ホンダF1:2021年 第4戦 F1スペインGP プレビュー
2021年のF1世界選手権 第4戦 F1スペインGPは、プレシーズンテストの舞台としてF1ではおなじみのバルセロナ、カタルニア・サーキットで開催される。
2021年はコロナ禍によるスケジュール変更の影響もあり、プレシーズンテストはバーレーンで3日間の実施となった。このシーズンオフに、カタルニア・サーキットはレイアウト変更が行われており、各チームともにデータ収集を行いながら習熟を深めていくことになる。
昨年のF1スペインGPは、マックス・フェルスタッペンがメルセデス勢の間に割って入る2位フィニッシュ。3位のバルテリ・ボッタスに20秒以上の差を付けた。
サーキットは海岸からほど近く、強い風がさまざまな方向から吹く。比較的ダウンフォースが多くなるコースでもあり、風の影響がマシンの挙動を不安定にする要因となり得る。
ホンダF1としては今回も通算80勝目をかけたレースになる。地中海の日差しが降り注ぐ風光明媚なサーキットで、マイルストーンとなる記録を更新できるよう、2つのチームとともに全力でレースに向かう。
田辺豊治(ホンダF1 テクニカルディレクター)
「先日のポルトガルでのレースに続き、今週末にはスペイン・バルセロナにあるカタルニア・サーキットで第4戦が開催されます。今年初の2週連続のレースに向けて、チームは慌ただしい移動を経て週末のレース準備に入りました。今年はコロナ禍の影響によりバーレーンでのプレシーズンテスト開催となりましたが、例年はここバルセロナで新車の本格的なテストを行っています。そのため、我々も含め、どのチームもこのサーキットを熟知し、多くの走行データを保有しています。各チームがベンチマークとしているこのサーキットを走ることから、この先シーズンを戦う各サーキットでの自分たちのマシンの得手不得手などを予測し、開発の方向性の検討にも役立つと考えています。レッドブル・レーシング・ホンダ、スクーデリア・アルファタウリ・ホンダともに3戦を終えた現時点では昨年よりパフォーマンスが向上していると思っていますが、またここで戦うことから、さらに自分たちのマシンの理解を進め、シーズンを通してのパフォーマンス向上に努めていきます。また、ポルトガルでは3日間、PUとしてはトラブルフリーでした。戦闘力が拮抗している中で、この先のレースでミスやトラブルで足を引っ張ることがないように、ここからも入念に準備を進めます。加えて、PUのキャリブレーションやエネルギーマネージメントに関して、持てるポテンシャルを最大限発揮してベストな結果を得られるよう、過去に蓄積してきたカタルニア・サーキットのデータとここまでの3戦で得たデータを再度レビューした上で、最適化を進めます。ここからさらにもう一歩、前に進めるようなシーズンにするために、チームと一緒に全力で準備をして今週末に臨みます」
マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング・ホンダ)
「正直、レッドブルとの100レースはあっという間だったし、そんなに多くのレースをしていたとは知らなかった! 僕も年を取ったに違いない(笑)チームの一員であることを楽しんでいる。チーム全体の雰囲気は素晴らしいし、ここは全員のポチベーションとエネルギーで満ち溢れている。僕たちは本当に良い仕事上の関係を築いているけど、それ以外にもオフトラックでとてもうまくやれているし、とても楽しい。僕にとってチームの一員であることはとても素晴らしいことだし、もっと長い年月を過ごせることを願っている。バルセロナは僕にとっていつまでも特別な思い出になるだろう。F1初勝利はかなり感情的なものだ。特にチームでのデビュー戦だったのでみんなにとってちょっと衝撃だったね。僕はそれほど感情的になることはないんだけど、あの日は泣きそうだったし、父もそうだった。F1にたどり着くまでのすべてが頭の中でフラッシュバックした。すべてが簡単だったわけではないし、人々にはかなり簡単に勝ったように映ったかもしれないけど、そこにたどり着くためには大変な努力をしなければならない。すべての若いドライバーと同じように、僕たちは長い時間家を離れて、ヨーロッパ中を運転して、可能な限り懸命に仕事をしてきた。もちろん、父親からの大きな助けがあったし、僕のためにとてもいい準備を整えてくれたけど、F1に到達できるという保証はない。でも、家族としてそれがずっと目標だった。勝利の後、突然そういったすべてが頭の中にフラッシュバックしたし、信じられないような一日だった。