ホンダF1:2020年 第8戦 F1イタリアGP 金曜フリー走行レポート
F1イタリアGPの初日。ホンダF1のPUを搭載したレッドブル・レーシング、スクーデリア・アルファタウリの両チームはフリー走行で力強いペースをみせながらも、タイムとしては2チームでやや明暗を分けた一日となった。

FP1で全4台がトップ6入りというポジティブな結果から始まり、結果的に見ると前向きなレースウィークのスタートを迎えた。アレクサンダー・アルボンが3番手、それに続きダニール・クビアトが4番手となった。

マックス・フェルスタッペンはセッション中にアスカリでスピンをし、フロントウイングにダメージを負ったが、セッション終盤にはコース復帰を果たすことができた。FP1は5番手で終えることとなり、続いてピエール・ガスリーが6番手となり、4台すべてが上位6番手以内となった。

金曜の午後に行われたFP2では、ピエール・ガスリーが4番手、マックス・フェルスタッペンが続いて5番手、ダニール・クビアトが7番手、そしてアレクサンダー・アルボンが14番手で終えることとなった。ガスリーはセッション終盤に見つかったダンパーの小さな問題により、予定外のピットストップを要することになったが、セッションを通して力強さをみせた。

この週末から開始されるPUのモードに関する新しい規制のもとでも、予選・レースでPUの力を最大限に発揮できるよう、今日のセッションで得た有益なデータの解析を進めていく。

田辺豊治(ホンダF1 テクニカルディレクター)
「今日のイタリアGP初日は、FP1でのフェルスタッペン選手のコースアウトはあったのものの、PUとしては問題なく順調にプログラムを消化することができました。まだ初日とはいえ、特にホームレースとなるSATは地元で2台がよいポジションにつけており、いい形でスタートが切れたと思います。今週末から、予選と決勝で同一のPUモードを使用する規制が適用となるため、PUとして今日のプラクティスセッションはその設定確認のため若干通常と異なるプログラムで走行しました。今日集めたデータをもとに、ここから予選と決勝で使用するモードの詳細を煮詰め最適化を進めます。明日の予選以降は、我々にとってこれまで経験したことのない形での運用となります。パフォーマンスと信頼性のベストバランスを取りながら、週末を戦っていければと考えています」

ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)
「今日は今シーズンで最高の金曜になりました。午前が6位、午後が4位という結果で、マシンの感触も非常によかったです。プッシュできましたし、いくつかのいいラップを走ることもできました。残念ながらロングランを行っていたFP2の終盤にダンパーに小さな問題が発生し、若干早くセッションを切り上げることになりましたが、全体としては今日はいい一日になりました。モンツァ用の低ダウンフォース仕様のマシンはうまく機能していますが、さらなる改善の余地も感じています。エンジンモードの規制によりいくつかのサプライズがあるかもしれませんが、どうなるか見てみたいと思います。タイムは非常に接戦で、予選もスリップストリームに入るために、各車が列をなす形になると思うので、ミスのない形でのセッションを進める必要があります」

アレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)
「午前のセッションでの感触はよく、午後も悪くはありませんでしたので、高速コーナーと低速コーナーでの挙動を改善するためにいくつかの小さな変更を行うのみだと思っています。事前の想定通り非常に僅差ですし、0.1秒の差により、ここではグリッドポジションが3つか4つ変わることになります。自分たちが目標としているポジションに届くには今晩の作業でマシンのバランスを改善する必要がありますが、このサーキットではパッケージを改善する余地があると考えています。僕のFP2でのベストラップタイムはトラックリミットを超えたことにより抹消されてしまいましたが、そうしたことが最終コーナーで多く起こりました。ここではどのマシンも列をなして走りますが、ラップタイム計測を始める前に最終コーナーで減速して前のマシンとの間隔を空けようとするため、その後ろを走っていると前のマシンからの乱流を受けやすい状態となり、走行ラインから外れてしまいます。ただ、予選ではどのマシンも同じタイミングでタイム計測を開始するので、今日ほど難しい状態にはならないと考えています」

ダニール・クビアト(アルファタウリ・ホンダ)
「まずまずの金曜だったと思います。ショートランとロングランに取り組み、特に問題なく多くのラップを周回することができました。ショートランのすべてに満足できているわけではありませんが、それでも今日はいい仕事ができたと感じています。本当に重要になってくる明日以降のセッションに向けて、改善のための作業を続けていきます」

マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)
「今日はマシンのバランスとグリップに苦しんでいたので、いくつかの作業を行う必要があり、ベストなスタートとはいえませんでした。ここではどのマシンもトラック上での限界を探っています。特に最終コーナーはコースアウトしやすいのですが、プラクティスの際にはどのマシンもその点をあまり気にしていなかったので、タイムを抹消されるケースが多かったのだと思います。FP1のクラッシュの際にはチームが非常にスピーディーにマシンを修復してくれたため、FP2に向けて特に影響はありませんでした。このサーキットでどの程度タイヤが劣化するかはまだ分からないのですが、きちんとマシンのバランスを取れればその部分は問題ないはずです。なので明日の予選の前までにはきちんとマシンのバランスを最適化したいと思います」

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カテゴリー: F1 / ホンダF1 / F1イタリアGP