2024年F1ハンガリーGP：WINNERS ＆ LOSERS
マクラーレンが2021年のモンツァ以来最高の結果を残していた一方、他のチームは、どうなっていたか思いを巡らせながらブダペストを後にした。Formula1.comのローレンス・バレットが、魅惑的なハンガリーグランプリの勝者と敗者を選出した。
勝者：オスカー・ピアストリ
オスカー・ピアストリは最近、何度か惜しいところで優勝を逃していたが、ハンガリーでは見事なスタートでリードを奪い、初のグランプリ優勝への扉が開かれた。
23歳のオーストラリア人ドライバーは、21世紀生まれ初のレースウィナーであり、F1で表彰台の頂点に立った5人目のオーストラリア人、そしてワールドチャンピオンシップグランプリで優勝した115人目のドライバーとなった。
これは、6レース中3回目の表彰台であり、過去3レースで2回目のトップ2フィニッシュとなった。ドライバーズランキング4位争いでは、カルロス・サインツに5ポイント差に迫っている。
オスカー。ピアストリはついにブダペストで初のF1優勝を果たした。敗者：マックス・フェルスタッペン
マックス・フェルスタッペンは、2021年シーズンの開幕3戦以来、最も厳しいレース展開を強いられている。シルバーストーンでは2位入賞を果たしたが、それ以外は5位入賞が2回にとどまっている。
ターン1でのルイス・ハミルトンとの接触は、3つのイベントで2度目の衝突となった（オーストリアではランド・ノリスと接触し、トップ争い中だった）。これにより、彼の無勝利記録は3つのグランプリに及んだ。
彼のチャンピオンシップでのリードは76ポイントに縮まり、これはまだかなりの差（グランプリ3勝分）ではあるが、スパでのホームレースを前に、彼には勢いがない。
マックス・フェルスタッペンにとっては計画通りには行かず、スペイン以来勝利がないままである。勝者：マクラーレン
マクラーレンが、戦略によって失ったリードをピアストリに返すというチームオーダーに従うようノリスに懇願したため、ピットウォールではかなりの緊張があったかもしれない。しかし、ブダペストを離れる際には、10年以上ぶりのフロントロー独占を1-2フィニッシュに変えた週末を振り返り、よくやったと評価できるだろう。
これはマクラーレンにとって49回目のワンツーフィニッシュであり、過去14年間で2回目であり、連続表彰台記録を9イベントに伸ばした。
彼らは当然のようにフェラーリを抜いてコンストラクターズ選手権で2位となり、現在首位のレッドブルとはわずか51ポイント差となっている。タイトル争いはいよいよ本格的に始まった。
マクラーレンはチャンピオンシップでレッドブルとの差を縮め、大量のポイントを獲得した。敗者：レッドブル
レッドブルでのセルジオ・ペレスの将来について多くの憶測が飛び交っている理由の一つは、彼の調子の悪さがチームのコンストラクターズタイトル防衛を深刻な危機にさらしているからだ。
確かに、メキシコ人ドライバーはブダペストで再びQ1敗退から立ち直り7位を獲得したが、特にフェルスタッペンが5位にとどまった週末においては、ペレスにははるかに良い結果が期待される。
昨年は13レースを終えて、レッドブルは540ポイントを獲得し、2位チームの2倍以上のポイントを獲得していた。今年は勢いが衰え、残り11戦を残してリードはわずか51ポイントとなっている。
勝者：ルイス・ハミルトン
ルイス・ハミルトンは再びF1を楽しんでいるようだ。7度の世界チャンピオンに輝いたハミルトンは、前回シルバーストーンで2021年以来の優勝を果たし、ハンガロリンクでも素晴らしい走りで3位に入った。
彼は、ハンガロリンクで3位を獲得し、通算200回目の表彰台（2位はミハエル・シューマッハの155回）を達成した史上初のドライバーとなった。
