ホンダF1 田辺TD 「レースでは何があるか分からないを象徴するレース」 F1ロシアGP 決勝後記者会見
ホンダF1のテクニカルディレクターを務める田辺豊治が、雨で波乱の展開となったF1ロシアGPの決勝を振り返った。

ホンダF1勢では、PU交換ペナルティで最後尾スタートとなったレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンが2位表彰台を獲得、チームメイトのセルジオ・ペレスが9位入賞と2台が入賞。アルファタウリ・ホンダの2台は入賞を逃したが、4台が完走した。

「いろいろと雨に翻弄され、ポジションを上げたドライバー、大きく落としたドライバーもいて、『レースでは何があるか分からない』ということを象徴するようなレースになりました」と田辺豊治は振り返る。

「マックス・フェルスタッペン選手は、チームとも話し合ってパワーユニット交換を選択したため、グリッド最後尾からスタートすることになりましたが、それを大きくはね返し、2位になった。ルイス・ハミルトン選手が優勝したため、ドライバーズチャンピオンシップでは2ポイント差で逆転されてしまいましたが、スタート順位を考えれば『とにかく獲れるだけポイントを』とレース前に話をしていたので、良い結果に終わったと思っています」

「セルジオ・ペレス選手は初日から力強い走りで終盤に雨が降るまでは3位を走っていました。最後の最後で雨が降り出したときにはタイヤ交換のタイミングが遅く9位と残念な結果に終わってしまいました」

「アルファタウリの2台は11番手と12番手からのスタートだったが、DRSトレインの中で我慢のレースを強いられました。雨の中でも、チーム側の選択で順位を落としてしまった。

「ここのところ何レースかきちんと最後まで走り切るレースができていなかったので、4台揃って完走できたのはいいことですが、明暗が分かれるレースになりました。次戦のトルコに向けて準備をして、しっかりとしたレースがしたいと思います。残り7戦となってしまいましたが、両チームともにポイントが獲得できるようにしていきたいです」

マックス・フェルスタッペンの最後尾から2位という結果は予想外かと質問された田辺豊治は「その通りです」とコメント。

「金曜日のドライでのメルセデスとのパフォーマンス差や、最近中団チームのパフォーマンスが上がっていることを考えれば、DRSトレインの中ではオーバーテイクできないと考えていました」

「そうした中で、どこまでリカバリーして選手権ポイントを加点できるのかというのがレース前のチームを含めての想定でした。それが2位まで行ったというのは、障害を乗り越えてマネージしたということで、雨を自分たちの方に取り込めたいいレースだったと思います」

ライバルであるバルテリ・ボッタスは、決勝前にエンジンとMGU-Hを交換して10グリッド降格ペナルティを受け、スターティンググリッドでマックス・フェルスタッペンの前を塞ぐかたちとなった。

その展開をレース前にどう考えていたかと質問された田辺豊治は「事情はどうであれ、前からスタートすることには変わりはない。『押さえられたままになってしまったら終わりだね』という話はしていました」

バルテリ・ボッタスは、エンジンを交換したのは、前戦F1イタリアGPで投入したエンジンが『終わってしまった』と発言している。その発言をどうとらえているのか。

「他メーカーのことですし、『終わった』という言葉の意味がよく分からないのでコメントしにくいですが、仮にそれがもう使えないという意味だとすれば、それで今回もう1台追加したという意味だと思います」と田辺豊治はコメント。

「しかし、そのせいでペナルティを受けるのはパワーユニットメーカーとしてはドライバーには申し訳ないことだと思います」

「ハミルトン選手のパワーユニットがどうなのかは、我々には分からないのでなんとも言えません」

このエントリーをはてなブックマークに追加

カテゴリー: F1 / ホンダF1 / レッドブル・レーシング / F1ロシアGP