーにおけるクルーの頑張りは誇るべきものでした。セージも素晴らしい走りを見せ、チームもポジション回復のために全力を尽くしてくれたおかげで、我々14号車にとってのベストリザルトを更新、これまでの6位が連続していた記録を破り、トップ5入りを果たせました。LEXUS RC F GT3のスピードは勇気づけられるものでしたし、これからも更なる努力を続けるだけです。我々は初のポールポジションを獲得し、速さを示しました。15号車と共に2台のLEXUS RC F GT3で前進を続けていますが、ようやくその努力が実を結びつつあるということでしょう。

ロバート・アロン(LEXUS RC F GT3 15号車)

我々は後方からのスタートを余儀なくされ、ペナルティも受けることになりましたが、それを除けば素晴らしいレースでした。私はスタートを担当し、幾つかポジションを上げて、レース中盤にジャック(ホークスワース)へと交代しました。彼も良い走りをしてくれるという自信もありました。何が起きたのかよく分かりませんが、ピット時にペナルティを受けることとなり、周回遅れとなってしまったので、そこからはあまり出来ることはありませんでした。

ジャック・ホークスワース(LEXUS RC F GT3 15号車)


まず何よりも最初に言っておきたいのは、結果よりも、夜を徹して車両を走れるようにしてくれたスタッフの素晴らしい仕事です。昨日激しくクラッシュした車両を完璧に修復するという、信じられない仕事をやってのけ、今朝のウォームアップではコースレコードに近いタイムで走れるまでにしてくれました。LEXUS RC F GT3はレースを通して速く、ペースも良かったのですが、結果には繋がりませんでした。今日はちょっと運に恵まれませんでした。ジャッキアップ時にタイヤが回ってしまったということでドライブスルーペナルティを科され、何台かにパスされましたが、その中に首位の車両が居たため、周回遅れとなってしまいました。その後、首位の車両をパスし、一旦はリードラップへと復帰しましたが、その後最後のピットストップで再び周回遅れとなりました。再度首位の車両に迫りましたが、抜くまでには至りませんでした。

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カテゴリー: F1 / IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権