エイドリアン・ニューウェイが現場復帰のF1モナコGPでライバル車を徹底観察

モナコでは数か月ぶりとなる公式インタビューに応じただけでなく、決勝前のグリッドでマクラーレンとアルピーヌのマシンを入念に観察する姿も目撃された。2026年シーズンの苦戦が続くアストンマーティンだが、ニューウェイは水面下で反攻に向けた準備を進めているようだ。
ニューウェイがマクラーレンとアルピーヌをチェック
PlanetF1.comの現地取材によると、ニューウェイは決勝スタート前のグリッドでランド・ノリスとオスカー・ピアストリのマクラーレンMCL40を観察した後、ピエール・ガスリーのアルピーヌA526にも目を向けていた。
F1史上最も成功したデザイナーとして知られるニューウェイは、以前から決勝前のグリッドでライバルマシンを研究することで有名だ。
マクラーレンには元レッドブルの同僚であるロブ・マーシャルが最高技術責任者兼チーフデザイナーとして在籍しており、ニューウェイが継続的に関心を寄せていることは広く知られている。
一方のアルピーヌも2026年に大きく飛躍したチームのひとつだ。ルノー製パワーユニットからメルセデス製へ切り替え、フェラーリとマクラーレンで技術責任者を務めたデビッド・サンチェスが設計を主導したA526は、開幕から安定してポイントを獲得している。
今季のアストンマーティンは後方グループで苦戦が続いているだけに、ニューウェイが競争力のあるライバル車を観察していたことは興味深い。
数か月ぶりの公式インタビュー
ニューウェイはモナコで、オーストラリアGP以来初めて公の場でメディア対応を行った。
シーズン開幕後はサーキットへの帯同を見送り、ファクトリーでAMR26の開発作業に集中していたという。
「戻ってこられてうれしい。メルボルン以来初めてのレースだ」
「ここ数か月はマシンの改良と、夏休み前には投入できる見込みのアップデートの開発に取り組んでいた」
ニューウェイはそう語り、アストンマーティンが大規模なアップグレードを準備していることを明かした。
場当たり的な開発をやめたアストンマーティン
アストンマーティンは2026年シーズン開幕から苦戦が続いている。
しかしニューウェイによれば、チームはメルボルンでの開幕戦後に開発方針を大きく変更したという。
「ドライバーたちにとっては長く厳しい期間だ」
「メルボルンの後、我々は小規模なアップデートを繰り返すのではなく、時間をかけてシステムを整備し、より慎重に研究を進める決断をした」
「メルボルンに向けてマシンを完成させることにあらゆることが急ぎ足だった」
「短期的な苦痛は受け入れよう。そしてアップデートを投入する時には大きな前進を果たしたいと考えた」
その結果として、アストンマーティンは現在の苦戦を受け入れながらも、大型アップデートによる一度の大きな改善を目指している。
ホンダもパワーユニットの改良を進行
ホンダ・レーシングの折原慎太郎はモナコGP前の取材で、パワーユニット開発の進捗について言及した。
折原慎太郎によれば、改善が必要な領域はすでに把握しており、現在はアップグレードに向けた開発作業を進めているという。
ただし、新しい仕様の投入にはシミュレーション、単気筒試験、V6全体の性能評価、信頼性確認など数多くの工程が必要となるため、実戦投入には時間を要する。
また、FIAによるレギュレーションの明確化も開発スケジュールに影響を与えているという。
投入時期について尋ねられた折原慎太郎は、具体的な時期には言及せず冗談交じりに次のように語った。
「難しいですね。夏と言いたいですが、どこの夏かは言えません」
「ギリシャの夏なのか、イギリスの夏なのか、日本の夏なのか。申し訳ありません」
反攻への準備は着実に進行
モナコGPではフェルナンド・アロンソが10位に入り、アストンマーティンは今季初ポイントを獲得した。
結果だけを見れば依然として厳しい状況にあるものの、ニューウェイの発言からはチームが短期的な結果よりも中長期的な再建を優先している姿勢がうかがえる。
そして決勝前のグリッドでは、ニューウェイ自身がマクラーレンやアルピーヌといった競争力のあるマシンを自らの目で観察していた。
夏休み前に予定される大型アップデートとホンダの開発計画が実を結ぶことができれば、アストンマーティンは後半戦に向けて大きな変化を見せる可能性がある。
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