ニコ・ヒュルケンベルグのレース出場を奪ったのは1本のボルト
レーシング・ポイントでのニコ・ヒュルケンベルグの慌ただしいF1復帰は、クラッチの1本のボルトがせん断されていたことが原因で決勝グリッドに並ぶことなく終了した。
F1イギリスGPに先立った木曜日、レーシング・ポイントのレースドライバーを務めるセルジオ・ペレスが新型コロナウイルス検査で陽性反応が出たことで、レース欠場を余儀なくされた。
代役として白羽の矢が立ったのが、去年までルノーF1でレースをしていたニコ・ヒュルケンベルグだった。木曜日にチームから電話を受けたヒュルケンベルグは急遽シルバーストンに移動して深夜までシート合わせを行い、翌朝に45分間のシミュレーター作業を行っただけでフリー走行に出走。慣れないマシンでペースを発揮し、予選では13番グリッドを獲得していた。
しかし、スターティンググリッドに向かう時間になってもレーシング・ポイントのガレージからニコ・ヒュルケンベルグが出てくる気配はない。ピットレーンクローズの時間になっても問題は解決せず、チームはレース出場を断念。ジェットコースターのような週末はあっけない幕切れとなった。
レーシング・ポイントは、調査の結果、クラッチのボルトが緩んだことで、エンジンを始動させることができなかったと説明した。
「クラッチハウジングの中でボルトがせん断されてしまったようだ」とレーシング・ポイントのチーム代表を務めるオトマー・サフナウアーはコメント。
「そのボルトが引っかかってしまい、エンジンを回すことができなかった。抜けたボルトが詰まってしまったことで、エンジンを始動させることができなかった」
「原因を理解するにはまだ時期尚早だ。だが、せん断されていた。素材の問題なのか、オーバートルクによる問題なのかはわからない」
「これらのボルトは全て一定のトルクで締められていたはずだ。トルク比が適切でなかったり、オーバートルクで締め付けられていた場合、せん断する可能性がある」
「素材に関する製造上の問題かもしれないが、全てを調べてみるまでは分からない。根本的な原因を理解して、確実に修正する必要がある」
オトマー・サフナウアーは、このボルトはメルセデスから供給されたパッケージの一部だと語った。
「レーシング・ポイントが製造したパーツではない。メルセデスHPPもしくはメルセデスGP)から入手したパーツだ」
オトマー・サフナウアーは、急遽マシンに乗り込んだにも関わらず、ニコ・ヒュルケンベルグは速さをみせていたため、レースをスタートできなかったことにフラストレーションを感じていると語る。
「ニコがレースに出場していれば非常に有益だっただろう」とオトマー・サフナウアーはコメント。
「残念ながら、それは叶わなかった。彼は難しい状況のなかで素晴らしい仕事をしたと思う。本当にゼロからのスタートだった。冬のテストもなく、マシンを全く理解していなかった。彼が以前に乗ったクルマとはまったく別物だし、パワートレインも別だ」
「チーム自体は彼がここにいた時とよく似ている。彼のかつてのエンジニアは、ランス(ストロール)のマシンの面倒を見ている。そのため、別のエンジニアが担当した。だが、かつて一緒に働いていた残りのスタッフたちと一緒に仕事をしていた」
「彼の仕事は見事だった。彼は素早く学習し、予選で素晴らしい走りを見せた。レースに参加できなかったのはとにかく残念だ」
カテゴリー: F1 / ニコ・ヒュルケンベルグ / F1イギリスGP / レーシングポイント
F1イギリスGPに先立った木曜日、レーシング・ポイントのレースドライバーを務めるセルジオ・ペレスが新型コロナウイルス検査で陽性反応が出たことで、レース欠場を余儀なくされた。
代役として白羽の矢が立ったのが、去年までルノーF1でレースをしていたニコ・ヒュルケンベルグだった。木曜日にチームから電話を受けたヒュルケンベルグは急遽シルバーストンに移動して深夜までシート合わせを行い、翌朝に45分間のシミュレーター作業を行っただけでフリー走行に出走。慣れないマシンでペースを発揮し、予選では13番グリッドを獲得していた。
しかし、スターティンググリッドに向かう時間になってもレーシング・ポイントのガレージからニコ・ヒュルケンベルグが出てくる気配はない。ピットレーンクローズの時間になっても問題は解決せず、チームはレース出場を断念。ジェットコースターのような週末はあっけない幕切れとなった。
レーシング・ポイントは、調査の結果、クラッチのボルトが緩んだことで、エンジンを始動させることができなかったと説明した。
「クラッチハウジングの中でボルトがせん断されてしまったようだ」とレーシング・ポイントのチーム代表を務めるオトマー・サフナウアーはコメント。
「そのボルトが引っかかってしまい、エンジンを回すことができなかった。抜けたボルトが詰まってしまったことで、エンジンを始動させることができなかった」
「原因を理解するにはまだ時期尚早だ。だが、せん断されていた。素材の問題なのか、オーバートルクによる問題なのかはわからない」
「これらのボルトは全て一定のトルクで締められていたはずだ。トルク比が適切でなかったり、オーバートルクで締め付けられていた場合、せん断する可能性がある」
「素材に関する製造上の問題かもしれないが、全てを調べてみるまでは分からない。根本的な原因を理解して、確実に修正する必要がある」
オトマー・サフナウアーは、このボルトはメルセデスから供給されたパッケージの一部だと語った。
「レーシング・ポイントが製造したパーツではない。メルセデスHPPもしくはメルセデスGP)から入手したパーツだ」
オトマー・サフナウアーは、急遽マシンに乗り込んだにも関わらず、ニコ・ヒュルケンベルグは速さをみせていたため、レースをスタートできなかったことにフラストレーションを感じていると語る。
「ニコがレースに出場していれば非常に有益だっただろう」とオトマー・サフナウアーはコメント。
「残念ながら、それは叶わなかった。彼は難しい状況のなかで素晴らしい仕事をしたと思う。本当にゼロからのスタートだった。冬のテストもなく、マシンを全く理解していなかった。彼が以前に乗ったクルマとはまったく別物だし、パワートレインも別だ」
「チーム自体は彼がここにいた時とよく似ている。彼のかつてのエンジニアは、ランス(ストロール)のマシンの面倒を見ている。そのため、別のエンジニアが担当した。だが、かつて一緒に働いていた残りのスタッフたちと一緒に仕事をしていた」
「彼の仕事は見事だった。彼は素早く学習し、予選で素晴らしい走りを見せた。レースに参加できなかったのはとにかく残念だ」
カテゴリー: F1 / ニコ・ヒュルケンベルグ / F1イギリスGP / レーシングポイント