何度も言うようだけど、初勝利は衝撃的だったし、誰も予想していなかったので、決して忘れることのない一日だ。僕と一緒に仕事をして、あのような若い年齢でその地点に到達させてくれたすべての人にとても感謝している。僕たちにとって良いトラックだと思うけど、メルセデスも非常に速いと思う。再び非常に僅差の戦いになるだろうし、誰が最適なセットアップを見つけるかにかかってくると思う。グリップレベルという点でバルセロナはポルトガルと違って通常のトラックであることは分かっているので、再びマシンのリアルなペースを見ることができるはずだ。バルセロナは本当に良いトラックだし、僕たち全員が熟知している。シーズン序盤に父と一緒にGTカーで走ってトラックを楽しんだ。戻れてうれしいよ。僕たちはメルセデスと開発レースをしているし、残りのシーズンでこのレベルを維持して、毎週末、改善を続けていかなければならない。たとえ勝ったとしても、レース週末から学べることはまだたくさんある。完璧なものなどないし、僕たちは戦いに留まるためにあらゆる面に目を向けている」
セルジオ・ペレス(レッドブル・レーシング・ホンダ)
「イモラとポルトガルは非常に複雑なレースだったけど、多くのことを学んだ。僕たちはリーダーグループと同じペースで走っていたし、いくつかの良いポイントを獲得できる、良くなっていくだけだ。ここにいる期間は短いけど、ここに到着してから、雰囲気は変わっていない。チーム全体が、レースに勝ってチャンピンオンシップを目指すという同じ目標に向かって頑張っている。僕が慣れてきたものとは完全に異なるし、モチベーションは本当に高い。ここに居て、この取り組みの一員であることをとても嬉しく思っている。このチームを失望させたくない。僕たちは最初から戦えるはずだ。非常に特殊なトラックで、コーナーが非常に遅く、ターン3とターン9が高速コーナーであるため、適切なバランスを見つけ、右側のタイヤを労わることがここでは重要だ。風も考慮すべきだ。非常にトリッキーなサーキットだけど、言ったように、僕たちは最初から競争力を持ち、勝利のために戦えるはずだ。2011年にF1で最初のポイントを獲得した特別な場所だ。レッドブルでの最初の表彰台を獲得する場所になるかもしれない。予選が非常に重要なコースだし、このチャレンジの準備ができていると確信している。今年は通常の冬のテストがなく、昨年は5月の通常のコースコンディションとは異なっていた。 RB16Bがそこで何ができるのか本当に興味がある。去年は、新型コロナウイルスに感染してから初めて走ったレースで良い結果を出せたし、ドライブを楽しんでいるトラックだ。オフシーズンでやった仕事が出てくる時期だ。今年は今までにないくらい準備をしてきたので、特にベストな結果が出なかった後は、心の準備が必要だと思う。ページをすばやくめくり、仕事に戻る準備をすることが重要だ。去年はトリプルヘッダーがあり、もちろん、それは非常に厳しいものだったけど、ガレージのチームにとってダブルヘッダーとトリプルヘッダーは難しく、家族と離れて多くの時間を費やさなければならない。僕はいつも彼らに申し訳なく思っている。でも、僕たちはプロであり、確実に準備はできている」
ピエール・ガスリー(スクーデリア・アルファタウリ・ホンダ)
「バルセロナでマシンの向上具合をウインターテストと比較しないというのは初めての経験になる。決勝でのオーバーテイクが簡単にはいかないけど、悪くないコースだ。予選がとても重要になるけど、これまで土曜に上手くやれている点は心強い。ただ、日曜のレースでのパフォーマンスをもっと向上させることに集中していかなければならない。今年はヘアピンのコースレイアウトが変更されたので、それがどんな影響を見せるのか興味深い。シーズン序盤のレースでマシンはうまく機能しているように見えるけど、バルセロナはマシンの素性をテストするのに適していると言われている。シーズン4戦目となるので、さまざまなタイプのサーキットでどんなパフォーマンスになるかはつかめる頃だし、他のチームとの比較も分かっているはずだ。僕たちにとっての現時点のカギは、好調な予選をより多くのポイントにつなげていくことだ」
角田裕毅(スクーデリア・アルファタウリ・ホンダ)
「昨年、バルセロナで開催されたF2では、両レースで4位に入りました。このコースではタイヤマネージメントが重要で、予選でもいいラップタイムを出すために、セクター1でタイヤを傷めてセクター3でタイヤが使えなくなる事態を避けなくてはいけません。このコースは好きなので、F1マシンでの初走行を楽しみにしています。コースはよく分かっており、FP1の初めから速く走れる自信があります」
