F1ハンガリーGP | ハンガロリンク サーキット解説

1986年にカレンダーに登場したハンガリーGP。開催地であるハンガロリンクは、昨年、グランプリ30戦を開催した10番目のサーキットとなった。同地は、初GP前にわずか9カ月で完成し、F1の開催される常設コースとしては最も低速ながら、ドライバーからの評判は上々だ。
サーキットは14のコーナーで構成され、600m以上のストレートは1本のみと、ドライバーを苦しめるコース。また、真夏のレースとなるため、気温は35℃を超え、マシンと人の双方に限界を強いる。
真夏にシーズン中盤戦として行われるのが恒例となっているが、1992年のナイジェル・マンセルと2001年のミハエル・シューマッハは、チャンピオンシップを独走し、このハンガリーGPでタイトルを確定させている。
マクラーレンは、ハンガリーGPで11勝と過去30戦のうち3分の1以上を勝利で飾っている。なかでも、1988年にタイトル争いの真っただ中でのレースは印象的で、アイルトン・セナとアラン・プロストが熾烈な争いを繰り広げた。ポールポジションを獲得したセナに対して、プロストは予選7位。スタートからリードを広げにかかるセナだったが、プロストが猛烈な追い上げで2番手まで浮上。最後は0.5秒差まで迫り、マクラーレンが1-2フィニッシュを果たした。
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ハンガロリンク
| 全長 | 4.381㎞ |
|---|---|
| 2018ポールポジション | ルイス・ハミルトン 1分35秒658(ウエット) |
| 2018ファステストラップ | ダニエル・リカルド 1分20秒012 |
| ラップレコード | 1分19秒071 (ミハエル・シューマッハ、2004年) |
| エンジニアリング | 高速走行時の安定性が重要となる。特にセクター2には高速コーナーがあり、かなりのロングコーナーも存在するため、タイムアップにはマシンの応答性と、コーナー進入から脱出までバランスよく走れることが必要。 |
| ドライビング | ターン4の出口でどれだけ縁石に乗るかがカギ。全開で抜ける左コーナーだが、次に控える右コーナーに向けて左に寄っておきたい箇所。ターン4脱出時に縁石に乗りすぎると、その後激しくマシンを振って左寄せをせざるを得なくなる。また、昨年に再舗装が行われ路面はスムーズになったが、ターン5の中ほどにバンプが残っており、サスペンションが硬いとマシンが跳ね上がって大きなタイムロスにつながる。 |
| マシンセットアップ | ダウンフォースを最大にする。908mのメインストレート以外は、コーナーばかりのいわゆる“ツイスティ”なサーキット。14のコーナーのうち、5つが180度コーナーで、エイペックス(コーナー頂点)で時速200㎞を超えるのは2カ所しかないため、ダウンフォースが重要。 |
| グリップレベル | 中程度。昨年の再舗装でグリップが向上し、ウイークが進むにつれて路面が改善する度合いも比較的高い。年間通じてあまり多く使われているサーキットではないので、走行時間が増えて路面がキレイになり、ラバーが乗るとタイムが大きく向上する。 |
| タイヤ | スーパーソフト(赤)、ソフト(黄)、ミディアム(白) ※この組み合わせは今季5回目 |
| ターン1までの距離 | 610m(カレンダー中最長はバルセロナの730m) |
| 最長ストレート | 908m ※ターン1へ向かう直線 |
| トップスピード | 時速305㎞(ターン1への進入時) |
| スロットル全開率 | 55% ※カレンダー中最大はモンツァの75% |
| ブレーキ負荷 | 低い。大きなブレーキングポイントはターン1のみで、一周のうち14パーセントしかブレーキを使わない。 |
| 燃費 | 1周あたり1.5㎏を消費。燃費に優しい |
| ERSの影響 | 中程度。運動エネルギー回生を行えるブレーキングポイントが少ないため |
| ギアチェンジ | 48回/1ラップ、3360回/レース |
ハンガリーグランプリ
| 周回数 | 70ラップ |
|---|---|
| スタート時間 | 現地時間14時(日本時間21時) |
| グリッド | ポールポジションはコース左側で、グリップの高いレーシングライン上。ラインを外すとほこりや土があり、ターン1までの距離も長いのでアドバンテージは大きい。 |
| DRS | ゾーンは2つ。ターン1へ向かうピット前のストレートと、その後のターン2へ向かうストレート。 |
| ピットストップ | 昨年トップ10でフィニッシュしたドライバーは全員2ストップ作戦を採用。予選14番手のキミ・ライコネンはスタートでソフト、その後2スティントをスーパーソフトで走り、6位フィニッシュ。他のドライバーはその反対でスタートをスーパーソフト、2スティントをソフトで走った。今季はタイヤの持久力が伸びているため、30周前後でタイヤ交換を行い、1ストップにトライするチームがあるかもしれない。 |
| ピットレーン | 360m。1回のストップでのタイムロスは約19秒。 |
| セーフティカー | 出動率は10%。低速サーキットであり、アクシデントが起きても大きなデブリが飛ぶことは少ない |
| 注目ポイント | 一周の流れを左右するターン4。6速を使って時速225㎞で抜けていくブラインドコーナーで、進入は上り坂となっている。フロントのセッティングが決まり、ドライバーの意志が強ければスロットルを踏み込んでいけるポイント。 |
| 見どころ | 真夏の開催となるため、ドライバー、マシン双方に高い気温が負荷をかける。ロングストレートが1本しかなく、全開で走行できる時間が短いため、高温多湿のマレーシアよりも冷却が難しい。 |
カテゴリー: F1 / F1ハンガリーGP
