ホンダF1:2020年 第14戦 F1トルコGP 金曜フリー走行レポート
2011年以来の開催となるF1トルコGPが、インタンブール・パーク・サーキットで始まった。新しく路面舗装が施され、またFP開始前に清掃のために水が撒かれたことも影響し、特に午前は非常に滑りやすい中でのセッションになった。

レッドブル・レーシング と アルファタウリ・ホンダ の両チームにとって、チャレンジングなレースウイークの幕開けとなった初日は、マックス・フェルスタッペンが2つのセッションでトップタイムと、幸先のよいスタートとなった。

マックス・フェルスタッペンが「氷の上で走っているようだ」と表現したFP1では、セッションを通して状況が改善されることはなかった。セッション終了時のタイムは、スリックタイヤでの走行だったのにも関わらず、レースウイーク前に想定されていたタイムより15秒もかけ離れたタイムとった。しかしその中でもタイムシートの上位に並んだのは、セッションのトップタイムをマークしたフェルスタッペンをはじめ、ホンダF1のPUを搭載した4台のマシンだった。 アレクサンダー・アルボンが続いて2番手をマークし、このトルコGPで通算300回目のGP参戦となるレッドブル・レーシングはセッションの1-2を独占した。続いてアルファタウリ・ホンダのピエール・ガスリーが4番手、そしてダニール・クビアトが6番手と続く好調を見せた。

FP1の走行後にラバーが乗り始めた路面は、FP2時にはコンディションが劇的に好転し、ソフトコンパウンドでの走行では約7秒近く速いタイムが計測された。アルボンが幾度かトップタイムをマークしながら進んだFP2だったが、最後はフェルスタッペンがFP1に続いてトップタイムをマーク。最終的にアルボンは5番手、続いてクビアト6番手、ガスリーが7番手で初日のセッションを終えた。

明日は雨の予報もあり、今朝のように再びグリップレベルが下がることも予想されている。いつもと違う状況の中で行われた練習走行の日となったが、ホンダF1は得られたデータをもとにできる限りの改善を行い、土曜日に行われる予選に向けてマシンとPUの最適化を行っていく。

田辺豊治(ホンダF1 テクニカルディレクター)
「今日のトルコGP初日は路面温度が上がらないことに加えて、舗装が新しいことが影響し、非常に滑りやすい路面に苦労した一日になりました。チームも我々もマシンの状況に合わせて対応を行いながらの走行となりましたが、2チーム、4台問題なく走行し、現行のハイブリッドレギュレーションでの走行が初となる中で、多くのデータを収集することができました。明日のFP3でもまだまだコンディションの変化が予想されますので、そのデータを反映し、予選・レースに臨みます。時折、雨の降るような予報も出ていますので、どのような状況にもフレキシブルに対応できるよう、チームと万全の準備を進めていきます」

マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)
「マシンの調子もよさそうですし、今日はポジティブな一日になり満足しています。このレースウイークに向けていい準備はできたのですが、今日はそれ以上に路面コンディションに対応していかなくてはなりませんでした。路面はとても滑りやすく大変でしたが、それは誰にとっても同じ状況なので、どう対応していくかが大事です。しかし。今日のセッションのタイムでは、このサーキットでの理想的なタイムにはまだ5秒ほど足りていないと思います。明日は雨が降ってしまうと、スパイクが必要なぐらいになってしまうので、できればドライになってほしいです。ソフトタイヤでの走行時にタイムを伸ばすことはできましたが、タイヤの柔らかさで違いが出たわけではなく、走行を重ねてターマックのグリップ力が上がっただけだと思います。きっと明日はメルセデスがタイムをまとめてくると思いますが、予選と決勝でいい戦いができるように準備して明日を迎えたいと思います」

アレクサンダー・アルボン(レッドブル・レーシング)
「新しいサーキットを走るのはいつでも楽しく、今日は結果もポジティブな一日になりました。FP1とFP2が行われましたが、まるでアイスリンクの上を走行しているようで、ドリフトカーを運転しているようなおかしな感覚で走行をしていました。マシンがスライドしながらの走行は、もちろん楽しいのですが、F1マシンに乗っている感覚ではありません。タイヤを機能させるために、通常の許容範囲よりさらにプッシュする必要がありましたが、それはそれで仕方ないと思います。グリップを上げるためにソフトタイヤに履き替えて試しましたが、期待していたほどの効果はありませんでした。予選までにチームがどのように改善できるかまだ予想がつきません。決勝では皆がソフトタイヤを装着し、燃料を積んで長距離を走り切る、というのが最善な策と考えているような気がします。明日予報されているコンディションを元に、今夜準備をして明日を迎えたいと思います。何が起こるか分からない予選日となりそうですが、今日はポジティブな一日にすることができました」

ダニール・クビアト(アルファタウリ・ホンダ)
「初めてのサーキットでの初日は、予定していた走行プログラムを完了することができ、とても有益な一日になりました。今日は特にグリップ力が低い一日でしたが、このようなコンディションでどうやってマシンを速く走らせることができるかを理解し、学ぶことができました。グリップ力には悩まされるものの、このサーキットはとても楽しいコースだと思います。明日マシンのポテンシャルを最大限に引き出せるよう、今夜チームと共に解析に努めます」

ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)
「今朝走行を開始した時、あまりに滑る路面にとても驚きました。しかしこのようなコンディションの中での走行は、とても楽しかったです。F1マシンを今日のようなグリップ力が低いコンディションで走行するのは、通常ではなかなかありません。このレースウイークについては、(路面の状況を鑑みて)マシンのセットアップ面や戦略をもう一度練り直す必要があると思います。マシンのパフォーマンス面での感触はとてもいいので、明日十分に戦えるように一つひとつを完璧に仕上げて明日を迎えられるように準備していきます」

このエントリーをはてなブックマークに追加

カテゴリー: F1 / ホンダF1 / レッドブル・レーシング / F1トルコGP / スクーデリア・アルファタウリ