ホンダF1、信頼性をアップデートした新スペックのエナジーストアを導入 / F1オランダGP
ホンダF1は、F1オランダGPの決勝にむけたセルジオ・ペレスのパワーユニット交換時に信頼性をアップデートしたエナジーストア(エネルギー貯蔵装置)を導入した。

ホンダF1は、F1オランダGPのレース前にセルジオ・ペレスのマシンに新たなパワーユニット(PU)を投入し、グリッド降格ペナルティーを受けた。

これは戦略的な理由によるもので、ハンガリーGPでのクラッシュによってPUがダメージを負っていたことや、予選16番手というグリッドなどの状況を総合的に判断して新コンポーネントの投入を決定した。

ただ、新コンポーネントのなかには、これまでとはスペックの異なるものもあったことから、レギュレーションにより、セルジオ・ペレスはピットレーンスタートとなった。

これについて、ホンダF1のテクニカルディレクターを務める田辺豊治がF1オランダGP後の記者会見で説明した。

「エナジーストアは新スペックを入れています。レギュレーション上、信頼性の懸念があるときに、FIAと他のパワーユニットマニファクチャラーの承諾を得たアップデートをする場合、シーズン中に一度だけ新スペックを導入できるということになっています」と田辺豊治はコメント。

「今回は信頼性の懸念がある場合のアップデートではなく、そのシーズン中に一度だけ導入できる新スペックに該当するエナジーストアを導入したため、ピットレーンスタートになりました」

一方、F1オランダGPの決勝では、角田裕毅のPUにデータ異常が見られ、ピットに戻ってそのままリタイアしている。

「ホンダとしては残念なことに、角田裕毅選手はパワーユニットのトラブルでリタイアに終わってしまい、申し訳なく思っています」と田辺豊治はコメント。

「しっかりと原因を解析して次のモンツアでのイタリアGPに備えたいと思っています」

トラブルの原因については「これから調べるので、現時点では分かりません」とした。

F1オランダGPでは、マックス・フェルスタッペンがポール・トゥ・ウィンで完勝。

次戦はF1イタリアGP。高速のモンツァ・サーキットが舞台となり、スプリント予選のフォーマットが採用される。

レッドブルのF1チーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーは「モンツァとソチ・オートドロームはメルセデスが得意としているサーキットなので、彼らにアドバンテージがあると思っている。チームとしては、ダメージを最小限に抑えて、マシンからできる限り多くを引き出すことが重要になる」と語っている。

田辺豊治は「予想するのは難しいレースになりますが、超高速サーキットで長いストレートが4本あり、シケインもあります。そうした特徴的なサーキットにどれだけうまく車体を含めたトータルのパッケージをセットアップすることができるのかが大事になります」とコメント。

「レッドブル側はあまり得意だとは思っていないという話もありますが、アルファタウリのガスリー選手は昨年のモンツアで優勝していることもあり、そこは楽しみだというコメントもしています」

「イタリアGPでは、土曜日にレース形式のスプリント予選があります。金曜日はFP1を走ってすぐに予選になるため、FP1の中でどれだけシミュレーションの再現や、うまくいっていないところなどを見ながら短い時間でセットアップできるかが肝になります」

「パワーユニット側でもきちんと準備をしていきレースに臨んでいきたいです」

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カテゴリー: F1 / ホンダF1 / F1オランダGP