F1 ホンダF1
ホンダは、2019年のF1世界選手権に向けた最後の公式テストとなる4日間にわたるプレシーズンテストの3日目を終えた。

バルセロナでのテスト残り一日となった3日目、トロロッソ・ホンダのアレクサンダー・アルボンはSTR14のコクピットで彼にとってのテスト最終日を迎えた。

今回のテストでアレクサンダー・アルボンは、先週まで過去に一度もF1マシンに乗ったことがないとは思えないほど堅実なパフォーマンスをみせた。3日目もテストで3番目に多くの周回を走ったドライバーであり、また、現段階ではまだラップタイムはあまり意味をなさないものとは言え、昨年のスペインでのテストのベストタイムを破った4人のうちの一人でもあった。

レッドブル・レーシングは、ピエール・ガスリーが9コーナーでクラッシュし、65周のみの走行で終了となった。ガスリーは幸いなことに無事だったが、マシンのRB15は修復に多くの時間が必要なダメージを負ってしまった。

コース上でのテストは残すところ明日の数時間のみとなり、チームはメルボルンに向けてフォーカスしていかなくてはならあい。最終日はダニール・クビアトとマックス・フェルスタッペンがコクピットに乗り込み、ウインターテストを締めくくる。

田辺豊治 (ホンダF1 F1テクニカルディレクター)
「ガスリー選手のクラッシュにより、Aston Martin Red Bull Racingが昨日に続き走行時間を失ってしまったことは残念に思っています。ただ、大きなアクシデントの中でも、ガスリー選手自身の身体に問題がなかったことは幸いでした。今回のテストが初めてのF1マシンでの走行となったRed Bull Toro Rosso Hondaのアルボン選手は、合計で500周弱を走破しました。我々のPUの開発にも大きく貢献してくれていますし、彼のデビュー戦を楽しみにしています。明日はいよいよ開幕戦前の最後の走行機会になります。両チームともにいいかたちでテストを締めくくりたいと考えています」

ジョディ・エギントン (スクーデリア・トロ・ロッソ テクニカルディレクター)
「今日はアレックス(・アルボン)にとってウインターテストの最終日となるため、予選とレースシミュレーションを重視したプログラムを行い、残りの時間は残りの空力テストなど行いました。各タイヤのコンパウンドやサーキットの状況に対応しながら成果をみせたアレックスの予選シミュレーションは、このテストで期待されていた通りでした。午後に行ったレースシミュレーションでは、赤旗の影響もあり、完了することはできなかったのですが、C1タイヤを使用してテストすることができました。そのため、アレックスはロングラン用タイヤで走ることができ、彼のマシンへのさらなる理解や自信にもつながったのではないかと思います。そしてエンジニアたちも有効なデータを得ることができ、最終日にもそれを活かしたテストを行えそうです。マシンのペースにはある程度満足しています。これまでの課題でもありましたが、2019年シーズンもタイヤの磨耗が我々の課題なりそうだと思っています。今回はそれをどう最小限に抑えるかを試すことができたいいテストになりました」

ギヨーム・ロケリン (レッドブル・レーシング レースエンジニアリング責任者)
「クラッシュの原因はピエールが9コーナーでほんの少しワイドに出てコントロールを失ってしまったため、起きてしまったものでした。ほぼアクセル全開で走行する区間ですし、ミスがあった場合はすぐに感じて分かる場所です。ピエールが無事で本当に安心しました。今日のアクシデントを理由にテストプランを妥協するわけにはいかないので、明日までにマシンを準備するため、今夜は作業に追われる夜となりそうです。ピエールのクラッシュまでは、順調に午前のセッションが進んでいました。予選セッションを見据えた練習を行いましたが、ドライバーにとっていい予習になりましたし、ピットクルーにとっても久々に本領発揮というところだったと思います。アクシデントは残念ではありますが、起きてしまったことは仕方ありません。気持ちを切り替え、次にやるべきことへ進みたいと思います」

アレクサンダー・アルボン (トロロッソ・ホンダ)
「できるだけ長い時間マシンに乗り、多くの周回をこなすことができたので、ウインターテストにはとても満足しています。この冬の開発の成果が本当に分かるのはメルボルンまで待たなくてはなりませんが、少なくともこのテストでの成果については満足できるのではないでしょうか。また今日も100周を越える周回を走ることができましたが、この結果はチームのハードワークとHondaの信頼性を証明していると思います。テストでは常にできるだけ長い走行距離を稼ぎたいものですが、それができたのも、マシンに慣れながら多くのことを学べたのも、信頼性がなければできなかったことです。総合的にマシンの感触はよく、悪い意味での驚きになるような問題もありません。明日のテスト終了前までにまだいくつかテスト項目は残っていますが、なにが僕たちにとって有効かを多く試せたプレシーズンテストだったと感じています。このマシンにとっての基準となるパフォーマンスを確認することができたと思うので、開幕までの2週間はそれを元に万全に準備していけるはずです」

ピエール・ガスリー (レッドブル・ホンダ)
「今日のテストではさらにパフォーマンス面を重視し、多くのことを学ぶことができました。まだ課題は残りますが、総合的には満足しています。シャシーもエンジンも感触はよく、基本的なマシンのパッケージにはとても期待できるものだと感じています。午後のセッションでは9コーナーでミスをしてしまい、マシンにダメージを負わせてしまいました。大きなクラッシュで驚いてはいるのですが、大きなケガはなく無事です。それよりも、ガレージで作業をしてくれている皆に申し訳ない気持ちでいっぱいです。彼らにとって今夜は長い作業となってしまいますが、一番重要なのはマックス(・フェルスタッペン)がマシンに戻れることであり、気持ちを切り替えて明日集中することです。理想的なテストの終わり方ではありませんが、この4日間で多くの周回を走れたことはポジティブに捉えていい結果です。期待できるパフォーマンスを見ることができたので、このマシンのパッケージのよさを最大限に活かし、メルボルンにはベストな状態で挑みたいと思います」

このエントリーをはてなブックマークに追加

カテゴリー: F1 / ホンダF1