また、スペインとカナダでのレース以来、初めて2レース連続で表彰台に立った。この結果、ドライバーズランキングでチームメイトのジョージ・ラッセルとペレスを追い抜いた。
ルイス・ハミルトンはハンガリーでの激戦の末、再び表彰台を獲得した。敗者：ダニエル・リカルド
ダニエル・リカルドは、2024年シーズンで最もスムーズな週末のひとつを楽しんだ。予選では、変わりやすいコンディションの中、チームメイトの角田裕毅を1つ上回る9番手グリッドを獲得した。
しかし、チームはレース開始から間もない段階で彼をピットインさせ、トラフィックの多いコースに戻してしまったため、ポイント獲得の望みは絶たれてしまった。
オーストラリア人ドライバーが、一連の好成績によって来年もRBとともにレッドブル・ファミリーに留まれるだけでなく、ペレスがチームを離脱した場合にはシニアチームへの昇格争いに加われる可能性があることを知っている中での出来事だったため、当然ながらフラストレーションを感じていた。
ダニエル・リカルドはポイント圏内でスタートしたが、難しいレースの末にポイント圏内でフィニッシュすることはできなかった。勝者：角田裕毅
角田裕毅は予選でのクラッシュから復活し、懸命にマシンの修復に取り組んだメカニックたちの努力に報い、9位という素晴らしい成績でポイントを獲得した。
この日本人ドライバーは見事なタイヤ管理で唯一ワンストップでレースを終え、2戦連続のポイント獲得と今シーズン7度目の優勝への道を切り開いた。
この数ポイントのおかげで、RBはコンストラクターズ選手権6位争いでハースとのリードを6ポイントに広げた。
敗者：アルピーヌ
アルピーヌにとって、これは苦しい週末となった。予選で2台とも最下位という結果は、開幕戦バーレーン以来のことだった。
レースでも状況は改善されず、ポイント獲得圏内にいたピエール・ガスリーはリタイア、エステバン・オコンは18位という低い順位でチェッカーフラッグを受けた。
これで2戦連続でポイント獲得なしという結果に終わった。モナコ、カナダ、スペイン、オーストリアで築き上げた勢いが、にわかに失われつつあるようだ。
エステバン・オコンはグリッド最後尾からスタートし、日曜日のレースでも上位に食い込むことはできなかった。勝者：ランド・ノリス
もちろん、ランド・ノリスはグランプリの首位を譲るよう求められたことに腹を立てるだろう。そして、タイトル争いが勢いづき始めたら重要な7ポイントを失うことになる。しかし、チームプレーにおいては、それは彼のタイトル獲得への信頼を高めることにしか役立たない。
ノリスは、フェルスタッペンの5位に対して2位でフィニッシュし、フェルスタッペンとのリードを縮めた。これは偶然にも、ノリスにとっては5戦中4度目の表彰台だった。そして、シーズン後半にフェルスタッペンとタイトルを争うためにピアストリの助けが必要になった場合、彼はそれを得るだろうとわかっている。
マクラーレンチームがひとつのユニットとして機能していることは、ドライバーズとコンストラクターズの両方のチャンピオンシップで今年フェルスタッペンを打ち負かす最も効果的な方法であり、この英国人もそれを忘れないだろう。
敗者：セルヒオ・ペレス
オーバーテイクが非常に難しいコースでは、ペレスがグリッド16位からポイントを獲得するのは常に困難な作業になるだろうが、メキシコ人ドライバーは7位まで挽回する良い仕事をした。
それでも、フェルスタッペンが苦戦した週末、ペレスはレッドブルに対する自身の価値を証明するチャンスを逃した。
彼はこれで7回のグランプリでトップ6フィニッシュを逃している。ノリスがハンガリーで獲得したポイントは、ペレスが過去6回のレースで獲得したポイントの合計を上回っている。彼は次のスパでのレースで運命が好転することを期待している。
カテゴリー： F1 / F1ハンガリーGP