カテゴリー: F1 / ホンダF1 / F1スペインGP
2021年はコロナ禍によるスケジュール変更の影響もあり、プレシーズンテストはバーレーンで3日間の実施となった。このシーズンオフに、カタルニア・サーキットはレイアウト変更が行われており、各チームともにデータ収集を行いながら習熟を深めていくことになる。
昨年のF1スペインGPは、マックス・フェルスタッペンがメルセデス勢の間に割って入る2位フィニッシュ。3位のバルテリ・ボッタスに20秒以上の差を付けた。
サーキットは海岸からほど近く、強い風がさまざまな方向から吹く。比較的ダウンフォースが多くなるコースでもあり、風の影響がマシンの挙動を不安定にする要因となり得る。
ホンダF1としては今回も通算80勝目をかけたレースになる。地中海の日差しが降り注ぐ風光明媚なサーキットで、マイルストーンとなる記録を更新できるよう、2つのチームとともに全力でレースに向かう。
田辺豊治(ホンダF1 テクニカルディレクター)
「先日のポルトガルでのレースに続き、今週末にはスペイン・バルセロナにあるカタルニア・サーキットで第4戦が開催されます。今年初の2週連続のレースに向けて、チームは慌ただしい移動を経て週末のレース準備に入りました。今年はコロナ禍の影響によりバーレーンでのプレシーズンテスト開催となりましたが、例年はここバルセロナで新車の本格的なテストを行っています。そのため、我々も含め、どのチームもこのサーキットを熟知し、多くの走行データを保有しています。各チームがベンチマークとしているこのサーキットを走ることから、この先シーズンを戦う各サーキットでの自分たちのマシンの得手不得手などを予測し、開発の方向性の検討にも役立つと考えています。レッドブル・レーシング・ホンダ、スクーデリア・アルファタウリ・ホンダともに3戦を終えた現時点では昨年よりパフォーマンスが向上していると思っていますが、またここで戦うことから、さらに自分たちのマシンの理解を進め、シーズンを通してのパフォーマンス向上に努めていきます。また、ポルトガルでは3日間、PUとしてはトラブルフリーでした。戦闘力が拮抗している中で、この先のレースでミスやトラブルで足を引っ張ることがないように、ここからも入念に準備を進めます。加えて、PUのキャリブレーションやエネルギーマネージメントに関して、持てるポテンシャルを最大限発揮してベストな結果を得られるよう、過去に蓄積してきたカタルニア・サーキットのデータとここまでの3戦で得たデータを再度レビューした上で、最適化を進めます。ここからさらにもう一歩、前に進めるようなシーズンにするために、チームと一緒に全力で準備をして今週末に臨みます」
マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング・ホンダ)
「正直、レッドブルとの100レースはあっという間だったし、そんなに多くのレースをしていたとは知らなかった! 僕も年を取ったに違いない(笑)チームの一員であることを楽しんでいる。チーム全体の雰囲気は素晴らしいし、ここは全員のポチベーションとエネルギーで満ち溢れている。僕たちは本当に良い仕事上の関係を築いているけど、それ以外にもオフトラックでとてもうまくやれているし、とても楽しい。僕にとってチームの一員であることはとても素晴らしいことだし、もっと長い年月を過ごせることを願っている。バルセロナは僕にとっていつまでも特別な思い出になるだろう。F1初勝利はかなり感情的なものだ。特にチームでのデビュー戦だったのでみんなにとってちょっと衝撃だったね。僕はそれほど感情的になることはないんだけど、あの日は泣きそうだったし、父もそうだった。F1にたどり着くまでのすべてが頭の中でフラッシュバックした。すべてが簡単だったわけではないし、人々にはかなり簡単に勝ったように映ったかもしれないけど、そこにたどり着くためには大変な努力をしなければならない。すべての若いドライバーと同じように、僕たちは長い時間家を離れて、ヨーロッパ中を運転して、可能な限り懸命に仕事をしてきた。もちろん、父親からの大きな助けがあったし、僕のためにとてもいい準備を整えてくれたけど、F1に到達できるという保証はない。でも、家族としてそれがずっと目標だった。勝利の後、突然そういったすべてが頭の中にフラッシュバックしたし、信じられないような一日だった。何度も言うようだけど、初勝利は衝撃的だったし、誰も予想していなかったので、決して忘れることのない一日だ。