ホンダF1がアストンマーティン向けPU改善へ 夏休み前後にアップグレード投入
ホンダF1は、アストンマーティン向けパワーユニットの性能向上に向けた開発を進めており、夏季シャットダウン前後を目標にアップグレード投入を計画している。開幕当初に発生した振動由来の信頼性問題への対応が進んだことで、現在はパフォーマンス向上へと開発の重点を移しつつある。

その第一歩として、今週末のモナコGPではドライバビリティ改善を投入する見込みだ。ホンダは燃焼効率向上やフリクション低減にも取り組んでおり、シーズン後半戦に向けて戦闘力強化を目指している。

モナコGPで重要となるドライバビリティ改善
ホンダF1のトラックサイド・ゼネラルマネージャー兼チーフエンジニアを務める折原伸太郎は、モナコGPに向けてドライバビリティ改善を最優先課題としていることを明かした。

「モナコではドライバビリティが非常に重要です」

「ポジティブな点として、我々はドライバビリティを改善する方法を見つけました」

「HRC Sakuraの開発拠点でモナコまでに改善を進める予定です。それが我々の主な目標です」

ドライバビリティ改善は単一の要素ではなく、エンジン制御全体の最適化によるものだという。

「例えばデータ設定やキャリブレーションです」

「点火時期やラムダ値(空燃比)、噴射タイミングなどです。ドライバビリティを制御するためのパラメータは数多くあります」

さらにホンダは、モナコ専用のエネルギーマネジメント最適化に向けて、アストンマーティン・テクノロジーキャンパスでドライバー・イン・ザ・ループ(DiL)シミュレーターを活用した専用セッションも実施した。

折原伸太郎は冷却面の課題についても説明した。

「冷却面では、モナコの低速区間が課題になります」

「クリーンエアでもトラフィックの中でもパワーユニットが適切に機能するよう、アストンマーティンやアラムコと協力して最適な冷却仕様を見つける必要があります」

夏休み前後に本格アップグレードを計画
短期的な改善とは別に、ホンダは本格的なエンジンアップグレード開発も進めている。

その中心となるのは燃焼効率の向上とフリクション(摩擦損失)の低減だ。

「我々は改善すべき点を把握しています」

「例えば燃焼面では改善に向けたアイデアがあり、ダイノのデータでもポジティブな兆候が見えています」

「また、性能向上のためにはフリクションを減らす必要があります。そのような課題リストを工場で管理しながら改善を続けています」

アップグレード投入時期について折原伸太郎は、シーズン終盤ではなく夏休み前後を目標にしていると説明した。

「エンジン開発は長期的な仕事ですが、シーズン終了間際にはなりません」

「夏季シャットダウンの頃には改善が見られるでしょう。それが我々の目標です」

アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム ホンダ技研工業

2027年開発への影響は限定的
FIAは現在、2027年以降に向けて内燃機関と電力の出力比率を現行の50対50から60対40へ変更する案を検討している。しかし、ホンダは最終的な結論にかかわらず開発方針は変わらないとの考えを示している。

「性能面では方向性は同じです」

「60対40でも50対50でも関係ありません。我々は燃焼性能を改善する必要があります」

「もし来年燃料流量が増えるのであれば追加のチューニングを行うだけです。しかし開発の方向性そのものは変わりません」

一方で、信頼性面では課題が残る可能性を認めた。

「燃料流量が増えた場合、信頼性の観点ではかなり難しくなるかもしれません。それが今回のレギュレーション変更で最も難しい部分です」

ホンダF1が狙う“第二段階”の競争力向上
開幕当初のホンダは、まず振動問題の解決にリソースを集中せざるを得なかった。そのため2026年シーズン前半はライバル勢に対して開発競争で後手に回っていた側面もある。

しかし現在は信頼性対策が一定の成果を上げたことで、燃焼効率向上やフリクション低減といった本来の性能開発へ軸足を移しつつある。モナコGPで投入されるドライバビリティ改善はその第一歩であり、本命となる夏休み前後のアップグレードに向けた布石とも言える。

アストンマーティンにとっては、シーズン後半戦に向けて戦闘力を引き上げる重要な局面となりそうだ。

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カテゴリー: F1 / アストンマーティンF1チーム / ホンダF1