ホンダF1、通算84勝目~11連勝を挙げた1988年以来の5連勝~
マックス・フェルスタッペンが“グランドスラム”を達成して3連勝。ホンダは11連勝を挙げた1988年以来の5連勝を果たす。
第9戦オーストリアGPは、レッドブル・レーシング・ホンダのマックス・フェルスタッペンが圧倒的なペースで3連勝を果たし、ホンダとしては1988年以来の5連勝を飾った。

全員がQ3に進出した予選結果により、ポールポジションのフェルスタッペンと3番グリッドのセルジオ・ペレスがミディアムタイヤ、6番手のピエール・ガスリーと7番手の角田裕毅のスクーデリア・アルファタウリ・ホンダ勢はソフトタイヤでのスタートとなった。

スタート直後はポジションを維持したホンダF1パワーユニット勢だったが、1周目にエステバン・オコン(アルピーヌ)がストップしたことで、セーフティカーが出動。そのリスタートで、ペレスは2番手のランド・ノリス(マクラーレン)に迫るが、ターン4で押し出されてコースアウト。10番手までポジションを落とし、その後ノリスには5秒のタイムペナルティーが科された。

ソフトタイヤのスクーデリア・アルファタウリ勢は、早めのタイヤ交換が必要となり、角田が12周目、ガスリーがその翌周にピットイン。ハードタイヤに交換しますが、角田はピット入口の白線をまたいでしまい、5秒のタイムペナルティーを受けると、ガスリーはピット作業に時間がかかり、どちらもタイムをロスしてしまう。

ミディアムタイヤでスタートしたレッドブル・レーシングの2人は、どちらも32周目にピットイン。フェルスタッペンは順調にリードを拡大する一方で、追い上げを期すペレスはシャルル・ルクレール(フェラーリ)と激しいバトルを繰り広げ、2度の接触を喫する。

この接触の原因を作ったとして、ペレスには2度のタイムペナルティーが科され、合計10秒が加算される。しかし、ペレスは追い上げを続け、53周目にダニエル・リカルド(マクラーレン)をオーバーテイク。このタイミングでピットインしたルイス・ハミルトン(メルセデス)の背後に迫り、4番手を目指して追撃するも、オーバーテイクには至らずチェッカーフラッグに。後方のカルロス・サインツ(フェラーリ)が10秒差以内に入ったことで、6位フィニッシュとなった。

フェルスタッペンはリードを拡大し続け、残り11周、首位の座を万全にした状態で2度目のピットイン。2番手のタイムに1.5秒以上の大差をつけてファステストラップをマークする。後続に17.9秒の差をつけてチェッカーフラッグを受け、ポールポジション、優勝、ファステストラップに全ラップリードを加えた“グランドスラム”を達成した。

スクーデリア・アルファタウリは、両ドライバーともに2ストップ戦略を採り、ガスリーが45周目にピットイン。トップ10圏内を目指して追い上げる。角田はその6周後にピットインするが、ここでもピット入口で白線をまたぎ、2度目の5秒ペナルティーを科されてポイント圏外へ後退する。

ガスリーは前方のリカルド、ルクレールに迫りながら9位でフィニッシュ。2ポイントを獲得した。角田はフィニッシュ後に5秒を加算され、12位が最終結果となった。

今大会の勝利が、ホンダとしてはF1通算84勝目。チャンピオンシップでのリードも拡大し、ドライバーズ部門ではフェルスタッペンが32ポイント差、コンストラクターズ部門でレッドブル・レーシングが44ポイント差をつけて首位に立っている。

今日のレース後の表彰台には、レッドブル・レーシングの計らいで、2019年のオーストリアGPと同様に、田辺豊治テクニカルディレクターが登壇。壇上のフェルスタッペン選手や、スタンドをオレンジに染めたフェルスタッペン選手の応援団とともに喜びを分かち合った。

次戦は2週間後の7月18日(日)に決勝を迎えるイギリスGP。レッドブル・レーシング、ホンダともに拠点を置く地元での戦いで、再びのホームグランプリとなる。また、スプリントレース形式の予選が実施されるなど、新しいフォーマットで初めての大会となる。



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カテゴリー: F1 / ホンダF1 / F1オーストリアGP