僕と一緒に仕事をして、あのような若い年齢でその地点に到達させてくれたすべての人にとても感謝している。僕たちにとって良いトラックだと思うけど、メルセデスも非常に速いと思う。再び非常に僅差の戦いになるだろうし、誰が最適なセットアップを見つけるかにかかってくると思う。グリップレベルという点でバルセロナはポルトガルと違って通常のトラックであることは分かっているので、再びマシンのリアルなペースを見ることができるはずだ。バルセロナは本当に良いトラックだし、僕たち全員が熟知している。シーズン序盤に父と一緒にGTカーで走ってトラックを楽しんだ。戻れてうれしいよ。僕たちはメルセデスと開発レースをしているし、残りのシーズンでこのレベルを維持して、毎週末、改善を続けていかなければならない。たとえ勝ったとしても、レース週末から学べることはまだたくさんある。完璧なものなどないし、僕たちは戦いに留まるためにあらゆる面に目を向けている」
セルジオ・ペレス(レッドブル・レーシング・ホンダ)
「イモラとポルトガルは非常に複雑なレースだったけど、多くのことを学んだ。僕たちはリーダーグループと同じペースで走っていたし、いくつかの良いポイントを獲得できる、良くなっていくだけだ。ここにいる期間は短いけど、ここに到着してから、雰囲気は変わっていない。チーム全体が、レースに勝ってチャンピンオンシップを目指すという同じ目標に向かって頑張っている。僕が慣れてきたものとは完全に異なるし、モチベーションは本当に高い。ここに居て、この取り組みの一員であることをとても嬉しく思っている。このチームを失望させたくない。僕たちは最初から戦えるはずだ。非常に特殊なトラックで、コーナーが非常に遅く、ターン3とターン9が高速コーナーであるため、適切なバランスを見つけ、右側のタイヤを労わることがここでは重要だ。風も考慮すべきだ。非常にトリッキーなサーキットだけど、言ったように、僕たちは最初から競争力を持ち、勝利のために戦えるはずだ。2011年にF1で最初のポイントを獲得した特別な場所だ。レッドブルでの最初の表彰台を獲得する場所になるかもしれない。予選が非常に重要なコースだし、このチャレンジの準備ができていると確信している。今年は通常の冬のテストがなく、昨年は5月の通常のコースコンディションとは異なっていた。 RB16Bがそこで何ができるのか本当に興味がある。去年は、新型コロナウイルスに感染してから初めて走ったレースで良い結果を出せたし、ドライブを楽しんでいるトラックだ。オフシーズンでやった仕事が出てくる時期だ。今年は今までにないくらい準備をしてきたので、特にベストな結果が出なかった後は、心の準備が必要だと思う。ページをすばやくめくり、仕事に戻る準備をすることが重要だ。去年はトリプルヘッダーがあり、もちろん、それは非常に厳しいものだったけど、ガレージのチームにとってダブルヘッダーとトリプルヘッダーは難しく、家族と離れて多くの時間を費やさなければならない。僕はいつも彼らに申し訳なく思っている。でも、僕たちはプロであり、確実に準備はできている」
ピエール・ガスリー(スクーデリア・アルファタウリ・ホンダ)
「バルセロナでマシンの向上具合をウインターテストと比較しないというのは初めての経験になる。決勝でのオーバーテイクが簡単にはいかないけど、悪くないコースだ。予選がとても重要になるけど、これまで土曜に上手くやれている点は心強い。ただ、日曜のレースでのパフォーマンスをもっと向上させることに集中していかなければならない。今年はヘアピンのコースレイアウトが変更されたので、それがどんな影響を見せるのか興味深い。シーズン序盤のレースでマシンはうまく機能しているように見えるけど、バルセロナはマシンの素性をテストするのに適していると言われている。シーズン4戦目となるので、さまざまなタイプのサーキットでどんなパフォーマンスになるかはつかめる頃だし、他のチームとの比較も分かっているはずだ。僕たちにとっての現時点のカギは、好調な予選をより多くのポイントにつなげていくことだ」
角田裕毅(スクーデリア・アルファタウリ・ホンダ)
「昨年、バルセロナで開催されたF2では、両レースで4位に入りました。このコースではタイヤマネージメントが重要で、予選でもいいラップタイムを出すために、セクター1でタイヤを傷めてセクター3でタイヤが使えなくなる事態を避けなくてはいけません。このコースは好きなので、F1マシンでの初走行を楽しみにしています。コースはよく分かっており、FP1の初めから速く走れる自信があります」
カテゴリー: F1 / ホンダF1 / F1スペインGP