ホンダ、F1撤退後の2022年以降もレッドブルに協力?それでいいのか?
レッドブルは、ホンダが2021年シーズン限りでF1から撤退した後、ホンダF1の知的財産を買い取ってエンジンを使い続けるというアイデアがあることを明らかにしている。ホンダもできる限り協力していきたいと現時点で語っているが本当にそれいいのだろうか?

ホンダは10月2日(金)に2021年シーズン限りでF1から撤退することを発表。2050年のカーボンニュートラルの実現を目標に掲げ、F1に投入していたリソースを集中させると発表。F1活動の『終了』という言葉を使用して、「再参戦は考えていない」とした。

この決定によって、ワークスパートナーとして活動してきたレッドブルとアルファタウリは2022年からF1エンジンがない状況となる。

レッドブルF1のモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコは、2022年にF1エンジンの開発が凍結されれば、開発する必要がなくなるため、ホンダF1の知的財産を引き継いで来季型のエンジンを継続使用する可能性があると語っている。

ホンダF1のマネージングディレクターを務める山本雅史は“個人的”な意見として「彼らが何らかの形で我々を必要とする場合、それがパワーユニットだけでなく、他のことであっても、ホンダは彼らと喜んで話をします」は語っている。

「形はどうあれ、アルファタウリとレッドブルの2021年以降のプログラムをサポートするということに関して、我々は喜んで協力します。ホンダとして両チームからたくさんのものをもらいました。将来、それを何らかの形で返したいと思っています」

ホンダは10月16日(金)にオンライン記者会見を開き、ブランドコミュニケーション本部の本部長を務める渡辺康治が出席。ホンダのF1活動終了について改めて語った。

その中で2020年以降のレッドブルとの関係について質問された渡辺康治はまだレッドブルから何に依頼もないとしながらもホンダとして「協力できるのであれば協力する」というスタンスだと語り、「新しいパワーユニットが導入される2026年以降も要請があれば一緒にやっていきたい」と語った。

だが、果たしてそれでいいのだろうか?

ある意味、ホンダは2015年に“今回は撤退はない”としてスタートした第4期のF1活動を終了することでファンを裏切り、F1で戦うホンダと同じ夢を見るために入社してきた社員も裏切った。

そして、カーボンニュートラルの実現というF1と“同じレベル”の大変な挑戦に舵を切ると語った。

それなのに2022年もレッドブルに協力するかたちでF1に関わっていくのだろうか? 現在、レッドブルと仕事をしているスタッフが個人的に協力したいという気持ちがあるのは十分に理解できる。しかし、会社として“終了”という決断をしたにも関わらず、影で続けていくようなことをしてもいいのだろうか? 社員は納得するのだろうか。

海外メディアが噂するように“無限ホンダ”のバッチを貼ったエンジンでレッドブルがタイトルを獲るようなことがあれば、それは素晴らしいストーリーだが、何も中身のないことだ。

あくまで憶測だが、ホンダには久々の日本人F1ドライバーとして期待がかかる角田裕毅がいる。レッドブルは交換条件としてホンダF1の知的財産を二束三文で買い取り、エンジンは以前のようにタグホイヤー等のバッチを貼ることでホンダのF1エンジンであることを隠し、日本人の義理人情に厚い優しさに付け込んで、ただ働き同然でサポートを求めてくるのではないだろう。そして、2026年に新しいメーカーが参入した段階でホンダを切り捨てる。与えられた恩を返すのは大切なことだが、F1はドライな契約社会だ。

新たな目標を表現し、F1を『終了』と決めたのであれば、中途半端に続けるべきではない。また、角田裕毅にはそんな状況に振り回されずにF1で地位を確立させるような活躍を期待したい。

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カテゴリー: F1 / ホンダF1 / レッドブル・レーシング