MotoGP ロードレース世界選手権
MotoGP チェコGPからの連戦となった第11戦オーストリアGPは、3戦連続今季5回目のポールポジションを獲得したマルク・マルケス(Repsol Honda Team)と、予選2番手のアンドレア・ドヴィツィオーゾ(ドゥカティ)の一騎打ちとなり、マルク・マルケスが2位でフィニッシュした。

序盤から中盤に掛けては、マルク・マルケスとチームメートのダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)、アンドレア・ドヴィツィオーゾ、ホルヘ・ロレンソ(ドゥカティ)、バレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)、マーベリック・ビニャーレス(ヤマハ)、ヨハン・ザルコ(ヤマハ)がトップグループを形成。マルク・マルケスは、12周目から17周目までトップを快走した。

その後、18周目以降は、マルケスとドヴィツィオーゾがグループから抜け出し、何度もポジションを入れ替えてトップ争いを行った。そして、昨年の大会でも優勝しているドゥカティを駆るドヴィツィオーゾが、コースとの相性のよさというアドバンテージを武器にマルケスを抑えて28周のレースを走り切った。

ドイツGP、チェコGP、そしてオーストリアGPの3連勝に闘志を燃やしたマルク・マルケス。最後は2位でチェッカーを受けて貴重な20ポイントを獲得した。これで総合首位をキープ。総合2位に浮上したアンドレア・ドヴィツィオーゾとの差は21点から16点になったが、総合3位で今大会6位のビニャーレスに24点差、総合4位で今大会7位のロッシに33点差とした。

その二人の優勝争いの背後に迫るも、終盤、その差を縮められなかったダニ・ペドロサが3位でフィニッシュ。これで3戦連続今季7回目の表彰台を獲得した。今大会はフリー走行で思うような走りが出来ず、その影響で予選8番手と厳しいグリッドからのスタートとなった。しかし、着実に追い上げてトップグループに加わり、3位でフィニッシュした。この結果、総合4位のバレンティーノ・ロッシと2点差。総合3位のマーベリック・ビニャーレスとの差を11点とした。

カル・クラッチロー(LCR Honda)は、予選9番手から決勝に挑んだが、オープニングラップで16番手、3周目で18番手までポジションを落とし、それからもペースが上げられず、15位でフィニッシュした。予選24番手のティト・ラバト(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)は、オープニングラップに他車と一緒にオーバランを喫して大きく遅れ、19位。チームメートのジャック・ミラーは、予選19番手から20周目には14番手を走行したが転倒を喫し、リタイアに終った。

マルク・マルケス(MotoGP 2位)

「昨日の夜は、最終コーナーをトップで戻ってこれなかったらどうしようと思うと、よく眠れませんでした。そして、実際にそうなってしまいました。 今日はドヴィツィオーゾが私たちより僅かに上回っていて、彼をパスするのは難しかったです。 レースでは常に自分のベストを尽くしました。本当に持てる全てを出し切っていて、何度もリアがスライドしました。 素晴らしいバトルでしたし、ドヴィツィオーゾはよく乗れていたので、勝利にふさわしかったと思います。 今回の2位は、いいことです。 去年非常に苦労したこのトラックで20ポイントを獲得できたのですから、本当に嬉しいです。 また、チャンピオンシップのために非常に重要なリザルトになります。 私たちのチームではチャンピオン獲得を実現するためのいいベースが見つかっていますし、どのような状況下でも着実に一歩ずつ、作業できています。 今日のレースの最後であのような走行ができたのも、マシンの感触がいいからです。 このような形で継続をして毎レース表彰台を獲得していくことが大切だと思います」

ダニ・ペドロサ(MotoGP 3位)

「フリー走行では散々苦労してQ1から走行しなくてはならず、予選が8番手に終わっていたことを考えると、今週をこのようなかたちで終えて表彰台を獲得できたことには、本当に本当に満足しています。 思っていたよりも速く走れることがわかったのは、レース中のことでした。フロントがロックするのと、リアのスピニングについては依然として問題を抱えていますが、レースの際の戦略はとても上手く行きました。最初はあまりアグレッシブに攻めず、燃料タンクが満タンのときには燃料を温存しつつ時間をかけ、その後で前方とのギャップを縮められるまでになってから、除々にペースを上げました。マルクとドヴィツィオーゾがバトルをして、ペースが落ちていたこともあります。 残念なことに、彼らに追いついたときにはスピンが何度も起きたのでリアタイヤが過熱して、それ以上はグリップも操縦性も得ることができませんでした。彼らと共にバトルをしたかったのですが、それが叶わなかったものの、今回の表彰台には満足しています。チームと自分の仕事を誇りに思います」

カル・クラッチロー(MotoGP 15位)

「レース中にいくつかトラブルがあったものの、フロントタイヤにハードを選択するというのは正しい選択でした。しかし、15位という結果は残念です。 去年はジャンプスタートによるピットレーンのライドスルーがありましたが、それでももっといい順位でした。 この週末を通じて最適なセッティングを見つけられず、6周で12秒も失ってしまいました。 また3回もコースオフし、スタートも邪魔されました。レースの最後になって単独走行をしたときにようやく、いい感触を得てペースもよくなりましたが、18周目になるまでは問題を抱えていたので、どうにもなりませんでした。しかし、言い訳はできません。週末を通じて上手く乗れていませんでしたが、感覚としては上位8位以内に入れたのではないかと感じています。自分の目標は上位6位以内でフィニッシュすることでしたが、そこから9位も下のポジションでした。次戦のレースでまた最善を尽くせるよう頑張ります」

ティト・ラバト(MotoGP 19位)

「自分が目標にしていたポイント獲得が難しいものであることは分かっていましたが、残念です。 最初の周回ではエスパルガロについて行こうとしましたが、彼がブレーキミスをして大回りをしてしまいました。そこで時間をロスし、集団から離れてしまいました。レース終了まで単独走行となりました。今はこの難しい状況下でも下を向かず、残りのレースに集中し続けることが大切だと思います」

ジャック・ミラー(MotoGP リタイア)

「20周目に転倒してしまうまで、レース展開は非常に上手くいっていました。レース序盤にはいいペースで走行していましたが、その後、リアのグリップを失い、最終セクターではタイヤがオーバーヒートしているような感覚がありました。第9コーナーの進入では、グリップを失っている兆候を感じました。そしてブレーキングの際にフロントに荷重がかかってしまい、肘で支えて持ちこたえようとはしたのですが、無駄に終わってしまいました。残念な終わり方でしたが、あの小さなミスまではしっかりとしたレースができていたと思います。次のシルバーストンに最高の状態で臨めることを楽しみにしています」

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カテゴリー: F1 / ホンダF1